52 北海道・道東-3
北海道・道東-3
今日も、朝5時5分前にスマホのアラームをセットしておいた。
海側の部屋で、今日もカーテンを閉めているが明るい。
今日も、背中に気配を感じる。
いつものように、俺の背中にナオミがしがみつく様に寝ていた。
お風呂が開くのは5時からである。
まだ1時間以上ある。
寝返りを打って、ナオミと向き合って抱き締めた。
流石に、毎日目一杯動き回っていた所為か、目を瞑ったら「二度寝」。
スマホの目覚ましの音で、二人とも、ガバっと起きた。
「温泉! 温泉!」
二人でダッシュで屋上の温泉へ。
やはり、露天風呂は気持ちが良い。
頑張って早くきたので、人も少ない。
晴れていて、景色も良い。
良いことずくめである。
朝食はバイキング。
料金も高いので?朝食も豪華。
元を取ろうと、頑張って食べる。
お腹いっぱいで、部屋に戻って休憩。
頑張って、もう一っ風呂。
9時半出発の予定なので、9時過ぎまでゴロゴロ。
それ程、部屋は広くないが、景色は抜群。
ボーッとしながら景色を心に焼き付ける。
折角なので、部屋に用意してある豆から挽くコーヒーを楽しむ。
昨日と今日で2度目である。
支払いを済ませると、入り口に車がスタンバイ。
荷物をトランクに詰め込み、今日もナオミの運転で出発。
R334を斜里方面に進む。
海が綺麗。
10分くらいで、オシンコシンの滝。
駐車場に車を停めて、滝を見に行く。
「何でず~っと水が流れるんだろうね?」
ナオミの疑問に答えられないので、冗談っぽく答えた。
「滝だから。」
当然のように「蹴り」をくらった。
お尻をさすりながら再び助手席に乗る。
運転しているナオミの横顔を見る。
「怒った?」
「ふん!」
怒っているようだった。
海沿いから広々とした畑?のど真ん中を突っ切る様な、2車線の道になった。
「そろそろ、ガソリンを入れようよ。」
「そうね。」
お怒りは収ったようである。
反対車線にばかりガソリンスタンドがある様に感じるが、こちら側にあるのを見つけ、ガソリンスタンドへ入った。
店員さんが言った。
「本当はハイオクだけど、レンタカーだからレギュラーでも・・・」
すかさずナオミが言い切った。
「ハイオク、満タン!」
オープンにしていたので、フロントガラスだけを拭いて貰った。
結構、汚れていたみたい・・・
ガソリンを満タンにして、安心して出発。
R334から斜里駅近くでR244へ。
浜小清水駅に到着。
小清水原生花園よりもこちらの方を選んだらしい。
中の売店でソフトクリームを二つ。
北海道は何処で食べてもアイス系は美味しい。
建物から線路の方へ行く。
改札は無いのでホームに出る。
誰もいない。
列車も来そうにない。
スマホをうまいこと置いて、駅名を入れて二人の写真を撮る。
キスしているところにしようとしたが、正面を向いているときにシャッターがきれた・・・残念。
「トイレに行ったら、次行くよ!」
の、ナオミの声でトイレに行って、再出発。
左に湿原、右は多分海。
そんな景色が暫く続き、湿原が無くなると、右側に海が広がる。
街中に入って暫くすると、道の駅「流氷街道網走」である。
流氷の時期には、ここから砕氷船で観光が出来る。
「ここにも流氷が来るんだね・・・」
今日は北海道なのにちょっと暑い。
とても、流氷が来るとは思えない、深い青の海を眺めた。
売店に寄って、冷凍のイクラやホッケ、松前漬けを買って、冷凍便で配送する。
道の駅からR39で女満別空港方面に進む。
途中の呼人駅近くのジンギスカンの店で昼食。
お客さんは二人以外にもう二組。
当然ナオミは生ビールを頼んだ。
ジンギスカンはタレに漬け込むタイプ。
