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間話 ブラックユータ

こちらは「アルファポリス」さんのお気に入り3000超え感謝の際の間話です。

本編と関係ないお話になりますのでストーリーから逸れたくない方は読まれないことをオススメします。




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カロルス様は元A級冒険者だ。今でも衰えないその身体は、同じ男として羨望ものだ・・。実力を知らなくても、この人にケンカを売ろうとは思うまい。

いくつぐらいだろうか?顔つきは若く見えるけど、ぼさぼさの髪と無精ひげで老けて見える。息子さんもそこそこ大きいみたいだし、35よりは上だろう。


お風呂に入りながらまじまじとカロルス様の大きな背中を見つめる。

いいな・・オレ、地球にいたころの身長、170㎝くらいだったよ。まあ・・・平均だね。体重も60キロそこそこぐらいだったかな?まあ・・・平均だね。なにもかも普通で細くも太くもないハズなのに華奢に見られる方だったよ。畑仕事してたから、結構筋肉あったと思ってたんだけど・・・これを見ちゃうとなぁ。元のオレからしても・・・腕、何倍あるんだろ。そもそも身長が・・190cmぐらいあるんじゃないだろうか?外国人っぽい顔なのでちっとも違和感はないけど。


オレ、気になってたんだ・・。女の子に間違われるのはオレが幼児だからだと思ってたけど、ここの人たちってみんな結構デカくてゴツイんだよ。女の人でも結構高身長で体格も大きめなんだ・・・マリーさんは華奢だけど結構背が高い。小柄だと思ったリリアナでも、日本だったらごく普通の身長だ。

今のオレ、地球にいた頃の・・幼児の時のオレそのものだと思うんだ。あの頃も女の子みたいにかわいらしいって言われてた気がする。て、ことは・・だよ?大人になっても・・オレ・・・オレ・・この世界だとすっごくちっさくて貧弱な男にならない?それともこの世界の食べ物を食べて、カロルス様みたいに鍛えたら、こんな風になるんだろうか?



心配になって自分の二の腕を触ってみる。明らかに細い骨、筋肉のきの字も感じられないぷにっぷにの腕。これが・・・あんな風になるだろうか・・・。


「・・・ふぅー!・・ん?どうした?」

ざばー!とお湯を溢れさせながらばしゃしゃ、と顔を洗う様はそのまんまオッサンだ。なのに、湯船の縁にかけた腕には、縄のような筋肉が盛り上がっている。


「オレ、大きくなったら逞しくなれるか心配だったの。」

「わはは!お前が逞しくか!!そりゃー面白いな!」

「どうして!オレも強そうで逞しい冒険者になるんだよ!」

まじまじとオレを見つめる青い瞳。おもむろにオレの両腕を取ると、次々とボディービルっぽいポーズを取らされる。

「・・ぶふっ!!!ぶわはははは!」

「・・・・・・。」


3ポーズ目で堪えきれなくなったカロルス様がお湯を叩きながら腹を抱えて笑っている。

マッチョポーズのまま憮然とした表情のオレをバシバシと叩いた。

「・・ま、まア頑張れよ!」

無理だと思うけどな!そう言いたげな調子で、笑いを堪えながら出て行く大きな体を恨めしく睨み付けるのだった。





「カロルス様~これ、新作!」

「お?お前が作ったのか?・・・・うま!」

おやつに差し出す揚げパン。うむうむ、いい食いつきだ!



「お!これはなんだ?・・・・美味いな!!」

うん、カツも絶対好きだと思ったよ~たくさんあるからね!たんとお食べ!ジフにカツを伝授したからね~これから頻繁に出してもらえるように頼んだから。



オレはジフをレシピで買収しておやつを作る権利と夕食メニューを伝授した。

今日のおやつはドーナツだ!穴の開いたヤツは作れないからな!あれだ・・サーターアンダーギーっぽいやつだ。大皿にたっぷりあるからね!お好きなだけどうぞ!

紅茶は熱々で渋めに入れて、こってり感をなくすように・・・。


「カロルス様、お夜食にどうぞ!」

「おお、悪いな!これ口当たりが軽くてな、つい手が伸びるぜ。」

バターたっぷりめのほろほろクッキーを夜食用に定期的に差し入れる。

うふふ・・・しっかりお食べ。いくらでも作ってあげるからね・・・。


カロルス様の最近の夕食はカツ、カルボナーラ、揚げ物、チーズたっぷりピザ・・全部オレが伝授してオススメしている。美味い美味いと大量に食べるカロルス様。・・哀れな。


ふふふ・・・オレは黒い笑顔でほくそ笑んだ。

ふふん、見たか!これぞ現代知識チート、カロリーコントロール!毒物なんかよりよっぽど恐ろしいその効果、とくと味わうが良い・・・。





「・・・・・カロルス様。さすがにそのご様子は・・・・いかがなものでしょう?」

「何がだ?」

「いえ・・その、随分と・・・丸くなられたように思うのですが?」

「丸く?」

「ええ、単刀直入に申し上げますと、太りすぎだ。・・と言うことにございます。」

「そうか?・・・・そう言えば最近体が重いような。腹がつかえるような気もするな。」

「・・奥様がその姿を見たら・・。」

「そんなにか?」


その様子を見て、こっそり黒い笑顔になっていたオレの肩にぽん、と手が置かれた。

「・・・ユータ様?」


振り返るとマリーさん。なんだろう・・・・笑顔が怖いような。


「アレは美しくありません。前の方がまだマシというもの・・・。アレに仕えるのは嫌です・・元に戻して下さいますね?」

「・・は、はい!」


背筋を伸ばして返事をするオレ。このマリーさんに逆らっちゃいけないと本能が告げている。

翌日から、ひたすらヘルシーになった夕食。カロルス様はマリーさんからおやつ禁止令が発動されて無念そうだ。


せっかく育成したのに・・。

でも、カロルス様はオレを怒らせたら怖いと学んでくれたようなのでまあよしとしよう。




ブラックユータ?でした!


お話の流れをぶった切って間話投入してすみません!多忙のタイミングでストックも切れちゃったので苦渋の選択・・

楽しんで頂けたら幸いです!


リクエストいただいたのは「破滅の悪魔」の方のユータということだったと思うのですが・・

多分まじめに悪魔なユータをご希望だったかと思うのですが、これでお許し下さい~!これはこれで破滅の悪魔・・・!


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― 新着の感想 ―
[一言] ある意味現代チートなユータ君ですね(o^^o) そのまん丸状態から元に戻れるカロルス様が これまた凄いなぁ〜って思います♪
[良い点] テンポがよく読みやすい。妖精魔法の斬新で概念はあまりないと思う。 [気になる点] 異世界ものにありがちなセオリーを踏襲しすぎて話しにリアリティがなくなる。 幼児の思考か転生前の思考か曖昧…
[気になる点] カツは、すでにある料理じゃあなかったっけ? 白身魚のフライを作った時そんな会話があった気がするんだけど?
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