表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
〇〇しないと出れない50の部屋に閉じ込められた百合カップル  作者: 橘スミレ
望とアズサ ゆるふわ可愛い系女子×真面目で賢い美人系女子(完結済)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/66

〇 表に載っている花言葉を全て覚えるまで出れない部屋

「お次はどんな部屋かな」

「紙が置いてあるね」


 紙といえば初めの方に何度も名前を書かせてくる部屋があった。

 あれは嫌だな。


「この表に書いてある花言葉を全て覚えれば良いんだね」


 アズサが紙を見ていった。

 私も後ろから覗き込む。


「花は50種類あるね」

「じゃあ私が35種類覚えるから、望は残りの15種類覚えてね」

「やっぱりアズサは覚えるのが得意なんだね。かっこいい!」


 アズサは暗記ができるならその能力を使わなければもったいないとばかりに小さな頭に知識を詰め込んでいる。

 だから一緒にいると、私の知らない世界を見せてくれる。


「黒百合の花言葉は恋と呪い……」

「正反対で面白いよね」

「うん。なんでこんなおかしなことになってるの?」

「由来が違うからね」


 今もまたこうやって新しい世界を見せようとしてくれている。


「恋は、恋した相手のそばに黒百合を置いて相手がそれを手に取ったら二人は結ばれるっていうアイヌ民族の言い伝えから来てるの。対して呪いは戦国時代に愛妾が別の男の子を身籠ったという噂を聞いて怒って殺しちゃったの。その時にクロユリが咲いたら家が滅亡すると言う呪いの言葉を残したんだって」

「花言葉って適当だね」

「確かにね。私は不器用な人が花にロマンを見出したんじゃないかなって思ってる」

「どういうこと?」

「伝えたい思いがあるけど、直接言うのは恥ずかしい。だから花に思いを込めて贈る。ご都合主義で、ちょっと素敵な文化だと思うな」

「確かにね」


 私が詳しく知ろうとしなかった花言葉から素敵な考えを知れた。

 アズサと過ごしているからこそできた経験だ。


 この後も時々話を挟みながらもなんとか全て覚えて部屋をでた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