105 魔女の日常?
魔女の日常?
奥さまは魔女でも、俺はしがないサラリーマンである。
そして、「お小遣い制」である。
ナオミは魔女の ”管理団体” からお給料を貰っている。
でも、俺の給料どころではなく、会社役員のオヤジの給料よりも多く貰っているらしい。
オフクロは、魔女だけでなく、鬼女の団体の仕事も請け負っているらしく、ナオミよりも多いらしい。
額には興味はあるが、オフクロに聞けるほど、俺は愚かではない ・・・ 非常に危険を感じるからである。
でも、魔女は基本”ケチ”である。
いや、語弊があるな 、、、ケチと言うより”倹約家”なのである。
オフクロは魔法使いであるが、魔女と同類なのか、ケチ、いやいやいや、”倹約家”である。
そして、真面目である。
魔女だから、俺を物凄く愛してくれるのだが、何でもしてくれる訳ではない。
例えば、お風呂の後の”着替え”や、明日会社に来ていく服の用意などは、自分でやっている。
よく、”上げ膳据え膳”という旦那さんがいるらしいが、そんな事は決してないのである。
お陰で自分の着るものがどこにあるのかはよく分かっている。
離婚したり、奥さんに先立たれても、どこに何があるのか分からないという事はないのである。
ただ、魔女の夫婦が離婚したと聞いたことはないし、魔女の夫婦は”一体もの”なので、片方が亡くなるともう一方も生きていられないのかもしれない ・・・
でも、ナオミには思いっきり愛されているので、そんな事はあり得ないのである。
でも、どうやら、俺のおふくろの”教え”らしい。
それに、ナオミの実の父親は”単身赴任”なので、ナオミの実家はそういう決まり事なのであろう。
でも、下着は別にして、背広やネクタイは、俺が並べても、ナオミの”好み”に並び直されているみたいである。
デザインや色については、設計部所属なので自信はあるのだが、いつもセンス良く並べ替えられている。
もしかしたら、下着もそうなのかもしれない。
俺の下着の好みは、”下”はブリーフ派で、ビキニタイプである。
ナオミは、水着は小さめなのに、下着は”大き目”が好みの様である。
たまに、木綿の大きいヤツの時がある。
”おばあちゃんの原宿”と言われる巣鴨の地蔵通り商店街に、行きつけのお店があるらしい。
”赤いデカパン”は見たことはないが、もしかすると、もう、持っているのかもしれない。
まあ、小さい”煽情的”なものを好む男性も多いのだろうが、脱がしてしまえば関係ないと思うのだが ・・・
ついでに、俺の下着の”上”は、Tシャツタイプである。
どういう訳か、肩に汗をかくので、ノースリーブは好みではない。
ナオミは、水着は小さめなのに、ブラは殆ど”スポブラ”である。
”大き目”が好みというのと、中身も大きいからだと思う。
えへへへ ・・・ ナオミのオッパイは”世界一”なのである。
俺は、朝早くにジムに行く。
昔、会社帰りに行ったことがあるが、殆どの人がこの時間を狙うのか、物凄く混雑している。
お店を変えてみても一緒であった。
まず、荷物を入れる為の「ロッカー探し」。
着替えてジムフロアーに行くと、マシン等の「空いている器具探し」。
トレーニング終わりに、汗を流す為の「シャワー待ちの行列」。
毎回これだと”心が折れる”ので、24時間営業のお店で早朝にトレーニングをする事にしたのである。
学生時代は授業が始まる前だったが、時間が厳しい社会人は、始業前という事になったのである。
社会人になってから、そして結婚しても同じパターンである。
朝早くて大変なのに、ナオミは必ずお弁当を作って持たせてくれる。
近頃は、プロテイン入りのクッキーまでも、オヤツとして準備してくれる。
前にも話したかもしれないが、「あまり美味しくない。」。
食べ過ぎない様にとの配慮だという。
ナオミ、”出来過ぎの奥さん”である。
そんなこんなで、早めに俺は出掛けてしまう。
ナオミは時間に余裕があるので、洗濯を終わらせて、オヤジとオフクロの起きるのを待つ。
今まではこうだったが、今は、長野から連れてきたワンコのタロウとニャンコのクロがいる。
そして、オヤジの起床時間が少し早くなった。
