145 ちょっと前の後-2
ちょっと前の後-2
久し振りの所為か、三人の宴会は延々と続きます。
そんな訳で、ゆたかはシャワーを浴びて寝てしまいました。
夜中、ゆたかが寝ていると背中に ”気配” を感じます。
ゆたかが寝返りを打ちます。
大きく動いても、その ”気配” の主にぶつかる事はありません。
”気配” の主は、ゆたかの動きに合わせて動くのです。
ゆたかが大の字になると、ゆたかの腕を枕に ”気配” の主は寝てしまうのです。
「仲良し」なのでしょうか ・・・ ?
そんな感じで朝を迎えます。
いつもはゆたかがジムに行くので早起きですが、土曜日と日曜日は遅めに起床します。
それでも6時半には起床します。
生活のリズムを変えない様に暮らしています。
下戸のゆたかには分かりませんが、シコタマお酒を飲んでも寝過ごしたりしないのが ”魔女” なのです。
いつもの様に、ゆたかもナオミもヨレヨレのTシャツに短パンで起きてきます。
ゆたかがジムで使っているものの ”お古” です。
ナオミはゆたかの使ったものを着て寝るのが好きなのです。
本当は、ゆたかの ”におい” が付いたままが良いのですが、そんな訳にはいきません。
ゆたかは肩に汗をかくので、袖の無いものは着ません。
普通の人に比べて ”ダラダラ” と汗をかくと言う訳ではないのですが、何故か肩の汗は気になるのです。
ランニングの様に袖が無いと、荷物が小さくて済むのかもしれません。
でも、ランニングの様に袖繰りの大きいものだと、大変な事になります。
ナオミがそんなものを寝る時に着ていたら、朝にはオッパイがはみ出してしまうかもしれないのです。
そんな事になったら、ゆたかは毎朝 ”頑張ってしまう” ので、ジムに行く時間が無くなってしまうのです。
いつも通りに顔を洗って、朝食の準備をします。
二人で手際よく作業をします。
でも、いつもより用意する量が多いのです。
楽しい二人だけの金曜日の夜の予定でしたが、妹分のハルミと美智子が泊っていったのです。
部屋数の多い家なので、おかあさん達がいる頃から、こんな事はしょっちゅうでした。
二人とも、パジャマを着ています。
昨日、家に来た時は ”手ぶら” の二人ですが、多分、自分達の四次元の置き場所に用意してあるのでしょう。
まあ、ドラえもんのポケットの様な感じです。
朝食は、ご飯、パン、シリアル、お粥と色々なバージョンがあります。
でも、メインはベーコンエッグとトマトと刻みキャベツです。
味噌汁かスープが付き、牛乳は必ず出ます。
今日は、先日高速道路のSAで買ってきた食パンです。
お休みの日なので、普通の食パンとフレンチトーストの両方が準備されていました。
ゆたか以外の三人は、シコタマお酒を飲んだのですが、ペロッと平らげました。
ハルミが冷蔵庫を開けると、たくさん缶ビールが並んでいます。
思わず、かどうか分かりませんが、プシュッと音がしました。
「プハー、朝のビール! ウメ~~!」
ナオミ + 美智子
「ズルい!」
そういう訳で、三人で、朝から宴会の続きが始まりました。
ゆたかは別に驚いたりしません。
おかあさんがいる頃は、ナオミや美智子やハルミの母親がよく ”お泊り” をして、おとうさんやゆたかを無視して、朝から宴会をしていた事をゆたかは思い出したのです。
おかあさん達の様に、お昼を過ぎて午後3時前には ”お開き” になって、静かになりました。
勿論、みんなお片付けをしてから帰って行きました。
来る時と同じ様に、二人は魔法の瞬間移動で帰って行きました。
みんなが帰ると、ナオミはゆたかをお買い物に誘います。
たくさん飲んだのに、ナオミは元気です。
本当はナオミは ”酔っ払い運転” になってしまうのですが、ゆたかとナオミの二人で自転車で近くのスーパーに出掛けます。
夕食や朝食の分だけではなく、ゆたかのお弁当のおかずも買っていきます。
家に帰って来ると、リビングでお茶を飲みながらお喋りをします。
他愛のない内容です。
喋っているのは、殆どナオミです。
ゆたかは聞き役ですが ”聞き上手” で、ナオミはいつも満足してお喋りを終えることが出来るのです。
