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出会い
講義を終えると真っ直ぐに美しい眼球の元へ向かった。
彼は友人と談笑しながらこちらに気づく気配はない。なるべく自然に声をかける、そう心に言い聞かせた。
すると隣の青年がこちらに気付き、彼の右肩を叩いた。ゆっくりと二つの眼球が僕に向けられた。
……あぁ、やはり美しいーーーーー
「なんですか」
これが僕と彼の初めての出会いだ。彼の友人は警戒の色を剥き出しにしたまま、僕を上から下へと舐めるように見ていた。
彼の方は、教師という立場から呼び出されることに慣れているようで、落ち着いたままじっと見つめ返してきた。そのため逸る鼓動を抑えるのがやっとだったのをよく覚えている。
心の中で一呼吸置き、僕は声をかけた。
「その目……きれいだね」
ーーーー場が静まりかえった。
目の前の彼は目を瞬かせ、時が止まったかのように固まった。
すると次の瞬間思い切り吹き出していた。
何が起こったのか分からず、困惑した。今思えばその時の僕は『変人』だと思われてたに違いない。
豪快に、そして高らか笑う彼の声は、思わずこちらも笑ってしまう力がある。気づけば僕も笑っていた。
「先生カラコン知らないの?」
ひとしきり笑った彼は、荒い呼吸の合間にそう尋ねてきた。




