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妖怪大脱獄劇  作者: 花畑
11/16

11 教えて

狙いは、私―…?




「…それ、どういうこと?」




声が震える。


三つ目君が息を吸う音に、次に出る言葉に、身が竦む。




「シノ。落ち着いて聞けよ。お前、小さい頃の記憶がないだろ?」



「え、…うん。7歳くらいまで」



「ここに来る前のこと、誰からも聞いてないよな?」



「…うん。知らないの」



「シノ、これだけは分かってくれ。俺はお前に意地悪したい訳じゃない。お前は知るべきだからさ。今この状況でお前が何も知らないのは辛いだろ」





一体、三つ目君は私に何を伝えようとしているの。


私の過去を?


それがこの事態に関係しているというの?



なら、それなら、という事はこれって、




「ねえ、三つ目君。今皆がここに捕まえられているのって、もしかして…私のせいなの」




「シノ、それは――…」



「こんな朝方に何を言うてはるんや三つ目」




瞬時に三つ目君の頬やうなじの産毛が凍っていくのが私にも分かった。


彼のすぐ背後に立ち、険しい顔で彼を見下ろしている。

雪緒さんが戻って来た。




「三つ目、お前は下がっとり」


「雪緒さん!お帰りなさい、でもあの、三つ目君を離してあげて」


「いってえええっ」


「しゃあないなぁ」



雪緒さんは三つ目君の両耳を引きちぎれんばかりに引っ張っていたのを、ぽいっと捨てるように離した。

三つ目君には目もくれず、すかさず私を射抜く様に振り返った。

鋭い眼光が、いつもの彼女とは一線を画していた。



「志乃はん、三つ目から何を聞いたんですの」


「えっと、何も…」


「あんたの昔の話を聞いたのえ?」


「それはまだです。雪緒さん、教えて下さい。皆がここに捕らえられているのは私のせいなの?」




雪緒さんは苦い顔をした。

眉間に深い皺が寄っていても、綺麗な人は綺麗なんだと思った。

普通の、何の取り柄もない私ならそういう訳にはいかない。

何も出来ない、ただ足手まといで。


足手まとい所じゃないかもしれない。

私が……元凶、なら。




「それは違う。あんたのせいやありません。志乃はんは何も悪くないんや。何も悪くない…」



雪緒さんが目の端に涙を浮かべた。

私は驚いた。

雪緒さんの涙なんて、今までに見たことなかった。彼女はいつも笑っていたから。



「雪緒さん…?」



「だから、全部言っちまった方がいい。半分だけ言ったってこいつはますます不安になるだろ」


「それはあかん。お前は軽率過ぎるんや。せやから変な企て考えるんはやめときや」


「げ、バレてるのかよ」


「企て?三つ目君、何しようとしてるの?」


「…本当はそれをお前に言いに来たんだ。でも、お前見てると全部話さねえとって思って」





三つ目君…

雪緒さん…





「話して。お願い。…私が原因なら、私が解決しなきゃいけないでしょう。三つ目君や皆が頑張る必要ないよ。…お願いします」




その時、下から地響きがした。


大きな揺れと共に、何かが迫ってくる音がする。



恐ろしいものが――――…

ちょっとばかし急展開ですね。

うまく繋げられるか不安><

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