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クリスマス

 季節はすっかり冬になって、街中は白い雪化粧に包まれることもあった。もうコートとマフラー無しには外も歩けないくらいに寒い。

 そして今日はクリスマス。

 あれから部室もクリスマスムード一色になって、みんなも自然と笑顔になっていた。

 去年までのクリスマスは、オレか美香か勇介の誰かの家で小さなクリスマスパーティーをして過ごしていた。でも、今年は送別会が行われた千秋先輩のレストランでクリスマスパーティーをやるらしいんだ。三年生も特別参加。オレも特別な用事なんてないからもちろん参加する。にぎやかなクリスマスになりそうだ。

「お待たせ」

「おう」

 毎度の事ながら美香と勇介も一緒にクリスマスパーティーに向かう。

 一応パーティーだから美香は少しばかりおめかししていた。うっすら化粧もしているし、普段は見ることのない高そうなコートに白いマフラーを巻いていた。クリスマスを意識してかコートの中には赤いドレスを着ていた。

 オレは普段着とそんなに変わらないかな。少しは考えたけれど。

「変じゃないかな?」

「いや、いい感じだと思うぞ」

「へへっ…、勇介は?」

「まだみたいだけど」

 勇介は何やってるんだ?約束の時間はもう過ぎてるってのに。

「おーーい!!」

 はぁ、やっと来やがった……って。

「わ、悪いな、二人とも」

 勇介が息を切らしながらやってきたんだけど…。

「なんだ?その格好は?」

「タキシードだ、知らないのか?」

「そんなことを聞いてるんじゃない!」

 何を考えてるんだこいつ。知り合いしか来ない部活のパーティーにタキシードだと?

「かっこいいだろ」

「勇介、確認するがその格好で行くんだよな?」

「そうだけど?」

 いや、本人がそう言ってるんだから余計なことは言うまい。

 どうなるか見ものでもあるしな。

「ねー、早く行こうよー」

「あ、あぁ」

 千秋先輩のレストランまでは徒歩で行くんだけどいかんせん、勇介の野郎が目立ちすぎる。周りからはクスクスと笑い声まで聞こえてきていた。オレと美香は他人のふりしていたんだけど、勇介は全く気にしている様子もなかった。出来るだけ距離を置いて歩いていたんだが。

「おーい、誠二、美香。待てよー!」

「な、名前を呼ぶな!」

 そんなこんなでパーティー会場までやってきた。レストランの入り口には”柳ヶ浦高校吹奏楽部様”と張り紙がしてあったな。

 時間的にはまだ夕方だけど外はもう薄暗かった。

「こんばんはー」

 おおー…。レストランの中には中央に大きいクリスマスツリーが飾られていて、店内もこれでもかというほど飾り付けしてあった。そしてクリスマスツリーの周りには、またバイキング形式で豪華な料理がいくつも並べられてあった。

「あ、いらっしゃい。誠二、美香ちゃん、と、その他」

 この前と同じように千秋先輩が迎えてくれた。

「その他ってなんすか!」

 勇介が当然のようにつっこみを入れる。

「もうだいたいみんな集まってるから。時間になるまで待っててね」

 どうやら千秋先輩には勇介の声は届かないようだ。

 周りを見るとやっぱりクリスマスだけあって、みんなおしゃれしてきていた。勇介みたいな人はいなかったけどな。

「どうだ、勇介。自分だけ違うっていうのがわかったか?」

「ああ…」

 今さら気がついたって遅いけどな。

「オレが一番かっこいいよな?」

 …貫き通すお前はある意味かっこいいよ。

「みんな注目ー!」

 おっ、もうみんなそろったのかな?

「えー、今日は奈美先生がお・と・な、の事情でパーティーには参加されてないので、代わりに私が挨拶するよー!」

 そう言ったのは理恵先輩だ。

 奈美先生は大人の事情…デートだな!

