15 やっと
やっと やっと やっと
やっと
草津温泉に行っていたナオミの母親と姉のヒロミは、ナオミだけがいる時間帯を狙って現れた。
二人は草津温泉の帰りに万座温泉にも1泊して硫黄温泉を満喫して帰ってきた。
ナオミはお土産の温泉饅頭などには興味は無く、草津と万座の両方に行ってきたことに、非常に悔しい思いで一杯だった。
二人の目的はお土産と温泉に行った自慢話ではなかった。
ナオミが着ていたミニワンピースをプレゼントしたのは姉のヒロミであったが、魔力で色々細工を施したが男を見つけさせる事に成功したのみであった。
本当は「やってしまう」までを目的としたが、ヒロミの魔力が足りなかったのか、設定ミスなのか?
今回ナオミのところに二人で現れたのは、ヒロミがナオミを引き付けている間に、母親がミニスカへの魔力増強と設定見直しを行って、やらしてしまおうというのが目的であった。
なにくわぬ顔でリビングにいる二人の前に、例のミニワンピを持って母親が現れた。
「ちょっとサイズを直したから着てみなさい。」と母親が言うと、何も疑問に思わず2階の部屋でナオミは着替えてみた。
1階のリビングに戻ってきたナオミは「どこも変わっていないみたい」と言って、「夕方、駅に行くから他のに着替えてくる」と2階に戻っていった。
ヒロミは母親に「直ぐ脱いじゃっても効果はあるの?」ときいたが、母親はVサインを出して「2週間OK!」と自信満々。
2階から着替えたナオミが血相を変えて降りてきた。
「なんでこの服は片付けられないの?」
ナオミの衣類関係は部屋が狭くなるので、魔力を使って別の場所にしまっている。
魔女の持つ便利機能である。
しかし、例のミニワンピは、ナオミが何度片付けても旦那のジャケットと並んでぶら下がっていた。
母親は内心びっくりしたが、グっと堪えて「服がナオミに着て欲しいのよ」とうそぶいた。
「何か魂胆があるのね」
いつもは温和しいナオミから炎が出始めているのがみえた。
こんなに娘の魔力が強大になったと知った母親は観念した。
「あなたと彼氏が永遠にくっつく様によ!」
「彼と私は大丈夫だもん!」と言い張るナオミ。
母親が「とにかく着ただけで効果は2週間ある」と言ってみたがさっきの炎で母親の魔力が消えているのが分かった。
ガックリと項垂れて母親は「もうあなたは私を超えてしまったのね」と嬉しいような悲しいような顔でナオミを見つめた。
「もう、自分から乗っかってやっちゃいなさい!」という姉の言葉に、「そんな事をして嫌われたらどうしよう」とナオミもガックリと項垂れた。
3人揃って項垂れていたが、「とにかく今日は金曜日だから、何とかしなさい!」と言いながら、2人は消えていった。
鏡を見て笑ってみると、ちょっと顔が引きつっているように感じて、冷たい水で顔を洗いゴシゴシとタオルで擦ってしまった。
ナオミはいつものように駅の改札口の前で待っていたが、いつもと違うのは深呼吸を繰り返していることだった。
ナオミを見つけて笑顔で近づいた俺に、何故か顔を赤くしているのが気になった。
夕食のとき「やっと金曜日だね」と笑いながら言うと、ナオミの笑いは引きつっている様に感じられた。
いつもは好き嫌いなく、微笑みながら食べ進んでいくナオミは、そこにはいなかった。
夕食の片付けもそこそこに、リビングでのコーヒータイムを止め、ナオミを抱き上げると2階に向かった。
俺のおでこをナオミの額にくっつけてみるが、特に体温が高いという感じはしない。
ただ、抱き上げた時の身体全体が妙に熱っぽいのが気になった。
パジャマに着替えさせて寝かせようとしたが、俺のTシャツが良いという。
