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駄目(俺+魔女)  作者: モンチャン
96/169

96 家族

家族



またまた、ゆたか、木曜日から金曜日に一泊出張になった。

出張先は長野である。


以前も設計の応援とかをしているので、”名指し”で仕事の依頼がある。

正直、ありがたい話である。


随分前ではあるが、冬季オリンピックが開催されたお蔭で、交通の便が良くなったので行き易くなった地域である。

それ以前は、距離云々ではなく時間で考えると、東京から一番遠い地域であったらしい。

空港は松本にあるが羽田に行く便はなく、高速道路も繋がっていなかったし、新幹線など夢のまた夢だったらしい。


父親に聞いたら、昔は信越本線の特急で頑張って行ったらしい。

今は無くなってしまったが、横川・軽井沢間はアブト式の機関車に引っ張られて坂を登ったとか ・・・

楽しみは、横川の駅で売っている「釜飯」で、取っ手の付いた熱いお茶と一緒に買って食べたと言っていた。


父親の先輩社員は熊谷から通っており、昔は酔っ払って乗り過ごすと、気が付けば軽井沢だったと笑っていた。

寒い時期ではなかったらしく、待合室で待たせてもらい、始発電車で会社に向かったという ・・・ 凄いな!


会社の長野営業所は長野駅から近く、今は新幹線を利用すれば、行くのは楽勝である。

”近い”というのは都会の感覚であり、県庁からの方が近い。




家に帰って出張の話をする。

ナオミが何かを企んでいる。


「長野か~?  ユタちゃん、どこに泊まるの? 」


「まあ、ビジネスホテルだね。」


「ふ~ん ・・・ 」


怪しい、 ナオミが怪しい。

いや、、ナオミの横にいるオフクロも、、、怪しい。


オフクロとナオミの会話が聞こえてくる。

「戸倉上山田」、「湯田中」、・・・


おい、おい。 俺、仕事に行くんだけど ・・・


「新幹線が良いかな~? 車でも良いよね。」


まあ、車で行った方が地方は便利だけど、仕事に個人の車は ・・・


オフクロ ・・・

「ナオミ。 車で行こう。 戸隠も行ってみたいし ・・・ 」


俺は車を使えないようである。


ナオミ ・・・

「おかあさん。 あそこ、、 松代温泉。 どう? 」


おかあさん ・・・

「あの、茶色って言うか、”黄金の湯”って言うのよね。」


ナオミ ・・・

「じゃあ、決まりね。 ねえ、ユタちゃん、車で送っていってやろうか? 」


俺 ・・・

「え? 車に乗せていって貰えるの? 」


もう、どちらが主役か分からない ・・・ まあ、いつもこうなるのである ・・・


確か ・・・ 俺の車なんだけど ・・・ まあ、俺のものはナオミのものか ・・・ オフクロが毎日、かっ飛んでいるらしいけど ・・・




そんなこんなで、出張の当日となった。

昼前に長野駅近くに到着すれば良いのである。

出来れば、県庁の近くだと営業所に近い。


だが、いつもより早起き ・・・ オフクロやナオミにも都合があるらしい。


オヤジは一人で寂しく東京かと思っていたら、何故か長野営業所の現場チェックを行うという。


何故、こうなったのか? ・・・ 宿泊先が「温泉」だと聞いたかららしい?