「今日はまた元部長の村田先輩がこんなに素敵な場を用意してくれました!今年最後の思い出を作りましょう!食べて、飲んで、騒ごう!えー、それじゃあみなさん、グラスを手に取ってー…」

 理恵先輩、初めっからテンション高いなぁ。

「メリークリスマース!」

『メリークリスマース!!!!』

 一斉に乾杯してパーティが始まった。

 この前同様、パーティっていってもみんなと話したりして騒ぐだけなんだ。

「誠二」

「ん?どうした、美香?」

「忘れないうちに渡しとこうって思ってさ。はい。クリスマスプレゼント」

 そうやって美香から小さな袋を渡された。

 実は美香とは毎年クリスマスプレゼントの交換をしているんだ。今年ももちろん用意してきている。

「サンキュー、開けていいか?」

「クスッ、毎年同じこと聞くよね」

「ははっ」

 美香からもらった小さな袋を開けると携帯ストラップが入っていた。小さいパワーストーンがついていた。

「おおっ、シャレてるな」

「気に入ったみたいでよかった」

「じゃあオレも。ほら」

 そうやってオレもポケットに忍ばせておいた小さな袋を渡した。

「うん、ありがと」

 毎年のことだからもうわかってたんだ。

 美香もさっそく開けていた。

「あ、あれ?」

「ははっ、考えてたことは一緒だったな」

 オレが美香に用意していたプレゼントも携帯ストラップだったんだ。ハンドメイドで作られた赤いミサンガのようなストラップだ。そんなに高い物は買えないしな。

「うわぁ、かわいい!ありがと、誠二!大事にするね!」

「おう」

 毎年素直に喜んでくれるからあげたこっちもうれしい。

 お互いにプレゼントし合ったストラップをさっそくつけた。

「せーいーじーくん!」

「あ、理恵先輩、アリサ先輩」

「じゃあ私ペットの先輩のとこ行ってくるね!」

 美香は自分のパートの先輩のところに話しに行ったようだ。

「お邪魔だったかなー?」

「いえ、そんな」

「つじく~ん、クリスマスプレゼント~」

「えっ!ホントですか!?ありがとうございます!」

 なんとアリサ先輩がクリスマスプレゼントをくれたんだ!持った感じでは少し重量があって固い。紙袋にラッピングされていた。

「あけてみて~」

「あ、はい!」

 何かな~?

 オレは期待に胸を膨らませて紙袋を開けようとした…が、包装がしっかりしていてきれいに開けきれない。

「気にしないで~やぶいて~」

 本当に頑丈な包装だったからオレは遠慮なく力を入れて破いた。

 これは…本?

「なっ!?なんですかこれは!?」

 ”女体大全集”と表表紙に書いてある本だったんだ。

「つじくんに~ぴったりの~ほん~」

「あ、あのですねぇ!」

「あん?」

「…い、いえ…」

 こえぇ、文化祭で見たアリサ先輩だ!絶対逃げられないし勝てねぇ…。

 それよりもこんな本自分で買ったのか?オレはそれが知りたい。

「私からもあるんだよー」

 理恵先輩がにこやかに包みを見せた。

 アリサ先輩がこうだったんだ…理恵先輩だって変な…。

「はい、どうぞ♪」

 これは…写真のアルバムか?何の写真…。

「……理恵先輩、これはいったい何なんでしょう?」

「やだなぁ、言わせないでよぉ。私の胸の写真だよー。寂しくなったら見てね。水着姿もあるんだから!」

 中にはいろんな衣装を着ている理恵先輩の胸のアップの写真ばかりが貼ってあった。

 オレは…オレはいったいどんな奴だと思われているんだ!?変態か…変態だと思われてるんじゃないのか?

「オレにどうしろと?」

「嬉しくないの?好きでしょ?私の胸」

「嬉しいもなにも…」

「そっかぁ、感動したのかぁ」

「なぜ!?」

 そもそも一男子に自分の胸の写真集をプレゼントするってどうなの!?