一緒に寝てくれないと眠れないと我が儘を言い出した。
1階に行って消し忘れはないかを確認して、ダッシュでナオミの元に戻った。
ナオミは既に薄手の布団を頭まで被っていた。
ユックリ静かにナオミの横に滑り込んだ。
ナオミの頭を優しく撫でると、ギュウっと強く抱き締められた。
先程よりも身体が熱いように感じた。
駄目だ、何故か今日はナオミが欲しい。
欲望のままにナオミのTシャツを剥ぎ取り、俺もTシャツを脱ぎ捨てた。
二人とも下は履いていなかった。
電気は消しているしカーテンは閉めている。
しかしナオミの身体が輝いている。
美しい!以外の表現が出来ない裸体が、俺の目の前にあった。
吸い寄せられる様に近づき、唇にキスをして次第に首筋から胸に唇を動かしていく。
躊躇なく形の良すぎる胸を両手で掴む。
指の間から現れた薄いピンク色の乳首を口にふくむ。
「クっ!」とナオミの身体が弓なりに反った。
なおも俺の唇はナオミの下半身に向かって進んでいった。
股間の薄い茂みに頬ずりをして、一番敏感な部分を唇で吸い、舌を入れた。
気がつくと腰の部分に大判のバスタオルが敷いてあった。
体勢を立て直し再びナオミの唇を奪う。
左手でナオミの身体を支え、右手で股間の一番敏感な部分を弄る。
俺の股間はいきり立って先端が濡れて準備完了だ。
「ナオミ!」というと「うん!」と頷いた。
正直、初めてなのに導かれる様に俺のいきり立ったものはナオミに吸い込まれていった。
暖かい。ナオミを強く感じる。
これがナオミか。これもナオミか。
腰が自然に動く。
濡れて絡みつく快感に身を委ねる。
動くたびにナオミが締め付けてくる。
快感を甘受し尽くして、ナオミの中に果てた。
ドクンドクンと俺の下半身がナオミの中に愛を送り込む度に、ナオミが愛を受け取ってくれた。
愛を注ぎ込んだ時、ナオミの青いペンダントが怪しい紫色に変色して輝いていた。
暫く抱き合っていると、俺から離れたナオミが、平常状態に戻りつつある俺の股間に唇を当て口に含んだ。
ナオミの口に含まれ舌で舐められたそれは元気回復。
すっと、ナオミが俺に跨がって、合体。
上に乗ったナオミが腰を振る。
何度ナオミが上下したか分からなくなったが、ナオミが腰を下げた時に俺が腰を突き上げた。
「クっ!」と弓なりに反ったナオミを抱き締め、腰を密着させると、ナオミの中に再び愛を注ぎ込んだ。
ナオミのペンダントは一瞬黄色く光り輝いた後に消えてしまった。
暫く抱き合っていた。「シャワーを浴びようか?」と言うと、ナオミは無言で頷いた。
ナオミの血で汚れたバスタオルを丸め、風呂場に向かう。
シャワーの用意をして、恥ずかしそうに後ろを向いたナオミを抱き締めてしまった。
ナオミの乳房を掴む。ナオミの胸を弄る俺の手にナオミの手が重なった。
いつの間にか、二人の左手薬指に指輪がはまっていた。プラチナ製のような輝きを放つこれは、不思議なデザインであった。
青い宝石のリングをプラチナのリングが上下で挟むような感じである。
よく見ると、青い宝石部分は、消えてしまったナオミのペンダントの宝石の様だった。
首を後ろに回して目をつぶったナオミに口づけをして、再び元気になった俺を後ろから挿入した。
ナオミの方が足が長いので、少し膝を曲げて俺を受け入れてくれていた。
ナオミが正面に向き直り、俺の股間に跨がったままで、両足で俺を挟んだ。
間違えても落とさないように、シッカリとナオミを抱き締め、再び愛を注ぎ込んだ。
シャワーを浴び、二人で身体を拭いて、俺はナオミを「お姫様抱っこ」で2階に運んだ。
静かにベットに下ろし、二人で抱き合ったまま眠りについた。
やっと やっと やっと