ジンギスカンが焼ける前に、ビールのジョッキは空。
つまみは、ゆたかが頼んだご飯のお供の漬物。
食べ頃を見計らって、生ビールを追加注文。
ゆたかは当然「ご飯」。
ナオミはビールでジンギスカン、ゆたかはご飯にのせて・・・
二人前は、あっという間に無くなり、二人前を追加注文。
二人とも、大満足で店を出た。
当然、運転手交代。
R39を少し走って、道道102、東藻琴から川湯を過ぎてR391。
摩周でR243、少しして道道53、草原端でR274、支雪裡橋で道道53。
鶴居村に入り、鶴野で道道113、星が浦でR38。
釧路市役所を通過して弊舞橋に到着。
約140Kmを、ガンガンと走って、2時間半で到着。
我ながら、頑張った。
隣で、昼食のジンギスカンの時、生ジョッキを3杯空けたナオミが、「行け~~~!」とあおったお蔭である。
弊舞橋の隣のホテルの駐車場に車を停め、チェックイン。
部屋に荷物を置いて、釧路川沿いを歩く。
フィシャマンズワーフ横の炉端焼き屋に入る。
ビールとノンアルコールビールで乾杯。
ホッケ、ホタテ、シシャモ、殻付きの大きいエビ・・・名前を忘れた・・・と、海鮮もののオンパレード。
炉端焼きだもんね。
と、思ったら、ジビエの登場・・・エゾジカ。
食わず嫌いもいるが、ちゃんと処理したものはクセも無く美味しい。
ナオミはビールから、酎ハイへ。
ホッケ以外は一人ずつ。
本場のホッケは大きいので、一人で1匹だとこれでお腹がいっぱいになりそう。
大満足で、弊舞橋の横の階段を上がり、裏通りへ。
締めの釧路ラーメン。
お店はG水。
醤油ベースのスープに、細い縮れ麺。
釧路ラーメンは、漁師さん相手なので、注文して直ぐに出てこないと大騒ぎになるので、麺が細くてゆで時間が短いのだとか。
博多ラーメンと同じに、気の短い人相手のラーメンらしい。
G水は、昔、東京の荻窪にもお店を出していたと、オヤジに聞いた事がある。
そんな訳で、食べてみたのである。
俺は大盛り、ナオミは普通盛り。
二人とも、アッサリ完食してホテルに戻る・・・前に、コンビニでアルコール飲料と乾き物の補給。
ナオミにしては、飲む量が少ないとは思ったんだよね・・・
ホテルに戻って、二人で最上階の天然温泉に行く。
景色も良く、気分爽快。
サウナも入って、ひげを剃って、気分良く部屋に戻ると、ナオミはもう宴会を開始していた。
取り敢えずのビールは、もう終わっているようで、缶酎ハイを飲んでいた。
こんなに買ったけ?・・・と思うほど、次から次へと空き缶が並ぶ。
「夜鳴きそば」なるものがあるので、食べに行く。
多分、明日の朝食会場になるのであろう。
ペロッと平らげて、部屋に戻る。
ナオミはビールから「やり直し」・・・?
結構上の方の部屋なので、景色が良い。
「景色も酒のつまみだ!」とナオミがほざいて、釧路川と乾杯していた。
「もうひとっ風呂、行ってくるよ。」
そう言って、もう一回、最上階のお風呂に向かう。
「頑張ってね!」と言う、酔っ払いの声援を受けて、扉を閉めた。
温泉も、サウナも堪能して、部屋に戻る。
「最後の一缶!」と言いながら、缶のハイボールを飲みきっていた。
そのままでも寝られる様に、チャンと歯磨きをさせる。
いつも通り、ここまではシッカリしている。
続いて、自分で歯磨き、こまめにナオミの動向チェック。
今夜は大丈夫そうだ。
電気を暗くして、ナオミのベッドに潜り込む。
抱き締められた。
「よし! 今日こそは・・・」
キスしても、胸を触っても反応無し。
それ以上やると、反射的にぶっ飛ばされる様な・・・本能的に危険を感じる。
まだ死にたくない・・・・・そこまでにした・・・今夜も、残念!
