141 ちょっと前
ちょっと前
「ちょっと前」のお話です。
何故「ちょっと前」にするのかというと、今のナオミはお酒を飲まないからです。
ヤッパリ、お酒を飲まないナオミの話は面白みが欠けている様な ・・・
という事で、ゆたかとナオミが ”二人だけ” で暮らしていた頃のお話です。
その後、おかあさん達と暮らしたり、きららという妹が増えたり、ゆういちという子供が生まれたりしていますから、「ちょっと」ではなく「かなり」前かもしれません。
そうそう、ワンコのタロウとニャンコのクロも増えましたし、ジイジやバアバも一緒に住む様になりました。
ゆたかとナオミだけで、広い家で暮らしています。
おとうさんとおかあさんは、北海道の札幌です。
ジイジとバアバはどこにいるか分かりませんが、連絡はくれるので元気なのだと思います。
ゆたかだけかは分かりませんが、ゆたかの誕生日とかだけでなく、ゆたかの銀行口座にジイジから「お小遣い」が振り込まれたりします。
ゆたかには「大甘」なジジババです。
でも、ゆたかに関しては、特にお金に関してはナオミが全てを管理しているので、ゆたかの手元にそれが渡る事はありません。
当然、ジジババへのお礼はナオミからしています。
ジイジとバアバは、それはそれで安心します。
ナオミの事も大好きなジジババなのです。
ゆたかの仕事は設計業務ですが、現場のサポートも多く、土曜日曜の出勤も多くあります。
有給休暇もありますが、基本は「土曜日曜出勤の代休取得」が優先です。
いつも何が飛び込むのか分かりませんから、仕事の予定は余裕を持って組んでいます。
そんな訳で、取れる時には纏めて代休を取ります。
家族が多くいたり子供がいれば、家族の予定が最優先ですが、ゆたかとナオミの二人だけです。
折角なので旅行に行きますが、宿泊先はビジネスホテルをネットで予約して、取れたホテルで回る先を決めたりします。
「行き当たりばったり」も良いのですが、普通の車で二人なので車中泊は避けます。
今は、おとうさんが購入したキャンピングカーがありますから「自由自在」ですが、当時はゴルフのGTI一択です。
平日の火曜日です。
代休を火水木の3日間取りました。
何故か、今週は忙しくないのです。
二人揃って、そんなに早くは起きません。
朝8時過ぎに、のんびり出掛けます。
運転はゆたかです。
今回は中央道を利用します。
都心に向かう上り車線は大渋滞です。
下り線も車両数は多いのですが、流れています。
八王子あたりで空くのかと思っていたのですが、そんな事はありませんでした。
でも、八王子までよりは車の数が減ったのか、速度が上がります。
快適です。
大月JCTが近付きます。
かなりの車が河口湖方面に行ってしまいました。
河口湖方面に行く場合は結構手前で分岐して、リカバリーが出来ませんから、注意が必要です。
甲府方面は、ますます快適です。
釈迦堂PAに止まります。
丁度、新宿から100kmくらいのところです。
伸びをして、トイレに行って、運転手交代です。
ナオミが余裕で運転します。
助手席のゆたかが、ナオミの横顔を見ます。
相変わらず可愛いです。
思わず嬉しくて微笑んでしまいます。
「どうしたの?」
ナオミが怪訝そうに聞いてきます。
「俺の奥さんて、可愛いな ・・・ 」
ゆたかの本音です。
「もう ・・・ 」
ナオミは嬉しくてアクセルを吹かします。
クオーン ・・・ という咆哮を上げてGTIが、かっ飛びます。
アっ!と言う間に、メーターが180kmを超えてしまいました。
見た目は「ファミリーカー」ですが、中身は「スポーツカー」なのです。
我に返って、警察に捕まらない様に、直ぐにアクセルを戻します。
まあ、捕まる前に魔法で何とかするとは思いますが ・・・
甲府の真っ直ぐな部分を抜けると、上りの高速コーナーが現れます。
快適に走ります。
アクセルワークに失敗した?遅い車を「ごぼう抜き」です。
諏訪湖が見えてきて、結構な勾配の上り坂を快適に走ります。
そのまま、諏訪湖SAで休憩です。
折角なので、レストランで「馬刺し」をのせた ”さくら丼” をいただきます。
