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駄目(俺+魔女)  作者: モンチャン
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90 頑張り屋-8

頑張り屋-8



スマホの目覚ましで、目が覚めた。

時間を見ると、午前3時半。

まだ早いなあ、と思っていると、思い出した ・・・ 釣りに行くのである。


隣を見る ・・・ な、ナオミがいない ・・・ 俺の愛するナオミが ・・・


慌てて服を着る。

用意してある服が、いつもと違う。


そうだった、釣りに行くのである ・・・ まだ、寝ぼけている


歯を磨いて顔を洗う。



学生の頃、準備不足のままで釣りに行き、ドライブとお土産の購入で終わった事があった。

同じ轍は踏まない、、今は、準備万端である。

ナオミと結婚したお蔭で、ナオミが俺のドジをカバーしてくれるからである。


部屋を片付けて1階に行く。


ナオミがキッチンで動き回っている。


「あ、おはよう!」

ナオミ、今日も元気である。


「おはよう。 何時に起きたの?」


「ウフフ、、 ナイショ!」


用意してあるものを見ると、結構早くから起きていたことが分かる。

朝食用のサンドウィッチは、種類も数も多い。

オヤジやオフクロの分だけではなさそうである。


「随分多いね。」


「ミッちゃん達の分もあるの。」

そう言って、手際良くラップに包んで保冷バッグに入れていく。


オヤジやオフクロの分は、大きいお皿に盛って、ラップを掛けると冷蔵庫に入れた。

冷蔵庫の扉の”ホワイトボード”にナオミが何かを書いた。

「朝食用のサンドウィッチが入っています。 おとうさんのお弁当用のおかずも準備してあります。 ナオミ 」


ナオミ、良く出来た、いや”出来過ぎ”の妻である。

洗濯物だって、サンルームに、もう、干してある。



ナオミ。

「さあ、準備出来たわよ。 出発しよう! 」


時計を見ると丁度午前4時。


つよし達との待ち合わせの”羽生SA”までは、約70kmで1時間程度の行程。


釣り道具や色々を車に詰め込む。

ナオミがシッカリ、荷物も家の中もチェックをする。


ナオミの”OK!”で出発進行。



ユックリと車を走らせる。

無駄な”暖機運転”はしない。

エンジンだけを暖めても、駆動系にオイルが回っていなければ、ただの”燃料の無駄遣い”である。


朝も早いし、裏道なのでユックリ走る。

車の駆動系にオイルを循環させる。

速度標識だって『20km』となっている ・・・ 昼間は40km以上で走っている車ばかりである。


広い道に出てから、徐々にエンジン回転をあげていく。

今日もうちの車、”絶好調”である。

オフクロが、毎日のように”かっ飛んで”いるお蔭かも知れない?



首都高速に乗って、川口線を目指す。



夜間より、早朝の方が”居眠り運転”の車が多いらしい。

気を付けて運転する。


ナオミに声を掛ける。

「羽生のサービスエリアに着いたら起してあげるから、寝ていて良いよ。」


「うん。 有り難う。」

ナオミ、素直に返事をして眼を瞑った。



運転をする時は、前だけを見ていてはいけない。

スピードメーターの計器類や、各バックミラーも、時々確認しなければいけない。

”危険”など、どこにでも転がっている。

まして、車を運転しているのである。

いつも、この気持ちで運転している。



でも、チョットよそ見をしてしまう。

横にいる”可愛い美人の奥さん”を見てしまうからである。


シートベルトをしている所為か、薄着?の所為か、ナオミのオッパイが目立つ。

俺と一緒になった頃より、大きくなった気がする。


そう言えば、オフクロが言っていた。

「魔女は、一緒になった夫の好みに合わせて”微妙”に身体を変えていく」と。


俺、オッパイが好きである ・・・ 勿論、大きいのが ・・・


俺のオッパイの基準、”オフクロの”である。

まあ、それしか知らない所為もあるが ・・・


”マザコン”だとか言われるが、俺を育んでくれたオッパイは、間違いなくオフクロのオッパイである。

だから、オフクロのオッパイが”基準”になるのである。


”マザコン”だと馬鹿にした様に言う女が沢山居るが、そんな女でも、自分の子供、特に男の子を育てれば、そして可愛がれば、”マザコン息子”の出来上がりである。

普通に育てば、男の子は”マザコン”になるのである。

はっきり言ってやる! 

