表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
駄目(俺+魔女)  作者: モンチャン
106/169

106 近頃


近頃



魔女は、みんな結構な所得がある。

普通の人間に比べて全ての能力が高い事もあるが、”魔女の危機管理システム”によって、人間からの迫害に対処する為である。


引っ越すにしろ、アパートを借りるにしろ、家を建てるにしろ、お金がかかるのです。

全て魔法で何とかなる訳ではないのです。


残念ながら、「世の中はお金」なのです。



大昔の物語の中の魔女の様に、森の奥に”ひっそりと”などとは、もういかない時代なのです。


沢山の人間の中にいるから、目立たないのです。


”いかにも魔女”という格好をしているのは、映画や絵本の中だけなのです。

そんな恰好をしていれば、人間に直ぐ迫害されてしまうのです。


いくら魔女でも、休みなしに四六時中、魔法を使いっぱなしには出来ません。


魔女は”絶滅危惧種”で数が少ないのです。

それに比べて、人間は無駄に数が多いのです。


多勢に無勢になってしまう事も多いのです。


でも、魔女は逃げ切るのです。

戦って勝つことよりも、逃げ延びることを選択するのです。


お陰で、魔女裁判にかけられたり、火あぶりにされることは殆どありませんでした。


魔女裁判や火あぶりにされたのは、夫に先立たれた人間のババア、いや、老女だったのです。

ババア、いやいや、老女の一人暮らしですから、絵本にあるような魔女や魔法使いの様な”恰好”だったのです。


当然、おばあさん達は「自分は魔女や魔法使いではない」と言い張りますが、魔女狩りをする方は”獲物”を持ち帰らなければいけなかったのです。

子供達と何故分かれたかは分かりませんが、嫁と一緒の生活よりも、気楽な”一人暮らし”を選んだお年寄りだったのです。

面倒臭いので、世間の人との接点が無かったので、近くに知り合いはいなかったので、魔女だと決めつけられてしまったのです。



魔女裁判にかけられたのは、老女だけではなかったのです。

若い女性もいたのです。


結婚していてもいなくても、可愛く美人であれば、為政者の目に留まります。


そんな連中に限って、”横恋慕”が得意です。

上の人に限って”スケベ”なのです。


若い女性を”自分の女”にしようとしたおバカもいたのです。

当然、いう事を聞かない女の人の方が多かったのですが、切れてしまう為政者もいたのです。


見せしめに、横恋慕した女の人を”魔女”に仕立てたのです。


今の世の中でも”冤罪”はあります。

大昔の事ですから、為政者にとっては簡単に冤罪をすることが可能だったのです。



魔女や魔法使いは美人で可愛い人ばかりだったのですが、普通の人間の中で暮らしていく為に、ある魔法を使っていたのです。


優秀な魔女が、人間の中にいても目立たない為に考え抜かれた”呪文”を開発したのです。

そして、何度も改良を加え、使い易くしていったのです。


普通の魔法、特に新しい魔法は、魔女でも、休みなしに四六時中、魔法を使いっぱなしには出来ません。

でも、そんな苦労をしなくても良い様にしたのです。


それが、”まわりの人に気付かれないオーラ”なのです。


そうやって、魔女や魔法使いは、人間からの迫害から身を守ってきたのです。




そして、気が付いたのです。

魔女や魔法使いにも、経済力が必要なのだと。


魔女や鬼女の管理団体の”お金の儲け方”については、以前お話ししましたが、人間界の”非合法”のお金をいただいてしまうのです。


非合法のお金は、細かい明細はありません。