男の ”聞き上手” は「夫婦円満」の大事な能力です。
ナオミが手際よく夕食を作ります。
メインは肉の多い ”肉野菜炒め” と ”冷や汁” です。
さらさらっと食べたいナオミの目論見です。
「冷や汁」には、大き目の鯖缶二つを汁ごと入れていて、DHAとEPAがタップリです。
ナオミは朝っぱらから飲んだので、夕食の時はお酒はありませんでした。
夕食の片付けを終わらせて、テレビを見ながらコーヒータイムです。
いつもの様に、先にゆたかがお風呂に入ります。
ゆたかはお風呂から出ると、歯みがきをして二階の自分達の部屋に行きます。
パソコンを立ち上げて、ぼ~っとポータルサイトのネットニュースなどを見ながら、ナオミを待ちます。
ナオミはゆたかがお風呂に入っている間に、洗濯物の処理や明日の朝食の準備をしています。
テキパキと働きますが、お風呂に入ると、湯船に入ってのんびりします。
ついでに歯磨きもしてしまいます。
歯間ブラシも忘れません。
お風呂から出る前に、身体の水分を拭き取ります。
お風呂場の前にバスマットはありますが、あまり濡れる事はありません。
そのままバスタオルを巻いたままで、電気を消して二階に行きます。
パソコンを見ているゆたかに、後ろから抱き付きます。
いつも通りです。
後ろを振り向いたゆたかに口づけをします。
いつも通りです。
パソコンを消して、ゆたかがナオミを抱き上げます。
いつも通りです。
ベッドの上に、優しくナオミを下ろします。
いつも通りです。
いつもなら、ここからゆたかはナオミを愛し始めるのですが、今日は違います。
ゆたかはナオミのオデコに手を当てて看ます。
熱はない様です。
ゆたかのオデコをナオミのオデコに当てて、もう一度チェックをします。
でも、ゆたかは安心した顔をしません。
昨日の様に、「ナオミが起きなかったらどうしよう」と心配なのです。
ナオミ。
「どうしたの?」
ゆたか。
「また ・・・ ナオミが寝たままになったらどうしよう ・・・ 」
ナオミ。
「大丈夫よ。」
ゆたか。
「本当?」
ナオミ。
「あの時だけなの。」
ゆたか。
「あの時?」
ナオミ。
「そう言えば、説明の途中で宴会になっちゃったのね。」
「私の場合だけかもしれないけど、ちょっと ”結婚した魔女” の機能の始まりが、少し遅れるみたいなの。」
ゆたか。
「え? 平気なの?」
ナオミ。
「まあ、個人差ってやつかな ・・・ 」
「 ”夫の愛の受け入れ口” が正式に作動したのが、木曜日の夜だったの。」
ゆたか。
「 ・・・・・・ 」
ナオミ。
「最初に作動した時、眠くなったりするんだって。 だから、もう、寝たままなんてことは無いから大丈夫よ。」
ゆたか。
「でも、暫くはひかえた方が良いのかな?」
ナオミ。
「嫌だ~~~。 今夜はヤルんだもん! きのう、ヤッテないし ・・・ 」
という事で、ナオミが上になってヤルことになりました。
心配していゆたかですが、ナオミにアレを握られると、あっと言う間に ”元気” になってしまいました。
節操がないのかもしれません。
ナオミは「ヤル気」まんまんですから、バリアーを張って思いっ切り声を上げて楽しんでいたのです。
便利なバリアーで、音や振動が外に漏れない構造です。
でも、空気の流通はあります ・・・ それが無いと窒息して死んでしまうからです。
タップリとゆたかから愛の液体を受け取ると、ナオミのアソコの中の ”夫の愛の受け入れ口” から吸い込まれていきました。
1回目はナオミが上。
2回目はゆたかが上。
3回目は二人で右横向き。
4回目は二人で左横向き。
そして、二人は抱き合ったまま、朝までグッスリと寝たのでした。
朝起きると、いつもはナオミがシーツのチェックをするのですが、今日はチェックをしても ”汚れやシミ” はありません。
ナオミのアソコから漏れるものは何もないのです。
ゆたかのアレから出る愛の液体は、すべてナオミの ”夫の愛の受け入れ口” から吸い取られているのです。
ナオミ。
「洗濯物が増えなくて、便利だわ。」
ゆたか。
「 ?????? 」
この時点では、ナオミの言っている事がよく理解出来ていないゆたかなのでした。