「マザコンでない」と言う男は、”マザコンである”ことを隠しているだけなのである。


ただ、「うちのママが ・・・ 」などと平気で言う様な男は、単純に”バカ”なだけである。



ナオミのオッパイの大きさが、オフクロのサイズになってきた様に感じる。

勿論、オフクロのオッパイは”オヤジのモノ”である。


オフクロのオッパイは、姉貴のヨーコや俺、そしてナオミにしゃぶられた。


オフクロが産んだ子供は俺で終わりであるが、生まれたばかりのナオミに添い寝したオフクロは、何故か”お乳”が出るようになった。

ナオミがオフクロに”オネダリ”した所為かもしれない。


俺は、オフクロのオッパイから卒業した筈なのだが、妹のようなナオミに、俺の、いや、オフクロのオッパイが盗られた様に感じた。

ナオミは、オフクロの片方の乳房をくわえると、もう片方を手で掴んでいた ・・・ 見ている俺には「やらないぞ」と言わんばかりに ・・・


俺、随分小さい頃だったと思うが、何故か鮮明に記憶に残っている。



多分、そんなナオミの所為で、俺は「オッパイ・フェチ」になったのかもしれない。


そんな俺の為に、ナオミが素敵なオッパイを持ってきてくれたのかな?



まあ、そうやって3人に吸い付くされて、それに”経年劣化”で、オフクロのオッパイ、多少、下がってきたのかな?


でも、オヤジが毎夜のように頑張って”マッサージ”をしている ・・・ ???


そのお蔭か、ジムに行って頑張っている所為か、年齢の割には”凄い”。


沖縄でビキニの水着姿を見たが、他の20代のお姉さんには、間違いなく勝っていた ・・・ 勿論、俺のナオミには負けていたのだが ・・・


俺のナオミは若いし、オッパイは綺麗で、バインバインである。


ナオミ、可愛いし、美人である。

そして、ナオミのオッパイ、「世界一」である。

大きさも、形も ・・・ 勿論”触感”も ・・・ 俺だけしか知らないのだが ・・・


勿論、他の全ても「世界一」である。


思わず顔がニヤける。

そして、「エへへへへ ・・・ 」、思わず笑いが ・・・



そんな事を思いながら、左のミラーを確認するついでにナオミを見る。

可愛い、、そして物凄く美人。

あれ? オッパイが、、ナオミのオッパイが ・・・ なまオッパイになっている ・・・ 乳首も見えている ・・・ ???



やばい! オッパイの事ばっかり考えていたら、”幻覚”が見える様になってしまった。

慌てて”ミントの効いたガム”を口に放り込む。


ガムを噛んで暫くしてから、恐る恐る横目でナオミの胸を見る。

良かった! チャンとシャツを着ていた。



さあ! シッカリ安全運転!



そんな事を思っていると、東北道に入った。

ETCのお蔭でスムーズに進んでいく。



そう言えば、つよしの奥さんの美智子は、つよしの妹と似ている。

姿形も似ているが、名前も同じ「美智子」である。


交通事故で亡くなったが、俺の従姉妹でもあり、よく俺に懐いていた。

自分の兄であるつよしより、俺の事を「お兄ちゃん」と呼んでくれた。


初めて、今の美智子に会った時は、本当に驚いた。

亡くなった従姉妹の美智子が、生き返ったかと思った程である。


でも、どこか違っていた。

しかし、美智子がつよしと一緒になって、本当に亡くなった従姉妹の美智子と区別が付かなくなった。

もしかすると、ナオミの様に美智子もつよしの思いを感じて、自分を変化させていったのかも知れない。



そんな事を思いながら運転する。

ハンドルは握っているが、両足はフットレストの上である ・・・ ”アダプティブクルーズコントロール(ACC)”を使っている。

しかし、たまに右足をブレーキペダルの上に近づけて、”漫然”とした運転にならない様に注意する。


完全に”自動運転”が確立すれば良いのだが、まだまだ運転する時は”緊張感”が必要である。

まして、”大事な奥さん”を乗せているのだから ・・・


でも ・・・ 俺の奥さん、可愛くて、美人で、オッパイも”ステキ” ・・・ いやいやいや! 安全運転! 安全運転! ・・・




そんなこんなで、羽生PAに到着した。

建物に近い、駐車場の真ん中へんに車を停める。


可愛い奥さんにキスをして起す ・・・ ”眠れる森の美女”よりも、俺の奥さんの方が”美女”


