暁影の騎士の誓い
カイロスから手紙が届いた。
「2人を引き離そうとして申し訳なかった。他の騎士に情報を引き継ぐため、アレクシス殿に今一度王宮へ来てもらいたい。」
ロザリアは怪しんだが、アレクシスが行くというので行かせることになった。
「ロザリア様、今日は引継ぎとのことなので、すぐに帰れると思います。」
「…不安なの。 なんだか行かせたくない気分よ。」
「心配してくださるのですね…。 あぁ、居場所を把握していただける魔法でもあればよいのに…。」
「居場所の把握? あら、アレク、あなた良いこと言ったわね!
今から暁影の騎士の誓いをします。」
「暁影の騎士…ですか?」
暁影の騎士とは、暁光の魔女を一番近くで守護する唯一の騎士。
もっとも、ロザリアの騎士はアレクシスしかいないため、最初からロザリアの唯一はアレクシスだった。
「誓いは魔塔の祭壇で行うの。 貴方が私の騎士になったときに覚えさせた文章があるでしょう?それを唱えるのよ。」
2人は祭壇へ向かう。
♦・♦・♦
祭壇の前で、アレクシスはロザリアの前に跪き、愛おしそうに彼女を見つめながら、剣を捧げる
''貴女は暁の光。
私は、その光を映し、永久に寄り添う影となりましょう。
この身は剣。
この心は貴女のもの。いかなる時も、いかなる運命の中でも、私は貴女に仕えましょう。
貴女が微笑む限り、私はそれを守る盾となり、貴女が涙を流すならば、その涙を拭う手となりましょう。
貴女が行く道がどれほど遠くとも、どれほど暗くとも、私は決して離れません。
たとえ世界を敵に回そうとも、貴女だけは決して手放さない。
我が愛しき暁の魔女よ。
貴女が望む限り、私は貴女の剣であり、貴女の影であり続けることを誓います。''
ロザリアが彼の剣にそっと手を添えると、アレクシスは彼女の手の甲に静かに口づける。
♦・♦・♦
「これで、誓いが成されたわ。 貴方がどこにいるか、丸分りよ?」
クスッと笑うロザリアに、アレクシスは甘酸っぱい気持ちになった。
束縛がすきなのかな?