二人とも、ペロリです。
トイレの帰りに売店を眺めます。
さっき食べた「馬刺し」が売っています。
冷凍です。
まだまだ、旅は始まったばっかりですが、ナオミが気に入ったので買ってしまいました。
車に乗ると、ナオミが「馬刺し」を魔法の ”瞬間移動” でお家の冷凍庫に送ってしまいました。
魔法は便利です。
ここからはゆたかの運転です。
諏訪湖SAを出ると、直ぐに分岐の岡谷JCTを長野方面へ向かいます。
長野道ではちょっと車両数が増えますが、渋滞にはなりません。
松本ICで高速道路を降りて、松本市街方面に向かいます。
「篠ノ井線」の線路のアンダーパス前の信号を右折して、少し走って松本駅のアルプス口の駐車場に車を止めます。
運動不足解消のつもりで、階段を上ります。
ナオミは軽快に上りますが、ゆたかは少し失敗したと思ってしまいました。
階段が思ったよりも長いのです。
チョットヘロヘロになりましたが、歩くのはこれからです。
松本城側から駅ビルを出ると、こちら側は昔のまんまです。
新幹線でも通れば、駅舎は丸っきり新しくなるのでしょうが、昔のままの方が愛着があります。
個人的には長野駅は残念です。
歩き出すと、以前来た時と街並みが変わっています。
目を瞑って暫く歩いて、急に眼を開けたら、どこにいるのか分からないくらいです。
でも、方向さえ間違わなければ、目的地に着けます。
”女鳥羽川” が流れているお陰です。
昔からやっているラーメン屋さんに行きます。
ちょっと早いので、一番乗りです。
”野菜わんめん” の大盛を二つ頼みます。
ナオミは身体は細いのですが、ラーメンは必ず大盛を食べます。
猫舌ではないナオミなので、ラーメンを食べるのは早いのです。
ゆたかも頑張って食べます。
もたもたしていると、隣からナオミに取られてしまうからです。
腹ごなしに松本城に行きます。
お城に入る人があまりに多いので、その代わりにお堀の周りを歩きます。
今もそうですが、二人はラブラブで歩きます。
遠くから見ていると、二人は同じくらいの背の高さなので普通の感じですが、近づくと驚きます。
ナオミは175cmを超える身長で、ゆたかは無駄に横に広いのです。
でも、二人はラブラブです。
周りが恥ずかしくなるくらいです。
いつの間にか ”繩手通” に到着です。
昔と比べて綺麗になっています。
外国人が目立ちます。
でも、屯している外国人を気にせずに、蹴散らしながら二人はラブラブで歩きます。
そして、ラブラブのまま街中を歩いて駅ビルの中へ。
駅ビルの中を回って、お土産を購入します。
ナオミが目を付けたのはお酒です。
高速道路のサービスエリアでは、名物であってもアルコール類は置いてありません。
平気で運転しながらお酒を飲む人がいるからです。
飲酒運転による死亡事故は減ってきているのですが、何故か飲酒運転は無くなりません。
罰則はかなりきつくなっているのですが、運転している最中でも飲酒したくなる人が一定数いるのです。
もうこうなったら、検問等で引っ掛かった飲酒運転をする人には「運転免許証の交付をしない」くらいにしないと無くならないのでしょう。
特に輸送関係では、朝の点呼でアルコールのチェックをしますが、飲酒をする人は昼食時等に飲酒をします。
本気で飲酒運転を止めさせるのなら、終業時のアルコールチェックの方が「抑止力」があります。
ナオミは真面目ですが、お酒が好きなのです。
でも、ゆたかと一緒の時には殆ど飲みません。
「殆ど」というところに「含み」があります。
おかあさん達が札幌から戻ってきてから、食事の時も飲む様になったのです。
まあ、”猫を被っていた” というか、ゆたかに遠慮していたのです。
でも、たまに箍が外れます。
お土産屋さんに「辛口日本酒飲み比べ」のセットが売っていました。
洒落たデニム生地の様な入れ物に、2本の小さめの瓶に日本酒が入っています。
ナオミは思わず手に取りましたが、諦めて元に戻します。
買い物かごを持っているのはゆたかで、ナオミが見ていない隙にその飲み比べセットをかごに入れました。