「大事にしてね!」

「え!?ちょっと!」

「しっかりお勉強するんだよ~」

「これ…!」

 どうすんだよ…、二人は行ってしまったし、アリサ先輩からもらった本だって包装やぶいたから裸だし…。バックなんて持ってないし。美香に預けることだって、オレがこんな本持ってるなんて思ったら何て思われるか…。まさか、やぶかせるためにあんなに包装を固く?ありえるな…。

「どうしたの?誠二」

「うわぁ!……あ、なんだ、千秋先輩か」

「なんだとは何よ、クリスマスプレゼント作ってきたのにあげないわよ?」

「クリスマスプレゼント…」

 一番の曲者がこの千秋先輩であるのは間違いない。どうせろくでもないものなんだろうけど。

 作ってきたって言ったか?…いやいや理恵先輩のような件もある。

「あ、ありがとうございます」

 かといって「いりません」なんて言えるわけないしな。

「じゃあはい、これ。クリスマスプレゼント。頑張って誠二のために編んだんだぁ」

 千秋先輩からは少し大きめな袋を渡された。ラッピングもキレイにしてある。

「な、なんか開けるのもったいないですね」

「えー、ちゃんとここで開けてよー」

「は、はい…」

 なんだろうか…。オレの体は開けるなと危険信号を出している。

 ガサゴソ…。

 こ、これは…!

「どうかな?けっこう自信作なんだけど…」

 中を開けると真っ赤な手編みのマフラーだった。

 まともなプレゼントだ!!

「あ、ありがとうございます!」

「そ、そんなに涙するほど喜んでくれたら嬉しいなぁ…ははっ…」

「さっそく巻いてみますね!」

 すごいな、このマフラー!丁寧に編み込まれててすごくあったかい。こんなにいい先輩を疑うなんて…。すいません!千秋先輩!

「千秋でいいっていうのにぃ」

 読心術だけはやめて欲しいけど…。

「あれ?このマフラーけっこう…いや、だいぶ長いですね」

 今年の流行ってやつなのか?マフラーの長さはずいぶん長くて全部巻くと肩が重くなりそうだった。

「うふふ…こうするんだよ!」

「えっ!うわっ!」

 千秋先輩はマフラーの余っている部分を自分で巻いてオレに寄り添ってきた。

「ふふふ、暖かいね、誠二」

「ち、千秋先輩…」

 顔…顔が近いっす…。

「ねぇ、キス…しちゃおっか…」

 はわわわわ…!

 ななな、何を言ってるんだ?キス?接吻ってことか?そうだよな!

「や、やめてください!」

「興味あるくせに…。そんな本まで持っててさ」

 !!!

「こっ、これはっ、アリサ先輩が…!」

「赤くなっちゃって、かわいい。誠二…ちゅ~…」

 うっ…うっ…。

「ご、ごめんなさい!」

 ドンッ!

「あんっ!もう…」

 オレは力ずくで千秋先輩を振り払って逃げた!

 はぁっ…はぁっ…なんなんだ、まったく。あの先輩たちといるとろくなことがないよな。

 の、喉渇いたぁ。

「あんた、何してんの?料理があるんだから暴れないでよ」

「さ、紗耶香!何か飲み物くれ!」

 オレが逃げてきたところには紗耶香が立っていた。

 まさかこいつもクリスマスプレゼントなんて…。

「さ、紗耶香、クリスマスプレゼントとかあるのか?」

「はぁ?何であんたなんかに!はい、飲み物。これでクリスマスプレゼント!」

「お、サンキュー」

 そうだよな、紗耶香がクリスマスプレゼントなんて…うっ…。

「ぶへぇ!!な、何飲ませやがった!?」

 何なんだ!このくそ苦い飲み物は!?

「なにってー、これだけど?」

 ”激マズ!濃縮青汁!”