暫くして、うちの車の隣にワンボックスカーが停まった。

4WD仕様のゴツイ車 ・・・ つよしの車である。



ナオミと美智子が手を取り合ってはしゃいでいる ・・・ 姉妹の様な、お友達の様な、とにかく仲良しである。

微妙にデザインと色は違うが、ほぼ、お揃いのフィッシングウエアーである。



羽生パーキングエリア下り線、上り線と違って「お江戸」の雰囲気はない。

その代わり、サービスエリア並みの大きい施設が魅力である。

ただ、時間が早いので殆どのお店は開店していない。


それを見込んで、ナオミが朝食用にサンドウィッチを用意していたのである。


美智子も大きいポットを用意している。

ステンレス製のマグカップ四つに注がれたのは、美智子自慢のコーヒーである。


ナオミのサンドウィッチも美智子のコーヒーも美味い。


卵サンドは、いま流行の「卵焼き」ではなく、刻んだゆで卵を使ってマヨネーズに辛子をきかしたヤツで俺の好みである。

もう一つは、ハム・キュウリにスライスチーズを挟んだもの。

レタスにツナマヨや、なんと、生クリームにフルーツを挟んだものまで用意されていた。

いつ起きて作ったのだろう?


ナオミと美智子がそれぞれの種類を並べて意見を言い合っている。

コストや作る時間等々 ・・・ ???


