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〇〇しないと出れない50の部屋に閉じ込められた百合カップル  作者: 橘スミレ
ユキと千夜 気に食わないけど実力は認めてるケンカップル

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相手の最近よく食べたものを食べないといけない部屋

「今度は何の部屋だ?」

「サラダチキンとエナジードリンク。妙な組み合わせだね」


 また真っ白な部屋だ。同じく白の机と椅子。

 その上にはお皿に乗ったサラダチキンとワイングラスに入ったエナジードリンクらしき液体がある。

 なんでワイングラスに入れたんだろう。

 そんなお上品な飲み物じゃないでしょう。

 限界学生のお供でしょう。


「カードあったよ。お互いがよく食べるものを用意したから食べろってさ」


 お互いがよく食べるもの。ならサラダチキンは僕がよく食べるものだろう。

 つまり、あのエナジードリンクはユキのものだ。


「ちょっとユキ。まだエナジードリンク飲んでたの? 体に悪いからやめなって言ってるのに」

「千夜は私のおかんか。私が何飲んでようと勝手でしょ。気づかれないようにやってんだから千夜を不快にさせることもないし、私が早死にしても嬉しいだけでしょ」

「起きたらルームメイトがカフェイン中毒で倒れてるとかトラウマなるから嫌」

「嫌がらせに試すのはアリか。いや、死にたくないしやめておこう」


 またろくでもないことを言い出した。

 簡単に危ないことをしないでほしい。


「とりあえず、食べよ」

「エナドリなんて飲みたくない」

「仕方ないじゃん。ここから出るためにおとなしく飲みな」


 しぶしぶグラスに入ったエナドリに口をつける。

 甘ったるい。炭酸が口の中でシュワシュワと洗い流そうとするが、足りない。

 ベタつくような甘さが勝っている。

 体に悪そうだ。


「ユキ。やっぱり常飲は控えたほうがいいよ」

「考えとくよ」


 これは辞めてくれないやつだ。

 とりあえず強制捜査して部屋にあるエナドリを捨てなければ。




 ※エナドリは過剰摂取に注意して「ここぞ!」という時に飲みましょう

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