♡ 十分間ケーキバースごっこするまで出れない部屋
──ケーキバースとは──
「ケーキ」「フォーク」「その他」の三種類の体質を持つ人がいるという特殊設定です。韓国の二次創作BL発祥です。主にBL界隈で使われますが、GLやNL(HL)でも使われます。
ケーキは先天的にフォークにとって全身が甘い人間です。涙や血まで甘いです。
フォークは通常の味覚がない人間です。ケーキの人間のみを極上の食事として食べることができます。
よくカニバリズムと絡めて使われます。今回はハッピーエンドを目指すのでカニバリズム要素はありません。血は出ません。
「またバース系だよ」
「今度はケーキバースだって」
ケーキバースごっこと言われても何をすればいいのだろう。
「望ってすぐに泣ける?」
「そんな特殊な能力持ってないよ」
「なら私がケーキをするね。望はフォークをしてほしいな」
アズサは何を考えているのだろう。泣けるって……まさか。
「泣けたよ。ほら、お腹空いたでしょ? 私の涙、食べていいよ」
器用なことだ。この数秒の間で泣けてしまうんだもの。
アズサの泣き顔はすごく美しくて、見惚れてしまいそうだ。
「ありがとうね。じゃあ、いただきます」
「どうぞ!」
私はアズサの頬から涙を拭い取り、舐めた。しょっぱい。
でもケーキバースの世界のフォークが感じることは違う。
「とっても甘い。美味しいよ。ありがとうね」
そうやってしばらく涙を舐めていた。
最終的にはアズサの頬から直接舐め取っていた。
「何だかくすぐったいな」
「指で取った方がいい?」
「いいや。今の方が沢山食べれるでしょ?」
「それはそう。とっても甘くて美味しい。シロップみたいだよ」
そうしてアズサと甘いひとときを過ごした。