つよしと二人で喜んで食べていたのだが、女性陣の話題は、原宿のカフェでどれをメニューに出そうかという”現実的”な話の様だった。


まだまだ中禅寺湖までは遠い。

食べ過ぎて眠くなってもマズいので、腹八分目で楽しい朝食は終了する。



トイレに寄って、真面目に歯磨きをして、出発する。



東北道をひた走り、宇都宮ICから日光宇都宮道路へ。


日光宇都宮道路の清滝ICで国道120号線に降りる。


国道120号線を進んで、第2いろは坂から中禅寺湖へ向かう。

第2いろは坂、上り専用である。



中禅寺湖に到着。

走行距離は約180km、休憩を入れない所要時間は約2時間だった。



平日とはいえ金曜日。

結構、釣り人がいる。

釣り人が早起きなのではなく、魚が早起きなのであり、人間がそれに合わせているのである。



”入漁券売り場”で4人分の入漁券を購入する。


釣りの時期は、4月1日から9月19日までで、年によって違うらしい。

釣りの出来る時間は、午前4時から午後6時、みんな、そんなに早くからここに来ていたのだろう。


ニジマス、ホンマス、レイクトラウトは、1日1人で最大3尾までしか釣ることが出来ない、つまり持って帰れない。

さらに、全長20cm以下のヒメマス、ニジマス、ホンマス、レイクトラウトは採捕が禁止されていて、リリースしなければいけない。


因みに、レイクトラウトのみは”チョウザメ科”で他の魚のように”サケ科”ではなく「外来種」の為、生きたままでの持出しは禁止されている。



いつもなら、事前に調べた場所に入って釣り開始となるのであるが、「試し釣り」である。

一応、釣り可能エリアを回ってみる。

人気の中禅寺湖、どこも釣り人が多い。

フライも、ルアーも、、みんな一生懸命。



取り敢えずの確認を終えて、空いていた場所に潜り込む。

ロッドは9フィートの8番ライン用をメインに準備した。


俺とつよしは”パワー系”であるが、ナオミと美智子は”優雅”にキャストする。

残念ながら、どちらもラインの飛距離は変わらない。

ナオミと美智子が普通の声で何やら話しているが、ラインが絡んだり当たったりしないように距離を取っているので、残念ながら聞こえなかった。



ナオミは俺の、美智子はつよしの毛針フライを使っているが、最初に魚が釣れたのは、ナオミと美智子がほぼ同時であった。

釣れた魚は、二人とも、鰭ピンのレイクトラウトの55cmである。


キャッチ&リリース、二人とも魚をゆっくりリリースする。


釣れた方は、また、優雅にキャストするが、釣れなかった方は”大焦り”である。

同じ毛針フライを使っているから尚更である。



俺もつよしも、相方おくさんを横目で確認する。

キャストはそれ程変わらない。

多分、問題はそれからである。


二人とも、ラインをリトリーブする。

俺もつよしも直ぐにラインを引き始めたが、ナオミも美智子もチョット時間をおいてから引き始める。

そして、レイクトラウトが居そうなところでは、強くラインを引いて沈めている様である。


俺もつよしも思い出した ・・・ レイクトラウトは湖底ボトムにいる事が多いという事を。


お蔭で、4人で同時にヒットする。


ナオミと美智子の掛けた魚は50cm近いが、俺とつよしは相方おくさんより10cm以上小さい。



そんなこんなで、コンスタントに魚を釣ってはリリースを繰り返した。


俺達よりも早くから湖で頑張っていた連中よりも、確実に釣れている。


羨望の眼差しを感じるが、釣りも人生もこんなモノなのである ・・・ ザマーミロ!



昼食の時間になると、お魚も休憩なのか当たりがなくなる ・・・ ”昼休みを取れ”と言う、神様のご指示である。


十分に満足した4人は、昼食の為、車に戻ります。


自分達がいなくなると、空いた場所に入って、キャストする人がいます。

残念ながら、釣りは、海釣り等でも同じですが、同じ場所に入っても釣り方等が同じでないと釣れない事の方が多い、と言うより殆どです。

まあ、釣りは「1,場所」「2,餌」「3,腕」と言うので頑張ってもらいましょう。




つよしのワンボックスカーに4人が乗って、昼食の開始です。

昼食は、ナオミと美智子が連絡を取り合って、手分けして準備したようです。

”お握り”や”和洋中のおかず”が準備されています。

保冷バッグ、大活躍です。


コーヒーとは別のポットに味噌汁も入っていて、マグカップでいただきます。



俺もつよしも、良い奥さんをもらって幸せです。



昼食後に休憩タイムです。

ナオミと美智子は、朝早くから頑張ったのか、お昼寝です。

俺とつよしはタックルの整備です。

メンテナンス ・・・ これが”モノ”を常に良好の状態にして、長持ちさせるのです。



夕方になる前に、午前中に入ったところと別のところでキャストしてみます。

どこでキャストしても、力まないナオミと美智子には、俺もつよしも敵いません。

残念ながら、釣果も敵いませんでした。


中禅寺湖の魚、俺達の奥さんの事が好きなようで、簡単に?釣れてきます。

多分、美人の二人を見てみたいからだと思います ・・・ 本当かいな?



