SS? 総選挙
【もふしら19巻は、キャラ投票があります!! 忘れず参加してね~!】
「結果って……いつ分かるんだろ」
オレの緊張の面持ちを見て、ラキがくすくす笑った。
「まだ投票も始まってないのに、もう結果の心配~?」
「お前はどうせイイとこいくんだから、気にする必要なくねえ?」
で、でも、もしそうじゃなかったら……オレ、責任がある気がして!
『主はしっかり、いつも通りのポンコツっぷりを発揮すれば間違いナシなんだぜ!』
『そこは誰にも負けないって、自信をもっていいと思うわ!』
……全然励まされている気がしない。
そもそも! 世界一のポンコツを決める選挙じゃないから!! ポンコツ要素なんて欠片もいらない!
「ユータはいいけどさ、俺はどうなんだろなー。ちぇ、ラキも結構モテるもんな」
「ふふ、どうだろうね~?」
タクトは人気ないと思っているけれど、そうでもないんだけどなあ……。本人が気付くかどうかってところもあるよね。
『まあ見てな、俺様が颯爽と上位の座に納まってやるぜ!』
『おやぶ、がんばれ!』
……うーん、どっちかというとアゲハの方が上位だったりして。
――ラピスも、人気あるの?
つぶらな群青のお目目が、きゅるりとオレを見つめる。
ああ、ピュアを凝縮したような純白のふわふわが、人気ないなんてことあるだろうか。いいや、ない。
「もちろんだよ! みんなラピスが大好きだよ!」
――良かったの! じゃあ、もっと好きになるように、いっぱい魔物を殲滅するの! 大丈夫、ちゃんとヒトは残すの!
……うん、そこを強調されるとますます不安になるというか。
「無益な殺生は――うーん、魔物相手だと無益ともいえないような……」
とりあえず、ピュアピュアなふわふわの小動物でいてくれた方が、人気は出るんじゃないだろうか。
『分かってないな、主ぃ、そこはギャップ萌えってやつよ! 俺様がカッコよさとキュートさを兼ね備えているように!』
『チュー助は置いといて、それはそうなのよね』
なるほど……じゃオレも何かギャップがほしい! どういうのがあるかな?
『うーん、主はちっちゃいから……。ちっちゃいけど力持ち、とかだと思う!』
「オレ、力ないもん。それ、タクトじゃない?」
『優し気でふわふわしてるけど、冷酷無比とかじゃないかしら?』
「それってラキじゃない!」
つい声を上げ、ラキの視線に気づいて慌てて口を閉じた。
どうしよう、オレが使えそうなギャップがない。
『大丈夫、ゆーたのこと、きっとみんな好きだよ!』
一生懸命オレを力づけようと、大きな図体のフェンリルが、前足でぴょんぴょん左右に跳ねている。
……そっか、シロはギャップがなくたってかわいいもの。
きっと、そういうものだ。
「なあ、誰が上位に来るか予想しようぜ!」
「僕、やっぱりカロルス様は外せないと思うな~!」
「マリーさんは?」
「マリーさんも強いけど~、一介のメイドさんと領主じゃ、やっぱり領主の方かな~?」
「確かにな! バルケリオス様とか、メイメイ様は? 王都で人気あるだろ?」
「王都ではそうだけど~、ここらでは知らない人もいるよ~?」
次々挙げられる名前に、急いでオレも参加した。
「じゃあ、やっぱりカロルス様だよね! あ、キースさんとかウッドさんとかは?」
「さすがにマイナーじゃねえ? Aランクくらいにならないと、王都で有名にはならないだろ」
「むしろエリーシャ様とか、執事さんとか、案外王都でも知られているみたいだけど~?」
なるほど……!
ますます結果が読めなくなってきた。
結果発表までの日数、オレは無事に過ごせるだろうか。
3人でああでもないこうでもないと言い合いながら、夜は更けていったのだった。
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19巻には、相性診断チャートが巻末に、そしてキャラの投票用QRコードが書籍の帯、裏表紙側にありますので、皆さまぜひご参加くださいね!
単なる人気投票だけでなく、〇〇なキャラは? 的なのもありますので、全キャラにチャンスあり!
たくさんご参加いただけますように~!
前回の投稿、日付を間違って投稿したので、お茶を濁す意味も兼ねてお知らせ的なのを……