 いや、パッケージに激マズなんて書くなよ…ってそんなことどうでもいい!

「お前…こんなのいつも飲んでるのか?」

 紗耶香は当たり前のようにこれを渡したけど。

「は?まっさかー!」

 ……オレの扱いはもはや勇介以下なのかもしれない…。

「あんた、そういえばめぐが探してたわよ」

「え?相田さん?何の用?」

「知らないわよ。さっきは入り口の方にいたけど」

「ん、わかった。行ってみる。あ、それ、ちょっと飲んでみろよ」

「いーやーよ、さっさと行きなさい」

 オレは紗耶香に急かされて相田さんを探しにレストランの入り口の方へ向かった。

「めぐ…ちゃんと渡せるのかな?」

 相田さん…どこだ?

 入口っていったらこの辺だよな。

 あっ。

「相田さん!」

「あ、せ、誠二くん」

 相田さんは入口の側の壁に寄り掛かっていた。

「紗耶香から探してたって聞いて」

「う、うん。あの……こ、これ!」

「あっ…」

「メ、メリークリスマス…」

 なんと相田さんもクリスマスプレゼントを用意してくれていたんだ。でも、相田さんもどっか抜けてるとこあるからな…なんだろう?

「ありがとう!開けていいかな?」

「う、うん」

 オレはさっそく相田さんからもらった小さな紙袋を開けた。

 中身は…手袋だった。

「誠二くん、手袋持ってないみたいだったから。頑張って編んだんだ」

 て、手編み!部長の手編みマフラーとはわけが違う。やっとまともなプレゼントだ!

「大事にするよ!」

「よかったぁ」

「でも…オレ何も用意してきてないな…」

「い、いいよ、そんなの。私が勝手に作ったんだから」

「うーん…」

 何か、何かないかな?

「じゃあさ…」

「うん、何?」

「こ、今度…一日私に付き合ってくれない…かな?」

「え?」

「い、イヤならいいんだよ…全然…。よかったら…だから…」

「そんなことなら全然いいよ、今度の部活が休みの日でもいい?」

「ほ、ホント!?ありがとう!約束したからね!」

 満面の笑顔で相田さんはオレの目の前から去って行った。

 喜んでくれていたみたいだけど、何するんだろ?美香みたいに荷物持ちか?いやいや、相田さんがそんなことさせるわけないしな。ま、休みに間違って予定入れないようにしないと。

 なんか、今年はたくさんプレゼントもらったな。

 まぁ、まともなやつは美香と相田さんからのだけだけど。先輩たちにも何かお礼しないといけないかな? 