本当は、十分に釣れたのですが、奥さん達には敵わなかった二人の夫は、奥さん達の釣果に満足してしまいます。

奥さんが満足すれば、夫も満足する ・・・ 当然の結果です。



車に戻って、帰り支度です。

夕食は、JJJオジサン達と宿泊する予定の老舗のホテルです。



リゾートホテルなので、ドレスアップの必要はありません。

まあ、当日は宿泊するので、”そのつもり”ですが ・・・



優雅にお食事を開始します。

開始する前に支配人が挨拶に来ました。

「この度はご予約をいただき、有り難う御座います。」


ナオミと美智子、優雅に会釈。

「当日は、宜しくお願いします。」


そして、夕食の開始です。

食べながら、ナオミに聞いてみます。

「予約って? 」


「今度の、JJJオジサン達との宿泊の話。」


「え? 本番の日の話なの?」


「JJJオジサン達で10名、私達で10名。 20人も宿泊するんですもの。 1,2ヶ月前じゃ間に合わないわ。」


当然である。

俺とつよしの認識が甘かったのである。


「有り難う。準備していてくれたんだね。 JJJオジサンとは打ち合わせ済みなの?」


「JJJオジサンの奥さんの方と打ち合わせしたの。 ここのホテルでランチもいただいたの。 ねえ、ミッちゃん。」


「そうよ。JJJオジサンの奥さん、名前が”ジェーン”で、奥さんもJJJなのよ。」


俺とつよしの知らないところで、話は進んでいるようだった。


ナオミ。

「あの時、おかあさんの運転で、JJJオバサンと、私達の4人でここに来たのよ。」


それにナオミ、もう一言。

「ヨーコお姉ちゃんとも打ち合わせ済みだから、会社の営業の方にも連絡は行ってる筈よ。」


流石に、うちの女性陣は頼りになります。



ナオミと美智子はシャンパンから初めて、料理に合わせて白ワインと赤ワイン。

いつもの二人にしては、飲まない方である。



食事の合間の話題で、ナオミ達のキャストの話になった。

ナオミ。

「学生の時、アメリカ合衆国代表のところに遊びに行った時に、フライフィッシングを教わったの。」


俺。

「アメリカ合衆国代表の人って、フライフィッシングをするの?」


「違うのよ。お友達のおば様に教えてもらったの。」


「お友達?」


「ジョアン・ウルフって言う人。」


「ゲ! ”神様”みたいな人じゃないか ・・・ 」

道理で、ナオミ、フライキャスティングが上手な筈だ。

ジョアン・ウルフ、、フライラインであれば、”ロッド”でなくても、いや、ラインだけでも、綺麗なループで毛針フライを、思い通りの場所に落とすことが出来る人である。


美智子。

「わたしは、ナオミお姉ちゃんに教えて貰ったの。」


なるほど、二人とも”本格派”である。


そんな話題で盛り上がりながら、フレンチのコースが進んでいく。



デザートとコーヒーの時、ナオミと美智子が何かに気が付いたみたい ・・・

二人でコソコソ話をしている。

ところどころで話が聞こえてくる。

どうやら今日の泊まるホテルの話らしい。


今日泊まるホテルは、ナオミ達が予約していると聞いていたが ・・・ ???



「ご免ね ・・・ 」、、ナオミと美智子、二人で謝りあっている ・・・ 何故?



そのうち、二人が何やら話している ・・・ ”ピンク色”のなんとやらと ・・・



二人の意見が一致したようである。

二人揃って、俺とつよしに言った。

「さあ、行きましょう! 」


夕食の支払いを終えて、わざわざ出て来てくれた”支配人”に挨拶して、駐車場に向かう。



車に乗る前に、行き先を聞いてみた。

返事はこうである。

「いろは坂を下りて、国道の途中にあるホテルに行くの。」


俺とつよし、運転手の二人は、ご指示通りに車を走らせる ・・・ 俺もつよしも、行き先は”ビジネスホテル”だと思っている。


国道を暫く行くと、夜中に遠くからでも目立つ”ピンク色”のホテルが見える。

如何にも”ラブホ”そのものである。

大体、有料道路なんかのインターチェンジ近くに立っている”ヤツ”である。



”ピンク色”に近付く。

ナオミが俺に指示を出す。

「あ! ここ! このホテル! 」

バックミラーに、美智子が指さしてつよしに行き先を指示しているのが見えた。


ハンドルを切ってピンク色のホテルの駐車場に吸い込まれるように入ってしまった。



生まれて初めて”ラブホ”に入った。

つよしを見ると、俺と同じ様である。


そんなにお酒を飲まなかった筈のナオミと美智子であるが、嬉しそうに部屋を選んでいる。


どの部屋も同じだろうと思っていたが、説明の写真では、部屋ごとに”仕様”が違うようである。


工事屋的に言うと、”面倒臭い”建物である ・・・ 同じ仕様にすれば安く仕上がるし、工期も短いのに ・・・


こういう類いの建物は、仕事が大変だなと素直に驚く。


ナオミと美智子、「キャッキャ!」と嬉しそうに部屋を選んでいる ・・・ 全部の部屋の種類が違うのか?

でも、宿泊料金、ビジネスホテルより安いかも?