まあ、オヤジも役員だからと思ったら、今月の予定で長野営業所をあげていたらしい。


取り敢えず、俺の行く現場ではないらしく、北海道のように一緒だと、変に気を遣うので ・・・




そんな訳で、家族旅行のような感じで、早朝に出発する事となった。



近頃のお決まりで、運転手はオフクロである。


通勤の流れと逆コースなのか、環八はそれ程混んでいない ・・・ まあ、時間も早いのだが ・・・


関越も通勤とか仕事の車とは逆コースなのか流れが良い。


まだ時間は早いので渋滞にはなっていないが、車でなければいけない仕事は大変だなと、後部座席でノンビリと腕を組む。

隣のオヤジを見ると、既に腕を組んで寝ている ・・・ 流石、俺の親である。


ナオミはオフクロと盛り上がっている ・・・ そんな訳で、ナオミを気にせず俺も寝てしまう。



「ほら! 肉まん買いに行くよ! 」

オフクロの声で目が覚める。

まだ、上信越道には入っていない。

その手前の上里SAであった。


トイレに寄って、肉まんを4人分 ・・・ 6個? 買い込む。

飲み物は既に購入済みらしい。


サービスエリアで食べていくのかと思ったら、そのまま出発。


後ろの男共はお茶のペットボトル片手に肉まんをほおばる。

オフクロの分はナオミがサポート ・・・ このところ、一緒に車で出掛けている所為か、息が合っている。


傍からは、本当の親娘と思われているらしいが、義理の親娘で、俺の嫁さんである。



サービスエリアから直ぐの藤岡JCTを左折して上信越道へ。


適度なワインディングと上り ・・・ オフクロ、目の色が変っているのが後ろの席からでも分かる。


心地良いエンジン音と排気音を子守歌に再び寝てしまった。




「トイレ休憩~! 」の声で目が覚める。


松代パーキングエリアである。

確か、以前はサービスエリアだった様な ・・・ ガソリンスタンドもあるし ・・・ ?