日持ちしないものは、次の日に買おうという考えなので、そんなに買い物はしませんでした。
レジに持っていくと、ゆたかがカードで支払います。
出来るだけカードで支払います。
ポイントが貯まるからです。
駅ビルの中にコーヒー屋さんが入っています。
東京でも人気のあるコーヒー屋さんです。
「本日のコーヒー」のグランデを二つ購入します。
ここも、カードで支払います。
駅ビルから ”アルプス口” へ降りる時も階段です。
駐車場に着いて、買ったものは車のトランクに入れます。
倒れたりしない様に組み立て式の籠が入っています。
冷蔵物を買っても良い様に、保冷バッグも入っています。
運転手は、ゆたかです。
駐車場所の番号を入力して駐車料金を支払って、19号線で明科方面に向かいます。
結構混雑しています。
直線道路ですが、センターラインが「黄色」なので我慢して前の車の後に続きます。
明科の手前の信号で、左折する車が結構いて、車両数が減りました。
そこで左折すれば、県道51号線で、信濃大町方面です。
そのまま19号線を走ります。
センターラインが黄色ですが、車のスピードが上がって、景色も良く快適なドライブです。
ほぼ、犀川沿いを走ります。
上高地の方を「梓川」などと言いますが、正式には「犀川上流」です。
生坂ダムで、新しく出来たトンネルではなく、左折して大きく曲がります。
県道275号線です。
トンネルが出来る前は、この道が国道19号線でした。
少し走ると、道の駅「いくさかの郷」があります。
生鮮野菜がありますが、見るだけです。
コーヒーはグランデなので、まだまだあります。
周りの景色を見ながらコーヒーを味わいます。
ここからは、ナオミが運転します。
そのまま県道275号線を走ります。
真直ぐ行けば国道19号線に戻りますが、左折して県道275号線をそのまま進みます。
直ぐに林道の様な細い道になり、山岳ラリーの様な感じの道になります。
「四人峠」といわれるところです。
ナオミがパドルシフトを使って、楽しそうに峠道を楽しみます。
殆ど対向車はいませんが、ライトを点灯して走ります。
下って行って平地になって、池田町です。
暫くすると先ほどの県道51号線と交差します。
信号を右折して、信濃大町方面にひた走ります。
真直ぐな道が多く、開けているので快適に走ります。
窓を全開にして風を感じて走ります。
峠道では無理だったので、安心してゆたかはコーヒーを飲みます。
たまに運転しているナオミを見ます。
横顔も可愛くて美人です。
何をしていても素敵です。
国道147号線の交差点で、国道を選択します。
跨線橋で「大糸線」の線路を超えて、直ぐの信号を右折します。
左側の今日泊まるホテルを確認して、右側に信濃大町駅を見ながら街中の道を進みます。
暫くして「大町山岳博物館はこっち!」の標識通りに交差点を右折します。
チョットだけヘアピンカーブを抜けると、「大町山岳博物館」があります。
博物館と道を隔てた反対側の駐車場に車を止めます。
車から降りて、伸びをして、コーヒーを飲み干して、博物館に向かいます。
空になった紙コップは、用意したゴミ袋に入れて棄てたりはしません。
受付で二人分の料金を支払って、まず、3階に向かいます。
折角なので、階段で上がります。
松本駅の階段に比べれば楽勝です。
3階は展望室です。
窓から北アルプスが見えます。
北アルプス、雄大です。
ところどころの窓が小さく開く様になっていて、そこからガラス無しの写真が撮れるようになっています。
写真を撮って、ソファに座ってビデオを見ます。
春夏秋冬の4パターンがあります。
折角なので、全部見せてもらいます。
見終わって、伸びをして、階段を降ります。
2階は北アルプスの生い立ち等が詳しく分かる様に資料等が展示されています。
日本列島の生い立ちも分かる様になっています。
エベレストは大陸どうしがぶつかって出来たのですが、北アルプスは花こう岩を作ったマグマの上昇と、マグマの脇に生じた断層がせり上がって出来たのです。
人間の力など、微々たるものだと感じさせてくれます。
北アルプスにいる動物のはく製も展示されています。