”サンリ○”のヌイグルミが部屋一杯に用意された部屋と、デッカイ”露天風呂”付きの部屋が選ばれた。


料金は”先払い”であり、受付の人の手くらいしか見えない窓口でお金を払う。


お店の方は、カメラのモニターでどんな客なのかは分かるのだろうが、客の方からは受付の人の顔は分からない。

この様なホテルを利用する人は、お店から自分達の事は見えていないと思っているだろうが、物騒な世の中なのでセキュリティはシッカリしている筈である。



俺とつよしのグループで分かれるのかと思ったら、4人で”サンリ○”のお部屋に入ってしまった。

”入ってしまった”と思ったのは、俺とつよしだけで、ナオミと美智子は、大はしゃぎ。


キャラクターグッズのヌイグルミなど、興味が無いと思っていた二人だったが、実際は”大好き”のようである。

何故なら、それぞれのキャラクターの名前を全て知っているからである。


ナオミ。

「わたし、ポムポム○○○が好き~~! 」


美智子。

「わたしは、ヤッパリ、キティ○ちゃん! 」


二人、大騒ぎである。


俺とつよし、ただただ、驚くばかり。

二人同時に言った。

「今度、ショップに行って買ってやろうかな?」


ナオミ。

「ねえ、ユタちゃん。 ユタちゃんは何が好き?」


俺、即答。

「ケロケロケロッ○○。」


ナオミ、美智子、つよし。

「へ~~~? 意外! ・・・ 」


俺、何が意外なのか分かりません。



そんなこんなで、サンリ○”のお部屋を満足した4人は、”露天風呂”のお部屋へ。

上手い具合に?、隣の部屋である。


真ん中に丸い大きなベッド。

周りは鏡張り。

ガラスで仕切られたところに”露天風呂”がある。

結構大きいが、天井が抜けていて、空が見える仕様である。


「ワ~~イ!」と言って、ナオミと美智子が着ていたものを脱ぎだした。

俺もつよしも、大慌て。


驚くことに、二人とも水泳用のワンピースの水着を着ていた。

そう言えば、フィッシングウエアーを買った時、ジムで使うと言っていた水着である。

ナオミだけでなく、美智子もジムで泳いでいるらしい。

”良いスタイル”は、日頃の努力が必要なのである。


二人、大きいベッドに乗って、ジャンプをする。

大きい子供である。


二人、ベッドに横になって、色々やり出した。

色々なスイッチを押すと、ベッドが回転して部屋の灯りが”怪しい色”に変化する。

「凄ーい、こんな風になってるんだ! 」


「わ~~! 」とか「きゃ~~! 」と言いながら、二人、回転ベッドを堪能した。


続いて、二人、露天風呂へ。


二人、露天風呂で大はしゃぎ。


俺とつよしは、動くことを止めた大きい”回転ベッド”に座って、水着の二人にみとれる。


俺、思わず言ってしまった。

「ミッちゃん、スタイル良いね。」


つよし。

「いやあ、ナオミお姉さんも凄いですよね。」


ただただ、圧倒された夫、二人である。



俺とつよし。

「二人とも、、、足、長いね~~~ 」

水着がハイレグの所為だけではありません。



暫くして、ナオミと美智子。

「楽しかったね~~。」



そこで二人がジャンケンをする。

「勝った方が”露天風呂”のお部屋。」

「最初はグー!」


美智子よりナオミの方がお姉さんのせいか、ナオミの勝ち。

因みに、ナオミはおかあさんにはジャンケンで敵いません ・・・ 夫には常勝なのに ・・・



そんな訳で、俺とナオミは”露天風呂”のお部屋に決まり。


美智子、美智子が脱いだものとバッグを持たされたつよしを連れて、”サンリ○”のお部屋に帰って行きます。

残念がっているように見えますが、水着のままの美智子、嬉しそうです。


部屋から出て行く美智子の水着の後ろ姿 ・・・ お尻の位置が高くて、素敵です ・・・ 勿論、ナオミの方が素敵なのは言うまでもありません。



俺とナオミの二人だけになると、ナオミ、水着を脱ぎ始めます。

いつも一緒にお風呂に入っていますが、実際、まじまじと脱ぐところを見る事はありません。

”色っぽい”というか、”いやらしい”というか、本当にドキドキします。


ナオミ、水着を脱ぎ終わると、お風呂の時の様に、スッポンポンです。


見慣れていると思っていましたが、俺、どうしても興奮してしまいました。

男の身体は単純なのか”興奮”している事が直ぐに分かってしまいます。


俺がドギマギしていると、ナオミに言われました。

「ほら。 露天風呂、一緒にはいろう! 」


俺、ドキドキしながら服を脱ぎます

脱ぎますが、アレが邪魔をして、些か下の方の衣類は脱ぎ辛い状態になっています。


最後にパンツを脱ぎます ・・・ パンツと言っても”ズボン”ではありません。


俺、”ブリーフ派”です。

トランクスは、アレが安定しないので、好みではありません。

ボクサーパンツも試してみましたが、気が付くと”ブリーフ”を買っています。

因みに買うものは、”白色の前開き”ではなく、”黒色系のビキニタイプ”です。

パンツをはいて鏡の前に立つと、ボディビルダーの様で、好みです


一気にブリーフを脱ごうとすると、俺のアレに引っ掛かりました。

自慢じゃあないですが、俺のアレ、結構デカいのです。

AV男優ではないので、自慢する場所はありません。


学生時代の修学旅行で、他の連中から「大きい」と言われていたようですが、比較したことなどないので分かりません。

見比べたのはオヤジくらいですが、近頃気が付いたのですが、うちのオヤジのアレ、他人ひとよりも大きいみたいです。

俺のアレが大きいのは”遺伝”です。


因みに、中学から俺、”男子校”です ・・・ 残念 ・・・ 何が?



