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〇〇しないと出れない50の部屋に閉じ込められた百合カップル  作者: 橘スミレ
望とアズサ ゆるふわ可愛い系女子×真面目で賢い美人系女子(完結済)
8/66

〇 二人で協力して百人一首を全部覚えるまで出れない部屋

「そうきたか」


 私が看板の内容に言葉を失うなか、アズサは冷静に看板に小さく書かれていら何か見ている。


「上の句の札と下の句の札を全部セットにできたら合格だって。まだマシだったね」


 何がマシなのだろう。私は暗記が嫌いなのだ。頭が痛くなってきた。


「大変そうって顔してるね。でも意外とそうでもないよ」


 例えば、と彼女は続ける。


 「むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのほる あきのゆふくれ」


 これは上の句が「む」で始まって下の句が「き」で始まる唯一の句。つまり「む」がきたら「き」と覚えておけばいい。このようなものを決まり字というらしい。


「全部覚えなくていいんだね」

「そうそう。1字決まりは7首、2字決まりは42首、3字決まりは37首、4字決まりが6首で、5字決まりが2首、残りの6首が6字決まり」


 希望が見えてきた。アズサは本当に物知りだ。


「じゃあ望は1・4・5・6字決まりのを覚えて。私が残りを覚えるから」


 ならば私が覚えるべきは21首、アズサが残りの79首を覚えることになる。


「さすがにアズサの分が多すぎない? 私もうちょっと頑張れるよ?」

「大丈夫。すでにそのうちの半分くらいは覚えてる。私の記憶力すごいんだからね」


 そういってせっせと札を分けている。私は素早く札を判別するアズサの知識量に感動した。


 それから一時間後にはなんとか部屋を出ることができた。暗記のしすぎで頭が痛くなった。

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