トイレ休憩だけの予定であったが、「もりそば天ぷらセット」を4人分頼んだ。

普通のお蕎麦でなく更科蕎麦である。


当然?、お蕎麦が足りないので、更科蕎麦のもりそばを追加で頼んだ ・・・ いつものように、天ぷらもお蕎麦も半分はナオミに取られたが ・・・


温かい汁蕎麦も好きだが、やはり冷たい蕎麦の方が好みである。



みんな満足して、次の長野ICで高速道路とお別れ。



長野ICから出て、県道35号線を長野方面に進む。


篠ノ井バイパスを右折する。

同じ道なのだが、国道18号線、国道117号線と名前が変わる。


母袋もたいで長野市道東通り線にはいる。


そのまま走っていると、長野駅東口に行くところから、県道58号線に名前が変わる。


左折して国道19号線を県庁方面へ。


県庁手前を右折して、合同庁舎の近くで、俺とオヤジが車から降りた。



「じゃあね! 後で連絡するから ・・・ 」

オフクロとナオミのデュエットを聴いて、走り去る車に手を振った。



本当は”イヤ”なのだが、オヤジと一緒に営業所に行く。


営業所に着くと、オヤジは営業所の偉い人に囲まれて、応接室に連れていかれた。

俺は、知り合いの担当者と打ち合わせである。


「ご苦労さん。」


「ええ、大変でした。」


「何が?」


「勿論、オヤジと一緒だったから ・・・ 」


「アハハハハ ・・・ 」

と、当然の様に笑われてしまった。



和やかに担当者と打ち合わせをして、会社の車で現場に向かった。


事務所ビルの新築工事の現場である。

工事内容は確認済みなので、実際の現場を見させてもらう。


依頼の作業内容は”設計変更”である。

工期の関係で、先行して作業している箇所を確認した。

会社のスマホも持っているので、現状の写真撮影も忘れない。


営業所に戻るとオヤジと会う事になるので、現場事務所で仕事をさせてもらうことにした。

顔を合わせれば絶対に現場の状況の説明が必要となり、”質問攻め”にあって宿題が増えるからである。


昼食は、現場で頼んでいる”仕出し弁当”である。

揚げ物が多いが、金額を考えると、”物凄い”と感心する。


長野営業所は、結構、俺への設計応援依頼が多いので、現場担当者の人は、みんな知り合いで気が楽である。


午後3時の休憩の時に、現場事務のお姉さんから話があった。

このお姉さん、派遣やアルバイトではなく、社員である。

「三浦君は”一軒家”よね?」


「はい ・・・ ? 」


「私の知り合いの保健所の人が、犬と猫の譲渡先を探しているんだけど ・・・ 」


「犬と猫、両方ですか? 」


「まだ、子犬と子猫だけど、”訳あり”みたいなの ・・・ 」


「わ、”訳あり”ですか? 」


「ねえ、今から行ってみない? 」


「は、はい。 」



そんな訳で、現場事務のお姉さんの軽自動車で保健所に向かった。

お姉さん、いつも運転しているので、軽自動車だが物凄く、かっ飛ぶ。

アッという間に目的地に到着した。



案内されたところは、よくテレビなどで見る”牢屋”みたいなところではなかった。


大きいケージに、モフモフの塊があった。

よく見ると、ワンコとニャンコが一つになって寝ていた。


お姉さんの知り合いの担当者が説明してくれた。

「戸隠の奥社の近くで保護されたんです。」


「戸隠ですか?」


お姉さんの解説がはいる。

「いま、戸隠も長野市なんですよ。」


「はあ ・・・ 」


担当者が言った。

「保護団体があるんですが、犬と猫は別団体なんです。」


「はい ・・・ ? 」


「困ったことに、二匹を離そうとすると、暴れ回るんですよ。」


「きょ、凶暴なんですか? 」


「いえいえ、普段は大人しいんです。 二匹が一緒にいる間は ・・・ 」


お姉さん ・・・

「どう、三浦君! 二匹一緒に引き取ってよ! 」


お姉さん、言い方が結構”強引”である。

何となく、自分の姉貴、ヨーコ姉貴かと思ってしまった。



二匹を見ると、目で俺に訴えかけている。

「一緒に連れて帰ってね! 」

二匹が、目でそう訴えている。


自分用のスマホを出して、二匹の写真撮影。

写真を撮ろうとすると、いきなり、二匹とも”良い子チャン座り”をした。



何故か、二匹を見ていたら、連れて帰りたくなってしまった。


「今日、家族で一緒のホテルに泊まりますから、相談してみます。」


担当者が言った。

「宜しくお願いします。」


お姉さん ・・・

「三浦君、頑張るのよ! 」


「はい! 」

思わずそう言ってしまった。


二匹を見ると、喜んでいる様に見えた。



現場事務所に戻って、仕事をした。

俺、真面目である。





ゆたかが仕事やら、ワンコやニャンコの事をしている時、ナオミとおかあさんは、ドライブを楽しんでいた。


ゆたかとおとうさんを降ろしてから、国道18号線をひた走り、”道の駅しなの”に到着。


ソースカツ丼とソフトクリームを食べて、取り敢えず”満足”。

本当はビールとかを飲みたかったのだが、夕食まで我慢をする二人であった。



国道18号線を少し戻って、県道36号線を快適に飛ばす。

県道36号線、鳥居川沿いの道である。



戸隠奥社への参道横の駐車場に車を止めた。


二人で奥社に歩き出す。

奥社までの真ん中当たりにある”随神門”までは、ほぼ真っ直ぐで、なだらかな道である。


"問題はその先。

杉並木を抜けるとだんだん勾配がきつくなり、最後は自然石混じりの石段を登るような感じになる。"