ワンコのタロウのお散歩の為である。
オフクロは、ニャンコのクロとリビングで遊んでいる。
オヤジが戻ってくる間に、オヤジたちの部屋をナオミが掃除してしまう。
二人?が帰って来ると、オヤジは暑い時にはシャワーを浴びる。
ナオミは、タロウとクロに朝食を食べさせる。
そうして、オヤジ、オフクロ、ナオミの3人で朝食となる。
オヤジにお弁当を持たせて送り出すと、オフクロと二人で朝食の後片付け。
それから洗濯物を干して、他の部屋の掃除を終わらせる。
ナオミが家の事をしている間に、オフクロはワンコのタロウとニャンコのクロに、何やら教えている。
そうこうしていると、ハルミが到着する。
いつも、何かを持ってくるようで、今回は漬物の「水ナス」である。
そして、ハルミはお弁当持参である。
当然、夫のヒトシにも同じものを渡している。
ナオミとハルミで、お弁当のオカズの検討会もしている様である。
ハルミは、途中の駅までは夫のヒトシを一緒で、途中から夫と別れて俺んちに電車で来るのである。
ナオミとハルミで、パソコンを使ってお仕事開始である。
デジタル魔女システムの運営管理である。
オフクロは、魔女や鬼女の団体の仕事の手伝いが無ければ、二人の仕事をチェックしたり色々である。
お昼に三人で用意したお弁当を食べると、オフクロは「末娘」の”きらら”の学校に出掛けて行く事が多い。
ナオミとハルミは、デジタル魔法システムの不具合や、問い合わせ対応で忙しい。
若手の魔女が相手であれば、テレビ電話で話をする。
パソコンの操作に問題がないおばさまの魔女の場合も同じである。
スマホは弄るがパソコンは ・・・ という魔女には、スマホ対応の”デジタル魔女システム”を導入している。
それでも、実際に会って操作説明やトラブル対応をする必要な場合がある。
取り合えず、”遠隔”で処理をしてしまうが、それだけでは収まらないのである。
そんな場合は、魔法で”お出掛け”となってしまう。
以前は、ナオミとハルミの二人で一緒に出掛けていたが、ハルミも慣れてきたので、二人で違う場所に教えに行ったりする様になった。
たまに、テレビでの国際会議も開催される。
勿論、世界中の”若手の魔女”が対象である。
ただ、開催時間が日本時間の”夜中”が多いのが玉に瑕である。
ナオミに聞いたら、”残業代”はもらえる様である。
国際会議でも、おばさま魔女達はどうしても会って話をしたいのである。
一緒の楽しみでもある。
そんな時には、各国代表のおばさま魔女に若手が一人付いて行く。
仕事としては、”出張扱い”である。
デジタル魔法システムは優秀であるが、完璧ではない。
人間の作ったデジタルシステムと一緒である。
どうしても”バグ”が発生する。
元々、アナログであったものをデジタルに置き換えることに問題があるのであろう。
折角、デジタルにするのであるから、アナログの全てをデジタル化してしまおうとしてしまうのである。
そこに歪が生じて、バグが発生するのである。
本来、相容れないものなのか、もっと時代が進めば解消されるのかは定かではない。
どんなものでも、完璧なものは存在しない。
そこが悪いところであり、良いところ?でもあるのである。
それでも、諦めずに先に進むから、発展するのである。
魔女は、一般の人には存在を知られてはいけない。
過去の迫害から学んだ知恵である。
その為に、デジタル魔法システムが開発されたのである。
自分達、魔女を守る為に ・・・
この様に、デジタル魔法システムの管理運用は、忙しいのである。
そんな感じで、1日のナオミとハルミのお仕事が終了する。
ハルミは夫のヒトシの退社時間に合わせて、ナオミの家から帰っていく。
ハルミの家の最寄り駅で、ヒトシと合流する為である。
魔法を使って”一発”で移動する方法もあるが、色々なところを見るのは楽しいらしく、公共交通機関を利用している。
ハルミが帰ると、ナオミは夕食の準備をする。
買い物は、出掛けていたオフクロが近所のスーパーで済ませている。
オフクロが出掛けていて、ナオミが仕事をしている間、ワンコのタロウとニャンコのクロは”お勉強”をしている。
まあ、Eテレでのお勉強である。
