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思考のるつぼ

作者: 宮嶋 健吾

 横になって布団をかぶると、あれやこれやと考え始めてしまう。目を開けると真っ黒い天井。無だ。何もない。目を閉じるとおかしなことに再び頭の中に言葉が浮かんでくる。やめやめ、と思い思考を断とうとするが、もう無駄で、頭の上に螺旋状に言葉が立ち上がっていく。それは次第に筒状になり、いくつもの言葉の列が縦に上へ上へと昇っていくのだ。男の言葉は天井を突き破り空へと昇っていく。大気圏を超え、ちょうど宇宙から見るとそこに

光の筋が見えるという。

「また誰かが考え事をしているようですよ」宇宙ステーションから見える光の筋を見つけて男は言った。

「最近増えてきましたね。ストレス社会と言われるからでしょう」

「でも、考え事もこうやってみると美しいですね」

「当人にとってはたまらないでしょうが」そう言って宇宙ステーションを光の筋に近づけ、ちょうどその真下まで来た。いくつかあるレバーの一つを上げると、コクピットが少しだけ暗くなり、前方の窓から地球が見えた。右手付近のボタンを押すと光の筋が宇宙船に吸い込まれていく。宇宙船の中のガラスケースの中で光が球状になって動きまわっている。そのガラスケースにUSBを接続すると光が吸い込まれ、機械に収まった。それをパソコンに接続しデータ解析する。

「複雑ですよ。今回も」パソコンの画面を眺めながら男は言った。

「解析が大変だな」

「もうこのまま転送しましょう」男は解析をあきらめ、彼らの住む第七惑星にデータをそのまま転送した。


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