”随神門”までは15分くらいだが、そこから先は30分近く掛かるのである。


しかし、ナオミとおかあさん、”健脚”である。

伊達に二人とも、ジムで頑張っているわけではない。



奥社に着いて、お賽銭を上げると、二人は”声”を聞いた。

「家族が増えるから、宜しく ・・・ 」


「おかあさん、今の声、聞こえた? 」


「うん。 ナオミも聞こえたんだね。」


二人でそんな会話をしながら、車のところに戻ってきた。



再び車を走らせて、中社近くのお蕎麦屋さんでお蕎麦をいただく。

二人、泣く泣くお酒を我慢して、お蕎麦だけを堪能した。

二人、今夜はタップリ飲むぞと、心に誓った。



お蕎麦屋さんからは、ナオミが運転手。


おかあさんがおとうさんとゆたかにメール連絡。

「迎えに行くよ! 」



七曲がりを下りて、善光寺の裏から県庁の方に向かう。


おとうさんを長野営業所近くで、拾って、ゆたかを現場の近くで拾う。


そのまま、予約していた松代のホテルに直行。



受付で、2部屋のキーを受け取る。


4人、結構ダッシュで部屋に行く。


部屋割りは「おとうさんとおかあさん」、「俺とナオミ」である。

4人全員で泊まれる部屋も有ったが、予約出来なかった。


4人が部屋から出て、”宿泊者用の温泉”に本当にダッシュで向かう。

受付で、”宿泊者用の温泉”が空いていると聞いたからである。


このホテルには、”宿泊者用の温泉”と”日帰り温泉”の2箇所がある。

”日帰り温泉”は、宿泊者は日帰り客が帰ってから、ユックリ使う事が出来るのである。


”貸し切り風呂”などはないので、男女別である。


女湯のおかあさんとナオミは、楽しそうに話し合い、男湯にも時々笑い声が聞こえる。


俺とオヤジは、軽く身体を洗って、露天風呂に二人で浸かった。

一応、二人で話をする。

話題は、今日の仕事の事である。


面白くも何ともない。



友達同士なら、仕事の話でも”盛り上がり”はあるのだが、自分の父親だが立場は”上司”である。

それも、オヤジ、技術系のトップである。

ハッキリ言って、お話をしても、つまらないのである。


女性用の露天風呂から、オフクロとナオミの笑い声が聞こえるが、男性用の露天風呂は静かなままである。


露天風呂から出て、シッカリ身体を洗う。

内風呂にも入って、もう一度露天風呂に浸かる。


まだ、女性用の露店風呂からは、オフクロとナオミの楽しそうな笑い声が聞こえる。

男性用の露天風呂は、無言の”我慢会”である。


オヤジの背中でも洗ってやればよかったかと思ったが、後の祭りである。



3回くらい露天風呂と内風呂を往復して、お風呂から出た。


折角なのでロビーの方へ行って、売店をのぞいてみた。


なかなか女性陣がお風呂から上がってこないので、ロビーのソファーで寛ぐ。

オヤジと向かい合わせだが、”無言”である。

お互い、用意してあった新聞や、パンフレットを見て時間を潰す。



暫くすると、賑やかに女性陣が登場する。

売店やパンフレットを見て回っている。


やっと、二人が俺達の隣に座った。

「おかあさん! いいお風呂だったね。」


「そうね。 食事が終わったら、”日帰り温泉”の方も行こうね。」


女性陣、お話はつきない。



4人で仲良くお部屋に戻る。


お風呂上がりのナオミ、可愛い!

