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〇〇しないと出れない50の部屋に閉じ込められた百合カップル  作者: 橘スミレ
望とアズサ ゆるふわ可愛い系女子×真面目で賢い美人系女子(完結済)

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14/66

△ 山盛りの食用はちのこを食べ切るまで

「待って無理」


 部屋に入ると嫌でも見えにつく机と皿。

 そして上に山盛り乗せられた何か。気味が悪くてちかよりたくない。


「はちのこだって」


 アズサは平然としている。意味がわからない。


「これを食べればいいのね」


 そういうとアズサは皿の横にあるお箸を取ると、椅子に座って食べ始めた。


「あ、美味しい。望も食べよ?」


 手招きされるが無理だ。


「やだ。それ食べ物じゃない」

「美味しいから。一口だけ食べてみなよ。うなぎみたいだよ」


 はちのこがうなぎ? なんの冗談だ。


「食わず嫌いは良くないよ」


 アズサははちのこを食べ続けている。


「アズサが全部食べればいいじゃん」

「はちのこなんて滅多に食べれないんだから。貴重な機会だし食べなよ」


 アズサは美味しそうにはちのこを食べている。

 だがそれでも見た目が無理だ。

 目の前に目の前に真っ青なおにぎりがあったら食べますか? 答えは否だろう。

 少なくとも私は見なかったことにする。


 とにかく見た目は大事だ。

 うなぎはうなぎの見た目だから美味しいのであって、うなぎ味のぐにゃぐにゃなんて食べたくないのだ。それよりうなぎをくれ。


「あ、そうだ。望、あーんしてあげる」


 恋人のあーんでもはちのこは嫌だ。


「もう、しょうがないな。全部食べちゃうよ」


 アズサは黙々とはちのこを食べ出した。私は部屋の隅で小さく丸まっていた。


「望、全部食べたよ」


 アズサが私のところに来て言った。私はおそるおそる振り向いた。

 するとアズサがいきなり口付けしてきた。

 逃げようとしたが後頭部を片手で抑えられて逃げられない。

 口の隙間から舌が入れられる。私はされるがままだった。

 口内を下でまさぐられていると何かが流れ込んできた。唾液よりも美味しい何か。まさか。

 押し返そうとするもアズサに丸め込まれ飲み込んでしまった。


「何するの!」

「何ってお裾分け。おいしかったでしょ?」

「変なことしないで!」


 私はアズサを待つことなく部屋をでた。

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