階段を降りて1階です。
北アルプス登山やその歴史についての展示です。
よくそんな装備で冬山に登ったものだと驚きます。
思わず、八甲田山の悲劇を思い出します。
現代の装備をもってすれば、遭難にはならなかった事例です。
博物館を出て、坂を上がって付属施設に行きます。
保護された動物たちがいます。
ゆたかでは無視されますが、ナオミだとどの動物も寄ってきます。
不思議です。
動物達にお別れを言って、駐車場に戻ります。
ホテルまではゆたかの運転です。
信濃大町駅を過ぎて、ホテルの手前を右折して、裏側の駐車場に車を止めます。
裏口からホテルに入って、フロントで受付をします。
お部屋は最上階の7階で、ツインです。
男女が一緒なので、カードキーが2枚です。
男性用は男性用のお風呂の鍵も兼ねていて、女性用は女性用のお風呂の鍵も兼ねています。
カードキーには部屋番号が無いので、部屋番号を忘れないようにしないといけません。
車から鞄を持ってきましたが、何が入っているのか、結構重いのです。
部屋に着くと、ナオミが鞄から飲み物を冷蔵庫に入れ始めました。
結構大きい冷蔵庫ですが、飲み物で一杯になりました。
ビールや缶酎ハイの様です。
ゆたかは下戸ですから、全てはナオミの分なのでしょう。
二人は、パパっと着ているものを脱いで、部屋着に着替えます。
残っていたコーヒーで、松本で散歩していた時に買ったお菓子を食べてからお風呂に向かいます。
1階で二人はお別れです。
カードキーをかざすと、カチッといって浴室の鍵が開きます。
貴重品入れにサンダルとカードキーを入れて施錠します。
4桁の番号は秘密です。
ニ、三人がお風呂に入っている感じです。
奥の方の洗い場で体を洗います。
髪の毛は洗いません。
顔と身体を洗って、湯船に直行します。
温泉ですが、多分「単純泉」だと思います。
手足を伸ばします。
普段はシャワーだけで十分ですが、大きい浴槽があると、絶対に入りたいゆたかなのです。
手足を伸ばせるのが好きなのです。
暫く肩まで浸かって、温まったら上半身をお湯から出して涼みます。
それを何度も繰り返します。
壁掛けの時計を確認して、ナオミとの約束の時間になるので、お風呂から上がります。
ロビーのソファーに座ってナオミを待ちます。
チョット色っぽく少し赤い顔をしたナオミが現れました。
こういう状態の時は、”人に見えないオーラ” が弱くなっています。
他の男に見せたくないので、直ぐに手を繋いでエレベーターに乗ってしまいます。
美人の奥さんを持つと、気苦労が絶えません。
部屋に入って、カードキーを所定の差込口に入れると部屋の電気が点きます。
最上階で、北アルプス側なので、景色は抜群です。
景色に見とれていると、プシュッと音がしました。
ナオミが冷蔵庫から缶ビールを出して、開けた音です。
ナオミは、ゆたかにはウーロン茶のペットボトルを差し出していますが、もう、缶ビールを飲み始めています。
500mlの大きい方です。
美味しそうに飲んで、、「プハー」と息を吐きました。
ゆたかには、ナオミは何をやっても可愛くしか見えません。
思わず、ナオミに口づけをしましたが、ナオミではなく、ほろ苦いビールの味がしました。
今日走ってきたルートの話題で盛り上がります。
午後5時を過ぎて、ラフな格好に着替えてホテルを出ます。
道を渡って、反対側のお店が並んでいるところの1軒に入ります。
焼肉屋さんです。
靴を脱いで、入って直ぐの掘り炬燵形式の席に座ります。
お店の名前の付いたサラダ二つと、キムチの盛り合わせ、ネギタン塩二人前を頼みます。
飲み物は、ナオミはジョッキのビール、ゆたかはジョッキのウーロン茶です。
乾杯して、二人ともグイっと飲みます。
サラダを食べながら、タンが焼けるのを待ちます。
ネギはネギでも「玉ねぎ」のスライスです。
焼けたタンをレモンのタレでいただきます。
食べながら、次のタンを網の上に置きます。
あっと言う間に、お肉が無くなります。
二人前を追加します。
たまに、キムチで味変をします。
タンが無くなる前にロースとカルビを頼みます。
ゆたかの分のご飯を頼みます。