「どんぶり勘定」といわれる状態なのです。

従って、減ったりしても、どのくらいなのかが分からないのです。

正確な元の金額がアヤフヤだからです。



いただく方法は魔法なので、魔女達にとっては”簡単”です。


どんなに証拠を残さない泥棒でも、自分達で何かしらのアクションを起こさないと、何ともなりません。


でも、魔女達のアクションは”魔法だけ”なのです。

証拠などは残りません。



人間は”超能力”とかが好きですが、実際は魔法などが存在しているとは思ってもいません。



魔女や鬼女には、基本的に”物欲”はないのです。



でも、魔女や鬼女も欲しいものがあるのです。

”情”のついたもの、”友情”や”愛情”です。

特に、夫からの”愛情”は常に欲しいのです。



人間の泥棒は、美術品や宝石なども盗むのですが、魔女達は”現金”のみなのです。


紙幣には”番号”が付いていますが、魔法で変える事は容易たやすい事なのです。

なにせ、証拠も無しにお金をいただいてしまうのですから ・・・





近頃、日本のイカレタ若者、いや、ちょっと年齢が上の者もいるようですが、その人達の流行は”闇バイト”です。


どう考えても、”杜撰ずさんな計画”で直ぐに捕まってしまう様なやり方なのに、日本の巷では大流行です。


そんな”闇バイト”に手を出すくらい、頭の中が腐ってきているのでしょう。


闇バイトは、殆ど”男性”が対象です。


歳をとった女性は、”若さ”で勝負出来ませんので、闇バイトの”電話かけまくり”に走ったりしています。

手あたり次第、電話を掛けるだけなのです。

100件電話して、1件も引っ掛かる事はありませんが、歩合制ではなく時間給なので、責任感はありません。



若い女性は手っ取り早く、自分の”若さ”の利用します。

スマホを持っているので、SNSを利用して、自分を高く売る方法を探しまくります。


一番有名なのが”パパ活”です。


旨くやれば身体を使わずに、美味しいものを食べたり、高級品を貰ったり出来るのです。


可愛く美人であれば、身体に行くまでの時間を引き延ばすことは可能ですが、容姿に自信がない女性は”身体”で勝負です。



当然、可愛く美人の子が身体を使えば、もっと稼ぐ?事が出来ます。

でも、安売りはしたくないのです。


そして、どこかの組織に所属していないので、中間搾取がありません。


”パパ活”をしている女性達は、心が”出来損ない”の人間ですから、生活の水準を上げてしまって元に戻れなくなるのです。


魔女や鬼女や魔法使いの様に、いくらお金をもらっても生活水準を変えないというのは、なかなか難しい事なのです。



世の中、不況だと言いますが、儲けている人は儲けているのです。

お金持ちほど、お金が増えていくシステムの世の中なのです。


そんなお金を持っている”スケベオヤジ”が”パパ活”を利用するのです。



昔は、そんな”スケベオヤジ”は、”愛人”を囲っていました。

”愛人”の面倒臭いところは、その女性の面倒を見続けなければ、いけない事です。



”パパ活”は、女性よりも男性の方が有利なのです。

この世の中は、男性が有利になる様に出来ているのです。


額に汗してアルバイトとかをするよりも、安直にお金を手に入れることが出来ると思う女の人がいるから、”パパ活”が成り立つのです。


お金に目がくらんだ”出来損ない”の若い女の人が”パパ活”利用者だからです。


”スケベオヤジ”は”パパ活”の女の子に飽きたら、こう言うだけで分かれる事が出来るからです。

「どうも、会社の方の経営が思わしくない。 お小遣いを上げられなくなるかも知れない。」


