♡ お互いをイメージした動物を描くまで出れない部屋
「今度は何の部屋?」
「動物を描くんだって」
「もしかしてお互いをイメージしたシリーズ?」
「そうみたいだよ」
またあのシリーズがやってきた。
どれだけお互いのイメージを暴露させたいんだろう。
「とりあえず描こうか」
「そうしよう」
私は机の上にあるスケッチブックと鉛筆を手に取った。
アズサをみて考える。アズさんっぽい動物。
賢くて、しゅっとしてて、かっこよくて、でも可愛い動物。
色々考えた末に出した答えはキツネだった。
絵柄によって可愛く見えたりカッコよく見えたりするキツネ。
うん。アズサっぽい。
私はさっそく描き始めた。
だが資料がないので描きにくい。
想像だけで描いて謎の物体を錬成すること3回。
途方に暮れているとき、あることを思い出した。
「そういえばキツネって折り紙であったよね」
スケッチブックを一枚ちぎって、折ってみる。
結構綺麗にできた。
「あとはこれで大体の形を取って、顔を描いたら、完成!」
可愛いキツネが出来上がった。ちゃんとアズサっぽい。
「お、望できたの?」
「うん!」
「私ももうちょっとだから少し待ってね」
アズサよりはやくできるなんて、私すごいかもしれない。
「いっせーのーせ」
私はキツネのイラストを見せる。
「おー! 可愛い! これはキツネ?」
「そう! 正解! アズサのはタヌキ?」
「そう。のぞタヌキ」
なんと私とアズサで対になっていた。
「なんかパズルみたいにピッタリはまりそう」
「いや、実際はまってる」
「確かにそうだね」
私たちは笑いながらピッタリと手を繋いで部屋を出た。