思わず抱き締めてキスをしてしまった。


ナオミを抱き締めると、温泉の匂いがした。

ゆたかの唇は、ナオミの唇から首筋へ。

首筋から大きな胸へ。

チョット硬くなった先端を舌で弄ってから、お臍へ。

くびれたナオミのウエストから、もう少しで”アソコ”に到達する時であった ・・・


「ナオミ、ゆたか! 夕食に行くよ!」

そう言って、おかあさんが扉をノックしたのである。


ゆたかとナオミ、着ているものを直して、平然と夕食会場におかあさん達と向かった。


勿論、ゆたかは残念がりながら歩いていたのは、言うまでもない。



窓際の4人席である。

予約はおかあさんやナオミにお任せだったので、一番”お高い”コースの様である。

お高いコースなので、色々付いているのだが、オマケで色々頼んでいる。

”馬刺し”、”鯉のうま煮”、”鶏の唐揚げ” ・・・

お酒の肴が、当然多い。


ゆたかを除いて”取り敢えずビール”で乾杯。

おかあさん、直ぐに日本酒の飲み比べセットを3人分頼んだ。


おかあさん、ゆたかを黙らせる様に”長芋そうめん”も頼んでいた。

しかし、当然の様に”長芋そうめん”の半分以上はナオミに食べられたのである。


ゆたかはウーロン茶である。

今日は、おかあさんとナオミが一緒である。

ビール、日本酒、ワイン、ウイスキーと全てを網羅する。


おとうさんのお給料からの支払いで大丈夫かと心配になるが、おかあさんやナオミの”お仕事”で受け取った金額の方がはるかに多いのである。

うちの家族、所得は女性陣の方が多いのである。

そして、男共は”お小遣い制”である。



そういう事で、今夜も”大宴会”となったのである。

ホテルにとっては”太客”である。



宴もたけなわの時、ゆたかが昼間の”保護犬と保護猫”の話をした。

スマホで撮した写真も見せた。


ゆたか、済まなそうに言い出した。

「ご免。 この二匹、押しつけられちゃった。」


おかあさんとナオミ。

「あら、可愛い! 明日、迎えに行けば良いのね?」


アッサリした”お答え”だった。


おとうさんは何か言いたげだったが、おかあさんに睨まれたので、何も言えなかった。

それに、おとうさんが大好きなナオミも、二匹を気に入っている。

こう言う話題では、おとうさんには”拒否権”、いや、”発言権”は残っていないのである。



夕食、いや、飲み会が終わって部屋に戻る時、ナオミが嬉しそうに言った。

「名前、何にしようかな? 」


おかあさん。

「それより、ナオミ。 日帰り温泉の方に行ってみようよ! 」


「は~い! 」


そうして、おかあさんとナオミは、日帰り温泉の方の浴場に素っ飛んで行ったのである。

そして、仕事のことしか話題のない、おとうさんとゆたかが後に続いたのでした。


流石に、日帰り温泉エリアの方が広いので、宿泊者用よりは、気分良く温泉を楽しめる。


露天風呂に入ると、おかあさんとナオミだけではなく、知らないオバサンの声も混ざって、女風呂の方は盛り上がっています。


男風呂の方は、おとうさんとゆたかだけではなく、オジサン達もいるのですが、”我慢会”の様に押し黙ったままでした。


一応、おとうさんとゆたか、温泉を堪能して部屋に戻ってきました。

暫くすると、それぞれの部屋に、盛り上がった余韻の残った女性陣が帰って来たのです。



おとうさんとおかあさんの方は分かりませんが、ゆたかはナオミに耳打ちします。

「い。良いんだよね? 」


「勿論よ。 お・待・た・せ! 」


そういう事で、夕食前の続きが始まりました。

”雰囲気作り”、大切です!


