△ 特大パフェを食べきるまで出れない部屋
「次はどんな部屋だろう?」
「甘い匂いがするよ!」
ワクワクしながら部屋に入ると特大のパフェがあった。
これでもかと乗せられたフルーツ。
今のも溢れそうな生クリーム。
絶妙なバランスが保たれているシュークリームとマカロン。
目測で高さ50cmはある。でかい。
「これを食べ切れば良いんだって!」
「こんなに食べれる?」
「頑張ろ。さっき頭使って疲れたから糖分を補給しないとね!」
若干引き気味のアズサの背中を押して、椅子に座らせる。
自分も反対側の椅子に座る。
「さあ、食べよ!」
「うん」
私はさっそくパフェを取り分けた。
まず今にも滑り落ちて来そうな砂糖の塊ことマカロンを分ける。
「アズサはどれがいい?」
「望はマカロン好きでしょ。全部食べなよ」
「いいの? ありがとう!」
マカロンは全部もらった。
甘くてサクサクしてて美味しいんだよね。
「私、代わりにシュークリームもらうね」
シュークリームはアズサの元に。
私はあまり好んでシュークリームを食べない。
スカスカで食べた気がしないのだ。
「このシュークリーム美味しい」
「よかったじゃん!」
アズサが両手でシュークリームを持って食べている。
ハムスターみたいで可愛い。
「残りのフルーツと生クリームは半分こでいい?」
「生クリームはちょっと重たいから、少なめにしてもらってもいい?」
「全然いいよ!」
アズサのお腹がそろそろ限界らしい。
さっきからずっとお腹をさすっている。
「はい。あーん」
「ん」
取り分けながらイチゴを差し出すとそのままパクッと食べてくれた。
「うん。やっぱりお腹いっぱいみたいだね。いつもキリッとした感じがない。小動物みたいで可愛いからいいけどね」
「もう、食べれない……」
「あとは私が食べるよ。デザートは別腹の人間だからね」
残ったパフェは全部食べた。
ちょっと食べすぎた。口の中が甘ったるい。
「あ、レモネードだって」
酸っぱい。口の中がスッキリする。
アズサも一口だけ飲んでいた。
「動ける?」
「……ちょっと休憩」
「それがいいね」
私たちはしばらくの間地面に座って休んでから手を繋いで部屋をでた。




