♡ 壁ドンするまで出れない部屋
「今度の部屋のお題は?」
「壁ドンするまで出れない部屋だって」
なんとも少女漫画が好きそうな話である。
「どっちがする?」
アズサに問われた。壁ドンをするアズサを想像する。
ゆっくりと歩みよってくるアズサ。いつしか壁に追い詰められ、壁ドンへ。
非常にかっこいいアズサが見れそうだ。それこそ私の腰が抜けそうなくらいには。
まだまだ部屋はあるので体力を温存したい。ここは私がやった方がいい。
「アズサにしてあげる!」
そういうとアズサは意外そうにこちらを見た。
「てっきり望はされたい派だと思ってた」
「今日はする方の気分だったの」
アズサの方にゆっくりと歩みよる。アズサにそうされるのを想像したとおりに。
時間をかけて壁まで追い詰め、片腕を壁にドン。
意外と恥ずかしいものだ。
「アズサ、可愛い」
アズサの顎を持ち上げこちらを向かせる。
「愛してるよ」
そこで顔を真っ赤にしたアズサからストップが入った。
「望がそこまでかっこいいなんて聞いてない」
私も普段はクールな彼女がここまで可愛くなるとは聞いてない。
「かっこいい私、好き?」
興味本位で聞いてみる。
「当たり前でしょ。私はかっこいい望も可愛い望も全部愛してる」
いつもの調子が戻ってきた。
私は可愛い彼女も好きだけどやっぱりクールな彼女が一番好きだ。
彼女につたえることはないけれど。
「ありがとう。次の部屋に行く?」
「うん」