ナオミと一緒に露天風呂に入ります。

いつも思いますが、ナオミ、可愛くて美人です。



さっき、ナオミと美智子の二人が並んでいましたが、ナオミの方が可愛くて美人でした。

まあ、つよしは”違う事”を言うと思いますが。



いつものお風呂のようにナオミを見つめます。

ナオミ、暫くすると、下を向いて、恥ずかしそうにします。

益々、ナオミ、可愛いです。


ここの露天風呂、大きいので、ナオミが沈んでいきそうです。

お湯の中でナオミを抱き締めます。

こんな事が出来る為に、浴槽が大きいようです。


口づけをします。

気が付くと、今朝から忙しく、今日初めての口づけです。

ナオミもとろける様になりますが、俺も、ナオミを支えるのに必死です。



お姫様抱っこで、露天風呂から出ます。

丁寧にナオミをバスタオルで拭いてあげます。

俺もナオミにバスタオルで拭かれますが、ナオミ、焦っているのか、結構、雑です。


もう一度ナオミを抱き上げて、円形の大きいベッドの優しく寝かせます。

ナオミ、俺にとっては、大切な”お姫様”だからです。


それに、俺ってロマンチストで、雰囲気を大切にする方です。


ナオミに口づけをします。

舌を入れます。

ナオミの身体、全てに唇を這わせます。

”ラブホ”というシチュエーションがいつもより、俺を興奮させてくれます。


気が付くと、ベッドが回転しています。

室内照明も、怪しい色に変わっています。


さっき、ナオミと美智子がこのベッドのスイッチを弄って、使い方を分かっている様です。

間違えても、ナオミが他の男と来た事は無い筈ですし、俺だって、生まれて初めてです。


何故、周りの壁が”鏡張り”なのか、この状況になって、よく分かりました。

俺達の事が、目線を移動すれば、非常に、よく分かるからです。

設計した人、”立派”です。


俺の目線の動きに気付いたのか、ナオミも周りを見ました。


二人で、いつも以上に”興奮”してしまいました。


俺もナオミも、いつもの頑張りではありません。

動きも、ヤルことも、いつも以上に”大胆”になってしまいました。


ナオミの声も、いつも以上に大きく、流石、”防音工事”がシッカリしているようです。


何故なら、普通のホテルでも、隣の部屋の音、水道の出る音とかが聞こえる事がありますが、一切の音や震動はありません。

右隣は美智子達、左隣も”使用中”の筈ですし、みんな、ヤルことは一緒で、大騒ぎでヤッテいる筈なのに ・・・


工事屋として”素晴らしい”と感じてしまいました。


それより、ナオミとヤル、いや、愛し合う事に集中します。


雰囲気の所為か、イッテしまっても、直ぐにアレが回復します。


折角なので、何度も、色んなやり方でヤッテみます。

鏡で、自分達の姿を見ながらなので、”興奮”の度合いは最高です。


二人とも、特にナオミは、朝早くから起床したのに、”元気”です。


いつも以上に頑張って、睡眠不足も多少あったので、二人、大きいベッドの上に”大の字”で寝てしまいました。





気が付くと、朝です。

それでも、いつもよりは早めに寝たので、いつも通りの時間、早く起きなくても良いのに、早く起きてしまいました。


折角なので、昨夜の続きをします。


また、ベッドが回って、部屋の照明が ・・・


ひとしきりヤッテ、二人で露天風呂に入ります。

思わず、ここでもヤリ始めてしまいました。

天井が無いので、ナオミがバリアーを張って、大きな声を出しました。

いつも以上に感じているようです。


俺達二人、”元気”です。




時間になって、美智子達とホテルを出ます。

ナオミも美智子も、お肌が”つやつや”です。

でも、俺とつよし、少し頬がこけたように感じました。