”お金”だけが目当ての”出来損ない”の女ですから、直ぐに別れてくれます。


愛人であれば、そんな男でも、自分が働いて養おうとしてくれますが、オヤジのことより財布の中身が気になるパパ活女子には、そんな気持ちはありません。



”スケベオヤジ”は”海千山千”で頑張ってきているのです。

人を騙す、いや、言いくるめることは、楽勝です。


別れた後に、”出来損ない”の女と再会しても、平気で言い切ります。

「いや~、何とか会社が持ち直したよ。 じゃあ、元気でね!」

”スケベオヤジ”には新しい若い子がいるので、”使い古し”はいらないのです。



そんな”出来損ない”の女の人達は、現実を理解していないので、確実に幸せにはなれません。

どんなにお金を掛けても、”ババア”になるからです。




お金持ちの”スケベオヤジ”でも、若い時は殆どお金持ちではなく、必死になって働いていたのです。


”出来損ない”の女性は、自分が付き合っている若いお兄さんを頑張って働かせて、お金持ちにしようとは思わないからです。


安直に、目の前のものだけを見てしまうからです。

手元のスマホを見っぱなしで、信号無視を平気でするのと同じです。

事故に遭わないのは、”悪運”が強いだけなのです。



”パパ活”の女の人を見分ける方法を聞いた事があります。


デートの時に有名ブランド品を持っているだけで、”パパ活”でもらったのかと疑ってはいけません。

頑張って働いて、自分への”ご褒美”で買った品物かも知れないのです。


大好きな大切な彼氏とのデートですから、タンスの中の箱から出してきたのかも知れません。

そう言う女性は、貴重な”大切な人種”なのです。



”パパ活”女子の対象のものは、かばんや財布ではありません。

くつ”なのだそうです。


堅実な女性が、有名ブランド品を一生懸命働いたお金で買わないのは、”靴”なのだそうです。

言われてみると、何となく理由が分かります。




実は、作者は、過去に女性の部下が10人ほどいたことがあります。

勿論、手を出した事はありません。


作者は”心はスケベ”ですが、根は”真面目”です ・・・ ?


部下の女の子に手を出せないくらい”女性恐怖症”だったという事もありますが ・・・


それに「叱れば膨れる、叩きゃなく、殺せば夜中に化けて出る」と言うのが世の女性です。

叩いたり、当然、殺すなんてことはしませんが、注意をすると膨れるのは普通です。

新入社員だと、理詰めで注意しても、泣かれることがありました。


女性の教育は、男の自分ではなく、女性にやってもらうのが、一番正しいと思わされました。



当然、部下ですから、家庭の事情は知っています。

お金持ちの社長さんの娘さんがいましたが、確かに”靴”は有名ブランド品だった記憶があります。

アルファベットの”C”が交差したのとか、色々でした。

そんな子は”パパ活”ではなく、本物の父親パパから”お小遣い”をもらっていたのです。

会社と実のパパとの両方から、お小遣いをもらっている様でした。



”靴”は消耗品です。

海外のお姉さん方は、有名ブランド品はメーカーに修理を依頼して、一生使います。

でも、日本のお姉さん達は、そんな事はしません。

修理代が”お高い”からです。


2回も修理に出せば、そのものが買えるくらいの金額になるか、オーバーする事もあります。

日本国内での修理ではなく、本国で修理すれば尚更です。


何故、修理に出すのかの理由をイギリス人に聞いた事があります。

答えは”愛着”でした。


アメリカ合衆国の”使い捨て”の文化が、悪影響を及ぼしているのでしょうか?