十分に盛り上がって、ゆたかがナオミに”愛”を注ぎ込むのです。

折角なので、何度もヤッテしまいました。


朝早くから”宿泊者用の温泉”が開いているので、安心?です。



でも、朝、温泉に行く前に”第1回戦”を頑張ったのは、言うまでもありません。

”第1”とある通り、朝食前に”第2回戦”もあったのです。




朝食が終わって、おかあさんの運転で、会社の営業所に連れていってもらいます。


おかあさんとナオミは、善光寺で”お戒壇巡り”です。


おとうさんは、上の人と打ち合わせ。


ゆたかは、昨日現場で打ち合わせた内容をデータ化します。

午前中に概略を作成し、確認の連絡をして、ゆたかの作業は終了です。

詳細については、東京の設計部に戻ってからの作業です。



ゆたか、おとうさんとは別行動です。

昼食を食べたら、昨日の保護犬と保護猫を受け取りに行く予定です。


ゆたか、営業所で教えて貰った駅近くのお蕎麦屋さんに行ってみました。

天ぷら付きのざる蕎麦を頼みます。

”ざる”に乗っているから”ざる蕎麦”です。

分かり易いです。

お蕎麦は”一口サイズ”ごとに丸めてあって、食べやすくて、ゆたかのお気に入りです。

追加で”ざる蕎麦”をもう一枚、食べてしまいました。

仕上げの”そば湯”も濃くて、お好みです。



腹ごなしに、歩いて昨日の役所に向かいます。

ゆたかは東京の人なので平気で歩きますが、地元の人なら車で移動する距離です。



途中でナオミに連絡します。

「今、ワンコとニャンコを迎えに行ってるよ!」


直ぐに返事が返ってきました。

「オッケー! そっちに向かいま~す! 」



昨日の担当者に会って、手続きをしていると、おかあさんとナオミの登場です。


ナオミ、二匹に言いました。

「タロウ! クロ! おうちに行くよ! 」


なんと、二匹とも違和感もなく、ナオミの後に付いていくのです。



担当者の方が笑いながら言いました。

「二匹の名前、決まったのですね? 」


「は、はあ ・・・ 」

そう言って担当者と別れ、、おかあさんとナオミとタロウとクロの後を追いかける、ゆたかなのでした。



運転手はおかあさんで、助手席はナオミです。

ゆたかは後部座席の真ん中で、両脇にワンコのタロウとニャンコのクロが座ります。


そのまま、おとうさんを迎えに行きました。


今度の後ろの席は、おとうさん・ワンコのタロウ・ゆたかの並びです。

ニャンコのクロはナオミの膝の上です。


そのまま、家に帰ります。

長野に来る時と同じルートで、上信越道から関越を使います。

一番最短コースです。



サービスエリアで、車を降ります。

ワンコのタロウとニャンコのクロも、車を降ります。

売店等が入っている建物には連れて行けないので、ゆたかが二匹とお散歩です。

いつの間にか、二匹とも”ハーネス”が付いていて、リードが繋がっています。


ナオミ達がお買い物を終えると、二匹はナオミにダッシュで走って行きます。

二匹とも、ナオミが大好きです。


ただ、リードを持っているゆたかは大変です。

ニャンコのクロは良いのですが、ワンコのタロウは、今は子犬ですが多分大型犬で、子犬ですが力が強いのです。

因みに、二匹とも”雑種ミックス”とのことでした。



4人と2匹、快適に東京のおうちに到着です。

荷物を降ろすと、当然の様に車庫入れは”ゆたかの仕事”です。


うがいをして手を洗って、ゆたかがリビングに行くと、ワンコのタロウとニャンコのクロ、違和感なくソファーで寛いでいます。

一瞬、今までもそうだったかと、錯覚してしまうほどです。


お土産の中で、日持ちのしないケーキがお皿にのっています。

野沢菜の漬物もお皿にのっていました。

コーヒーの担当は、おとうさんです。


躾が良いのか、ワンコのタロウとニャンコのクロは、人間の食べるものを欲しがりません。


でも、ナオミがキッチンで何かしています。

”鶏のささみ”をゆがいたものの様です。


いつの間に用意したのか、ワンコ用とニャンコ用の”台”が置かれ、犬用や猫用のお皿に”鶏のささみ”が盛ってあります。


「ユックリ食べるのよ。」

ナオミの一言で、ワンコのタロウとニャンコのクロが食べ始めます。


ナオミ、二匹に食べさせる為に持ってきたので、「待て!」などはしません。


不思議な事に、ゆたかにはいつも見ている光景の様に感じてしまいました。



そのまま、4人も夕食に突入です。

ゆたかを除いた3人は、夕食ではなく宴会です。


ワンコのタロウとニャンコのクロを見ると、ソファーで寛いでテレビを見ていました。


4人のお風呂が終わると、みんなで”歯磨き”です。

おかあさんはニャンコのクロを、ナオミはワンコのタロウの歯磨きをしてあげます。


ワンコのタロウとニャンコのクロ、リビングで仲良く寝てしまいました。


おとうさんとおかあさんは1階の自分達の部屋へ。

ゆたかとナオミは2階です。


ゆたか、1階に降りていって、二匹の確認です。

本当に仲良く二匹で寝ていました。



ゆたかも自分達の部屋に戻って,直ぐには寝ないでナオミと仲良くしたのは、言うまでもありません。


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