タレの付いたお肉でご飯を食べるのが好きなのです。
ナオミはジョッキのチューハイを頼みます。
甘くないレモンの奴です。
カクテル以外の甘いお酒は嫌いなナオミです。
ゆたかはロース中心で、ナオミはカルビ中心です。
直ぐにお肉が無くなります。
ロースとカルビを二人前ずつ追加します。
ゆたかは冷麺も頼みます。
追加したお肉をゆたかが焼いていると、冷麺が届きました。
冷麺はナオミの前に置かれました。
ナオミが冷麺を食べます。
凄い勢いです。
四分の三ほど無くなった冷麺がゆたかの前に置かれます。
いつもは ”熱々” のラーメンなのでナオミが「フーフー」してくれるという名目ですが、冷麺は冷たいのでゆたかでも直ぐに食べられますが、置かれた場所が悪かったのです。
ナオミは麺類を食べるのが早いのです。
焼肉の時は、二人とも ”目の色” がかわります。
モタモタしていると、お肉を全部ナオミに食べられてしまうからです。
そんな感じの「戦い」の様な夕食が終わりました。
焼肉なので、結構な金額です。
まあ、タップリ食べたので仕方がありません。
でも、こういう時はナオミが自分のカードで支払います。
実際はナオミの方が「高給取り」だからです。
でも、お金の管理は全てナオミがしているので、ゆたかの知るところではありません。
ホテルの部屋に戻って、テレビを見ながら腹ごなしをします。
二人がガバっと起き上がって、もう一度お風呂に向かいます。
さっきよりは混んでいますが、洗い場は空いています。
ゆたかは、さっきは髪を洗いませんでしたが、焼肉を食べると髪に ”におい” が付くからです。
今回は髪をメインに洗います。
顔も脂ぎってる感じなので、ガシガシ洗います。
石鹸分を洗い流して、タオルを頭に乗せて、大きい湯船で手足を伸ばします。
極楽です。
何度か、肩まで浸かったり、上半身を出したりを繰り返して、満足してお風呂から上がります。
ロビーで新聞を読みますが、長野なので ”信州版” を中心に読みます。
天気予報のチェックは忘れません。
新聞を読んでいるとナオミが現れました。
可愛いです。
二人で手を繋いでエレベーターに乗ります。
ラブラブです。
部屋に着くと、ナオミは一直線に冷蔵庫に向かいます。
一応、ゆたかにお水のペットボトルを渡しますが、自分の方はもう、缶ビールを飲んでいます。
カーテンを開けると、暗いので北アルプスはシルエットの様に見えます。
それを肴にナオミは、次々にアルコール飲料を開けていきます。
一応、おつまみは用意してあって、柿ピーとビーフジャーキーです。
ナオミは、500mlのビールを2本、350mlの缶酎ハイを2本、濃いめのウイスキーのハイボールを2本空けてしまいました。
その代わりに、焼肉屋さんでも飲酒を控えたのでしょう。
その間にゆたかが飲んだのは、500mlのペットボトルのお水だけです。
そのまま寝てしまうと虫歯になるので、ゆたかはナオミに歯磨きをさせます。
夜ですから歯間ブラシも使います。
ナオミの歯磨きが終わると、続いてゆたかが歯磨きをします。
お肉を食べたので、歯間ブラシは必須です。
サッパリしたところで、ゆたかはバスルームから出ます。
ナオミを見るとテレビを見ています。
ちょうど、天気予報がやっていて、見入ってしまいました。
北海道ほど広くはありませんが、東京よりは面積があるので、地域ごとの天気の違いは大きいです。
ツインの部屋ですからベッドが二つです。
テレビの天気予報を見終わって、それぞれのベッドに転がります。
部屋の電気を消します。
ゆたかが「大の字」になっていると、横にナオミが滑り込みました。
ナオミがゆたかに抱き付きます。
ゆたかはこう思います。
「ヨシ! 頑張るか ・・・ 」
でも、ナオミを見ると、ゆたかの腕枕で眠っています。
お酒を飲んでも、イビキなどはかきません。
健康なのです。
何度見ても可愛いナオミです。
安心しきって、ゆたかにしがみつく様に眠っています。
魔女が安心して眠るのは、信頼出来る最愛の夫とだけなのです。
そして、その夜はそのまま「おやすみ」となりました。