 それからレストランのスタッフの人に紙袋をもらって、アリサ先輩と理恵先輩からのプレゼントを隠しながらいろんな人と話しをしてりして過ごした。

 途中で千秋先輩主催のビンゴ大会があったんだけど、何にも商品は当たらなかった。商品ははずれのくだらないものからコンポとかそんな豪華賞品もあったな。

「みんな!まだまだ楽しみたいところなんだけど、もう時間も遅くなってきたからパーティーはここまで」

 八時って、もうそんな時間なんだ。あっという間だったな。

「みんな良いお年を!メリークリスマス!」

 これで今年のクリスマスパーティーは終わった。

 外に出ると、いつの間にか雪が降っていて辺り一面を真っ白く染めていた。

 ホワイトクリスマスだ。

「うわぁー、素敵ー」

 美香がそう感動の声を上げる。

「勇介は?」

「さあ、まだ中にいるみたいだけど」

「待つか…」

「先に帰ろうよ、どうせ誰か女の子追いかけてるんでしょ」

「あっ、お、おい!転ぶぞ!」

「あっはははー!」

 美香は我先にと白く染まった町に飛び出して行った。

「ったく」

 ま、この辺じゃこんなに雪が積もるなんて珍しいし、はしゃぐ気持ちもわかるけどな。

「誠二ー!早くー!」

 美香の呼ぶ声に答えてオレも美香のところへ急いだ。

 白い雪が周りの光を反射して夜でも明るかった。

「気をつけろよ、滑るかもしれないから」

「はーい!」

 子供みたいにはしゃいじゃってさ。

「何?その荷物?」

 美香はオレが抱えていた紙袋を見て言った。

「ああこれな。あまり人前には出せないクリスマスプレゼントだ」

「ふーん、その手袋は?」

「これは相田さんがくれたんだ」

「そ、そうなんだ」

「まともなプレゼントは美香と相田さんだけだったな。まったくあの先輩たちは…」

 ん?

「美香?」

「えっ!?あ、うん、何?」

「どうした?ぼーっとして」

 美香はぼーっと下を見たまま歩いていた。オレの話しも聞いてなかったみたいだ。

「な、何でもない!あっ!見て誠二!雪だるまが飾ってある!」

 美香はどこか慌てているように見えた。住宅街の家の前に作られた雪だるまを見て駆け寄って行く。

「おい、走ると危ない…」

「きゃっ!」

「あぶな…!」

 ドンッ!

 いてて…。いわんこっちゃない。

 美香が転びそうになったからオレはとっさに美香の下敷きになるように滑り込んだ。

「大丈夫か?」

「…………」

 結果転んでしまったわけなんだけど、オレの上に美香が覆いかぶさる形になっていた。

 美香はそのまま全然動く気配を見せない。

「み、美香?」

 顔…顔が近いです…。いい匂いがします…。

 オレの心臓はバクバクと激しく動いていた。

「足…」

「え?」

「足くじいちゃった…」

「なんだ…。と、とりあえずどいてくれ」

 じゃないとオレが変になりそうだ!

 オレは美香の体を起こして立ち上がった。

 ふう…まだ心臓がバクバクいってるよ…。そんなことより美香の足…。

「大丈夫か?」

「うーん、ちょっと痛いな」

 どうしようか…。

 …仕方ないかな。

「しょうがない、ほら」

「え?な、何?」

「何じゃねぇよ、早くおぶされよ、置いていくぞ?」

 オレはしゃがんでおんぶする体勢を整えた。

「そんな…恥ずかしいよ…」

 美香は顔を赤くして言った。

「誰も見てないって。早くしろよ、オレまで恥ずかしくなるじゃんか」 

「う、うん…」

 そして美香をおんぶして歩き出した。

 軽いな…。

 やっぱり美香だって女の子なんだよな。幼馴染で…。

「大丈夫?誠二」

「ああ、平気だ」

「誠二…たくましくなったね」

「お前は重くなったな」

「なっ!?いい!もういい!降りる!」

「ははっ、冗談だって」

「うぅ~…首絞めるよ?」

「や、やめとけよ?」

 こんな冗談言い合えるのも美香だけだよな。

「ねぇ誠二」

「ん?」

「少しは前に進めた?」

 優花のことか…。

「さぁな」

「”さぁな”、か。ちょっと前の誠二からは絶対に返ってこない答えだね」

「そうか?」

「そうだよ。ホントにすっきりしたんだね」

「……どうだかな」

 前と比べればそうなのかもしれない。優花っていう幻影がオレの中からいなくなったことは確かなんだ。でも、まだ恋愛に臆病になってる自分がいるのがわかる。あの日の優花の泣き顔だけは忘れられないから。

 オレはたぶん…二人の女の子に惹かれてるんだと思う。

 一人は昔っから一緒だった気の許せる女の子。もう一人は笑顔が素敵な優しい女の子。

 でも、オレは今が心地いい。

 美香がいて勇介がいて、相田さんがいて紗耶香がいて、先輩たちがいて…。オレはこの毎日が楽しい。いつまでもみんなとこんな関係が続けばいいなと思う。

 みんなが笑い合って楽しく過ごせたら…。

 美香をおぶりながらそんなことを思っていた。

 

 


 


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