”おかあさんと一緒”もよく見ているので、ナオミの子供が生まれたら、一緒に遊んでくれるのかもしれない。
食事の準備が終わる頃、オヤジが帰って来る。
少し遅れて、俺、ゆたかが帰って来るのである。
オヤジは昔は仲間と一杯飲んで帰ってきたが、今は、娘であるナオミに会いたくて早く帰って来る様になった。
まあ、ワンコのタロウとニャンコのクロの”ダブルモフモフ攻撃”も期待しているのかもしれない。
一家4人で夕食である。
以前は、ナオミも一杯飲んでいた、いや、たくさん飲んでいたのだが、今は禁酒である。
オヤジは、仕方なく? オフクロと飲んでいる。
流石に、今更、外で飲んでくる訳にはいかなくなった様である。
”飲み友達”が減ったのかな ・・・ ?
でも、ナオミの作った酒の肴は”絶品”で、毎晩、オヤジは喜んで飲んでいるのである。
お酒を飲まない俺は、当然早く夕食が終わる。
リビングで、食休みをすると、ワンコのタロウと”夜のお散歩”である。
近頃は、ニャンコのクロが俺の肩にしがみ付くのが通例になった。
最初はのんびりであるが、川沿いの遊歩道に来ると、ワンコのタロウがダッシュで走る。
俺も負けずに走る。
俺の肩に乗ったニャンコのクロは、爪を立てて必死に態勢を維持する。
傍から見れば、どの様な感じなのかなど、考える余裕はない。
ワンコのタロウは楽しそうだが、俺とクロは必死に近い。
途中で、折り返す橋までは、いつも同じパターンである。
それに、ほぼ毎日、殆ど同じ時間なので、気にする人も少ないと思われる。
ナオミは、オヤジとオフクロのお話し相手と、夕食のお片付けである。
たまに、ナオミが夜のお散歩についてくることもあるが、その時は、三人、いや、一人と二匹は大変である。
ワンコのタロウが走り出す前に、ナオミがダッシュで走り出す。
ワンコのタロウでも、追いつかない。
勿論、俺も必死で追いかけるのである。
俺の肩に乗ったクロも必死でしがみ付く。
とても、ナオミが妊婦だとは思えないのである。
そんな感じで、俺達みんなが帰って来ると、俺はお風呂に直行である。
俺がお風呂から上がると、家族全員で、コーヒータイム。
まあ、他の連中は、俺を待たずにコーヒーを飲んでいるのであるが ・・・
勿論、ワンコのタロウとニャンコのクロは別の飲み物であり、ナオミはノンカフェインである。
大体、俺と入れ替わりにオヤジがお風呂に入って、オフクロが続く。
その間に、ナオミがお片づけをするのだが、俺もお手伝いをする。
オヤジが台所に立っているのを見たことはないが、俺が小さい頃は、炊事や洗濯も手伝っていたらしい。
まあ、俺やオヤジが出しゃばるより、オフクロやナオミがやった方が何倍も速いのだから、仕方がない。
ナオミに子供が生まれたら、俺がナオミの分も頑張ろうと思っている。
オヤジとオフクロが自分達の部屋に行くと、ナオミがお風呂に入る。
本当は、俺も一緒に入りたいのだが、俺がお風呂に入っている間に、食事の片付けだけではなく、明日の洗濯の準備もしてしまうのである。
コーヒータイムが終わると、ワンコのタロウとニャンコのクロは、リビングの指定席で寝る準備完了である。
勿論、二人、いや、二匹ともオフクロとナオミに”歯磨き”をしてもらう。
「近視と虫歯は、何歳になっても放っておくと悪くなる!」のオフクロの言葉の実践は、人間に留まらないのである。
近頃は俺がお風呂から上がって来ると、ワンコのタロウとニャンコのクロが自慢げに”歯”を見せる事がある。
「お前も、歯を磨け!」と言っている様なので、俺も歯磨きを頑張るのである。
因みに、俺は歯ブラシだけでなく、クロスや歯間ブラシも使っている。
知り合いに、両方の奥歯をブリッジにして、何度もやり替えた人がいる。
その人曰く、「片方の奥歯で軽自動車が買える」と言っていた。
そして、こうも言っていた。
「これ以上だと、インプラントで、普通自動車が買えてしまう」と。
そんな訳で、俺はジムに行くと「マウスピース」を使っている。
本当は歯を喰いしばらない方が良いのだが、踏ん張ると意識が飛んでしまうからである。
歯が欠けたりしたら”治癒の魔法”で治るのかな ・・・ ?
