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猫の四又
「猫さん、猫さん」
「なんだ、阿紺よ」
「この、人?」
人なのか?誰だ。頭から獣の耳生えてるんですけど。めっちゃ口でかい。人、人でいいのか?
「こ、この方は?」
猫さんの隣に丸まって寝ている、人間かもしれない方を指差した
「猫娘だが?」
あー、はいはい。猫娘さんね。わかった。あの、猫娘さんね
「え?」
「はいはい、静かに。静粛に」
いつの間にか起き上がって正座をソファーの上でする猫娘さん
「あなた、あたしが寝てんのに上で騒がないで」
ビシッと指を指されて思わず背筋が伸びた
「あたし、寝てるとこ邪魔されるの一番嫌いなの」
「ご、ごめんなさい」
猫娘さんはもう一度、寝る体制を整えて寝るのかと思いきや、のっそりと起き上がり自分の頭に手を伸ばした
「これ、邪魔」
ぺいっと頭に付いていた耳を外してさっさと寝た。あ、外せたんだそれ。その、耳に付いてた奴。本物じゃないんだ
「・・・ちくしょう、騙された」