マーガレイン、冒険者の酒場にて
がやがや、がやがや
「はぁ、まったく。やってらんなーい、ですの。」
ボロボロの丸テーブル。軋む木の椅子。
喧騒とした冒険者の酒場のど真ん中の席を陣取るように、
腰まで届く、ウェーブかかったマリンブルーの髪。
真珠のように透き通る肌に、ウニのように尖った睫毛。
まぁ、こういう場には馴染むがしかし
少し薄着すぎるんじゃないかというひらひらした格好の美少女が
木樽ジョッキを片手にワインを煽っている。
「かぁーーっ!マスター!!!
海ぶどうの果実酒、おかわりですのーー!!」
「マーガレインさん……。」
「おいおい、嬢ちゃん。
いい加減にしとけよ。」
少女を諫めたのは、隣のテーブルに座る
いかにも海の男という然のセーラー服の男。
「うっせー!やんのかこらぁーー!!」
がたんっ!!
「ちょ、やらねえよ!
落ち着けって!!」
「なんだとぉー!!?
それでも男かこらぁー!!」
「や、やめろって!!
お前は、それでも女か!!」
「あぁんっ!?女ぁっ!?」
眉間にしわを寄せた怖い顔で、男を威嚇してた美少女。
今度は表情をコロっと一変させて、余裕に満ちた表情で
顎をもたげ男を見下すようにいった。
「なんですのぉ~?そゆことぉ~?
私が欲しかったんですの~?」
美少女は人並みよりは豊満なその胸を強調させると、
男をからかうようなポーズをとった。
「ちがうっ!やめろや!!このあばずれ!!」
「なぁにぃ~?照れてますの?
こんな筋肉隆々の大の男がぁ~~?」
「っていうか、欲しいも何も
お前……卵生だろっ!?
人魚なんだからっ!!!」
「えぇ~~??」
そう。彼女は人魚であった。
名はマーガレイン。人魚の国、シャローシーキングダム。
7人の王女の上から6番目姫騎士。
それが、この飲んだくれの正体であった。
「なぁにいってんですの??
卵生だって、かけてもらわなきゃ
孵るもんも孵りませんの~。
人魚の手管をご存じありませんの~?」
「やめろって、俺には妻も子供も……!
いやぁー!だれか助けてぇーー!!」