ナオミがお風呂から上げって来る間に、俺は明日着ていく服等の準備をする。
ネクタイも用意するが、会社に着いてから締めるのがいつものパターンである。
わざわざ、自宅から「首を絞めて」出掛ける必要はないと思うからである。
オヤジはネクタイを締めて出かけているが、俺は俺、オヤジはオヤジである。
最初の方でもお話したが、俺のセンスで、着ていくものを選んでいるが、朝見ると、たまに変わっていることがある。
ナオミのセンスに合わない様である。
別に、着ていくものに拘りはないので、変わったもの、ナオミが用意してくれたものを着ていっている。
俺は設計部所属でセンスはあると思うのだが、奥さんの好みを優先するのである。
そんなこんなで、寝る前に気になる事があればパソコンを起動させているが、基本はベッドに転がっている。
たまに、寝たふりをすることがある。
そうしていると、ナオミが俺のほっぺをツンツンする。
ナオミからの”お誘い”である。
俺はこの”お誘い”を断ったことはない。
断れないのかもしれない。
まさか”魔法”を使っているとは思えないが、俺の意識とは別のところで”反応”してしまうからである。
”お誘い”して欲しくて、寝たふりをしているからでもある。
まあ、オヤジ達に飲まされて寝てしまう以外は、俺はナオミを待っているのである。
まず、ナオミの唇に口づけをして、それからナオミの全てに口づけをする。
ナオミの全てが美味しい。
別に食べたりはしません。
ナオミのどこをとっても、素敵なのです。
なので、毎日なのに飽きたりはしません。
よく雑誌等に出ているが、自分の奥さんを飽きるというのには、理解が出来ません。
でも、女性は子供が出来たら変わるというが、どうなのだろう?
まあ、その時にならないと分からないが、魔女の夫は普通の人間と違って「奥さんの一部」になっているので、大丈夫だと思う。
それより、それよりも今日である。
今である。
いま、目の前にいる素敵な女性を愛する事が”最重要課題”なのである。
最後にナオミに、タ~ップリと”愛”を注ぎ込むのです。
魔女にとって、夫の愛が”魔力の源”なのです。
オーバーブローはしません。
夫の愛を貯めておくタンクがいっぱいになれば、古いものが新しいものに入れ替わるのです。
常に”新鮮な愛”がストックされているのです。
という事で、”今日一日”が過ぎていくのである。
俺、毎日が幸せである ・・・
13日の金曜日。 今年は2回。 9月と12月。
ついにやって来ました、今週の金曜日は、2024年一回目の9月の「13日の金曜日」です。
「もしもシリーズ」として、ちょっとエロいお話を掲載していましたが、内容が次第に過激になってきましたので「別連載」を上げてしまいました。
タイトルは「イン魔女」で、主人公は「ナナミ」です。
段々エロくなってきたので、「新連載 イン魔女」シリーズとしてしまいました。
「18禁」に近いというか、ほぼ、「18禁」の内容になってきています。
過去の「もしもシリーズ」も、主人公の名前を変えて掲載していますので、ご覧ください。
こちらの連載は、至極「真面目」に進めていきたいと思っています。