近くに24時間のドライブインがありました。

東京の近くでは見かけなくなりましたが、ここでは健在のようです。


「朝定食」なるものがあり、目玉焼きにハムに刻みキャベツ、納豆に海苔、冷や奴とご飯と味噌汁、漬物も付いています。

4人分を注文します。


ビールがあるので、ナオミと美智子が注文します ・・・ こいつら”病気”です。

”お通し”は漬物と、ピーナッツに柿の種です。

二人とも、美味しそうに飲みます。

多分、美智子達も、朝から頑張ったのだと思います。


「朝定食」が出てくる前に、二人とも”大瓶”1本を飲み干します。


4人で朝定食を食べますが、ナオミと美智子、追加注文をします。

何と、「カツカレー」です、、それも”四つ”。


「カツカレー」が来ます。

「朝定食」を食べたのに、「カツカレー」もスンナリと口に入って行きます。

こういうところの”カレーライス”、どこのカレーライスとも違って、独特ですが、美味しいです。



満足して「コーヒー」を四つ追加注文します。

ミルクと砂糖も一緒に出て来ますが、一緒に出てくる”スプーン”、何故か大きいです。

「カツカレー」のスプーンと大きさが変わりません。


コーヒー、インスタントではなく、チャンとドリップでした。

美智子が言いました。

「悔しいけど、コーヒー、美味しい。」


入り口付近に置いてある「パン」も買ってしまいました。

地元の人が作っているそうで、これも美味しいです。



タップリ、ドライブインを堪能して、もう一度”中禅寺湖”に向かいます。



土曜日で、時間も遅いので、釣り場は、釣り人で一杯です。



つよしの車に4人が乗って、打ち合わせをします。

実際の日は”平日”ですが、些か心配になりました。


つよし。

「当日は、フィッシング・ガイドを頼んでみようか?」


俺。

「じゃあ、近くにあるプロショップに聞いてみるよ。」



そういう事で「試し釣り」は終了です。



帰りは国道120号線を沼田方面に向かいます。


湯の湖、菅沼、丸沼を見て回ります。


折角なので「日光白根山ロープウェイ」にも乗ってみました。

ナオミや美智子の”力”なのか、こういうところに来ると、必ず天気が良く、景色が綺麗です。


そのまま、国道120号線を進むと、尾瀬に向かう国道401号線と繋がります。



そこの近くに「道の駅 尾瀬かたしな」に寄ります。


四人で足湯を楽しみます。


丁度レストランが空いたので、「カタシナ ランチプレート」を四つ頼みます。

ついでに「尾瀬名水うどんのうどん三昧」も二つ頼みます。

「季節の天ぷら」を頼むことも忘れません。


朝から頑張った4人、ここでも食欲旺盛です。


めざといナオミと美智子、「濁酒どぶろく」を買ってきて飲み始めます。



買い物もします。

豆腐に納豆、野菜にハムやベーコン、おとうさんやおかあさん用に「濁酒どぶろく」も忘れません。



トイレに寄って、国道401号線を進みます。


途中「吹割の滝」にも寄っていきます。



沼田ICから、関越自動車道を走ります。


お酒を飲んで、ナオミも美智子も勢いがついているので素っ飛ばしますが、オービスや覆面パトカーには捕まりません。

”魔法”を悪用しているのかな?



大泉で関越も終わりで、ここでつよし達とお別れです。

つよしや美智子は、そのまま”目白通り”を進みます。

俺とナオミは”笹目通り”、昔の”環八”を進みます。



十分以上に「試し釣り」を堪能して、それぞれの”我が家”に帰ります。



両方とも、家に帰ってこう言います。

「ヤッパリ、うちが一番! 」



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