アメリカ人でも分かっている人は、愛着の有るものは修理して使います。

その証拠に、アメリカ合衆国の有名ブランドでも、必ず優秀な”修理部門”を持っています。



以前、日本製ですが気に入っていた”Yカバン”を表参道のお店に修理依頼したことがありました。


流石”Yカバン”で、新品の様に綺麗に仕上げてくれました。

説明を受けても、修理した部分が分からないくらいの仕上がりです ・・・ 流石です。

当然、修理代は掛かりましたが、満足いく結果です。


主役?のナオミさんが、夫の革の鞄を愛用しているのは、その”Yカバン”です。

女性には”無骨”なデザインです。

でも、夫の愛に、自分の愛を上乗せして、使っているのです。




お金持ちのお嬢さんでもない女性が、有名ブランド品の”靴”を履いていたら、”パパ活”を疑って見る必要はありそうです。





そんな、お金持ち?のおばさま達が、新宿のラーメン屋さんで飲んでいます。

無駄遣いはしない魔女や魔法使いのおばさま達なのですが、どうしても”お酒”が好きなのです。


人間から迫害されてきた憂さ晴らしなのか、単純にお酒が好きなのかは分かりませんが、飲んでしまうのです。

殆どの魔女や鬼女や魔法使いは”大酒飲み”なのです。


所謂いわゆる、”酒豪”なのです。


酒豪なので、お酒に飲まれたりはしません。

お酒に飲まれてしまうのは、ただの”飲んだくれ”で、酒豪ではないのです。



魔女や鬼女や魔法使いは、何かの集まりがあれば飲んでしまうのです。


でも、車の運転はしません。

酔っ払い運転をして、世間に顔が知れてしまってはいけないのです。


それに、魔法でちゃんと帰れるからなのです。

倒れるのは、おうちに帰ってからなのです。


おうちに帰れば、愛する人が待っているのです。

愛する人が待っていてくれるから、安心して飲んでしまうのです。



以前、魔女や鬼女や魔法使いは、妊娠していてもお酒を飲んでいました。

胎児に影響はないと思っていたのです。


でも、影響があったのです。

生まれた子供が女の子だと、お酒が好きでは収まらず、”大酒飲み”になってしまうのです。



今日、集まっている三人のおばさま達は、母親が妊娠中にお酒を飲んでしまったのです。

ですから、三人とも”大酒飲み”なのです。


その三人は、・・・

ゆたかの母親、魔法使いの”めぐみ”。

つよしの母親、魔法使いの”ひとみ”。

ヒトシの義理の母親、魔女の”みどり”。


因みに、めぐみはナオミの、ひとみは美智子の義理の母親で、みどりはハルミの実の母親です。


今日の三人は、魔女と鬼女の団体から頼まれた”パトロール”なのです。


めぐみは”新宿西口”方面、ひとみは”新宿南口”方面、みどりは”新宿東口”方面です。


そして、”歌舞伎町”方面は、三人一緒にパトロールをします。


パトロールの対象は、学生の”魔女や鬼女や魔法使いの女の子”です。



人間の女の子が、悪いお兄さんやおじさんにさらわれそうになっても、気にしません。

人間の女の子は、人間が助ければよいのです。

親が、警察がその為にいるのです。



魔女や鬼女や魔法使いは、素性が知られてはいけないのです。

ですから、魔女や鬼女や魔法使いの子供には、”オーラ”を纏う様に教育しているのです。

”まわりの人に気付かれないオーラ”なのです。


魔女や鬼女や魔法使いと分かってしまうと”迫害”されるからなのです。

何百年も、”嫌っ”と言うほど経験してきたのです。


若い魔女や鬼女や魔法使いの女の子は、オーラを纏う事を忘れてしまう子もいるのです。

そんな子に教育する為のパトロールなのです。



女の子ですから”言う事を聞かない子”もいるのです。

それでも、”魔女や鬼女や魔法使い”全員を守る為なのです。

頑張って教育するのです。


言う事を聞かないそんな子でも、分かるまで続けるのです。

場合によっては、往復ビンタをするのです。

その子の為だけではないからです。



だから、パトロールは疲れるのです。

お手当も良いのですが、大変なのです。


ですから、パトロールが終わると、おばさま達は疲れてしまってお酒を飲みたくなるのです。


そんな訳で、おばさま三人がラーメン屋さんで、パーコーや餃子でお酒を飲んでいるのです。


特に、ゆたかの母親のめぐみは、この間、ハルミと一緒にパトロールをしてこのお店で飲めなかったので、リベンジなのです。



めぐみとひとみの二人の話題は、嫁と言うより娘であるナオミと美智子の事なのです。

娘二人が妊娠しているので、共通の話題なのです。


みどりの娘はハルミで、実の娘で結婚したばかりなので、二人の話を興味深げに聞いているのです。

少し羨ましいのかもしれません。


めぐみは、ナオミに自分のお乳を与えて育てていましたから、実の娘と同じなのです。

ひろみは、交通事故で亡くなった実の娘の生まれ変わりの様な美智子なので、本当の娘と思っているのです。


基本的に、魔女や鬼女や魔法使いの女性は、姑になると嫁を自分の娘と思って暮らしていくのです。

嫁と姑の争いなどは、魔女や鬼女や魔法使いの世界ではありえないのです。

お互いがリスペクトして生きていける様になっているのです。


何故なら、魔女や鬼女や魔法使いは”絶滅危惧種”だからなのです。

小さい世界の中で争う事の愚かさを、知っているのです。


そんな事をしたら、人間の思うつぼなのです。

自分達から、迫害される理由を作る訳にはいかないのです。


そんな中で、めぐみとひろみは自分達の娘、義理の娘ですが、大好きなのです。



でも、おばさん三人ですから、一つの話題をいつまでも続けている訳ではありません。

男の会話の様に”結論”はいらないので、延々とお話が続けられるのです。



三人はラーメン屋さんで飲んでいるのですが、お酒は”単位単価”が高いので、お店の今日の儲けの大きい部分を占めているのです。

だから、延々と飲んでいても、お店からは文句は言われません。

有難い”お客様”なのです。


それに、三人とも娘がしっかりしているので、安心して昼間っからお酒を飲めるのです。


そして、三人とも最後にラーメンを平らげて、今日の飲み会が”お開き”になるのです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