明日の飛行機は、何故か、釧路空港9時55分発。
朝早く起きれば、北海道でナオミと・・・
そう思いながら、今夜も一人で布団を抱いて寝てしまった。
自分のスマホの目覚ましの設定は忘れたが、ナオミのスマホで起床。
朝5時から最上階の温泉は開いている。
「さあ、朝風呂、行くよ!」
元気なナオミに連れられて、温泉に行く。
ノンビリ景色を見ながら、温泉を楽しむ。
部屋に戻って、ベッドに転がると、寝てしまった。
7時過ぎに起きると、ナオミが帰り支度していた。
「朝食に行こう!」
バイキングである。
かなり豪華。
部屋に戻って歯磨きが終わると、ナオミに素っ裸にされる。
「やっと来たか・・・」
そう思っていたら、脱いだ衣類を圧縮出来るビニール袋に放り込み、空気を抜いている。
「そこにあるのを着て!」
そう言われた。
お着替えだった。
コーヒーを飲んでノンビリするが、8時過ぎにはチェックアウト。
衣類関係が入った鞄を、受付で宅配便の手配をして預けた。
これで荷物は、二人ともショルダーバッグだけである。
車で釧路空港近くのレンタカー屋さんへ。
不足分のガソリン代を支払って、マイクロバスで空港に送ってもらう。
自動チェックイン機に、支払いをしたキャッシュカードを入れ、搭乗券を2枚受け取る。
2階の搭乗口ゲート前の椅子に腰掛け、時間調整。
セキュリティチェックを済ませ、後は飛行機に乗るだけ。
飛行機に乗り込む。
今回も、前の方の座席。
羽田のように、飛び立つ前にグルグル回らない。
アッサリ離陸して、北海道に「さようなら!」。
今回も、ナオミの前のシートのポケットに挟んであった「エチケット袋」が、俺の前に移動した。
機内サービスのコーヒーを飲んで、腕を組んでいる間に寝てしまった。
自分で運転しない時は、直ぐに寝れる「通勤の技」である・・・飛行機の運転免許?は持っていないが・・・
気が付くと千葉県辺りらしい。
シートベルト装着サインが出て、着陸。
時間通りに11時40分に到着。
地方空港からの共同運航便・・・たまに、空港ビルまで大型バスで運ばれる事があるが、今回はそのまま空港ビルに直結。
ただ、外れの方なので、延々と歩く。
帰りはモノレールに乗る。
これはこれで楽しい。
浜松町から新橋に移動して、地下鉄で渋谷。
いつもの自転車置き場から帰宅。
「やっぱり、家が一番落ち着くね。」
旅行から帰ると、必ずこう思う・・・?
ナオミ手作りの遅い昼食。
「ナオミの料理が一番美味しい。」
本音である・・・「愛情」のスパイスがてんこ盛りだから。
食事の片付けを二人でする。
片付けが終わったところで、ナオミから言われた。
「で、デザートもあるんだけど。」
「え? 北海道の?」
「う、ううん。 ホラ! ゆたかの目の前・・・ 」
「よ、よし! す、すぐ食べちゃうぞ~!」
ナオミをお姫様抱っこで抱き上げ、2階のベッドへ突進。
甘~い、デザートである。
お預けをくらった分を取り返すべく、夕食も忘れて頑張った。
頑張って、ほぼ、ヘロヘロになってナオミに言った。
「スイーツは東京が一番だね・・・」
ただ、この為に早めに帰って来たのかは、聞かないことにした。
北海道のルートは、何度も実走した場所で、地図をなぞって貰えると面白いと思います。
初日の行程だけは結構タイトで、途中途中でノンビリしていると、お宿K湯に到着して「一っ風呂」の時間が短くなります。
道東方面のドライブが好きな方、お勧めです。
私としては根室に1泊して、「春国岱」を散策するのが好みですが、知床をメインにしてしまいました。
知床のネーチャーガイドの人のなかには「春国岱」を知らない方が多く、好みにも寄りますが、私は知床よりも好きです。
春国岱は自然が作った「砂州」で、春国岱側の端と、反対側の「走古丹」の端の両方を制覇?すると、自然の凄さが実感出来ます。
世界的にも非常に珍しいところで、詳しくはウィキペディア等でご確認ください。
「走り屋」の方にもお勧めで、特に走古丹側は、タ~プリ、信号無しの1直線を楽しめます・・・釣り好きがよそ見をして走っていますので、ご注意を!




