僕の、“余命宣告を毎日カウントダウンする死神”
・・・ある日、僕の前に死神が現れた。
そして、死神から僕の命の余命宣告を聞かされる!
『俺様は、“死神だ!” お前の余命宣告を言いに来た!』
『えぇ!? 死神?』
『お前の命は残り10日、それまで好きに生きろ!』
『な、なんでだよ! どういう風に僕は死ぬんだ?』
『一切の情報は、今のお前には言えない。』
『死ぬ宣告だけして言えないって? 無責任すぎるだろう!』
『俺は一応、死神だ! ルールに反する事は言わない!』
『勝手に来て、僕に10日後に死ぬとか言うのはいいのか?
人の気持ちを何だと思ってんだよ!』
『お前の命を見届けるために毎日、俺はココに来る、いいな!』
『それが、勝手過ぎんだよ!』
『じゃあーまた明日だ!』
『・・・・・・』
なんて! 自分勝手な死神なんだ!
急に、【余命宣告】された僕はどうしたらいいんだよ。
やりたい事だって! いっぱいあるんだぞ!
・・・でも、たった10日なんて。
ヒドイよ。
*
死神は、僕に言った通り毎日僕の前に現れるようになった。
何をするわけでもなく、毎日僕にくっついて行動する。
トイレの時もお風呂の時も、彼女とデートの時も、アレの時もだ!
毎日死神の口から、僕の死へのカウントダウンを聞かされる。
“今日で残り9日” “今日で残り8日”“今日で残り7日”
日に日に、減っていく僕の寿命。
どうしたら? 僕は死ななくていいのか、死神に聞いてみると?
死神は、【一つだけ、死ななくてもいい方法がある!】と言った。
その方法は、“自分にとって大切な人を生贄にする事”だと言う。
・・・【大切な人】と言われても。
死神は、お前の彼女でもいいと言った。
確かに、彼女は僕にとって大切な人だ!
彼女と付き合って3年、どんな時も彼女は僕を支えてくれた。
僕がお金がない時も、デートは近所の公園で不満も言わずに
一緒に笑って楽しんでくれた。
お金がないから、食べる事もなかなか難しくて彼女がお金を
出して僕に奢ってくれた事もある。
どんな時も、彼女は僕の太陽だった。
そんな彼女を、死神は生贄にしろと言うのだ。
僕は、彼女には悪いと思いながらも少し悩んでしまった。
僕は、心のどこかでまだ死にたくないと思っていたからだ。
彼女も大切だけど、僕には夢がある!
いつか? 有名なミュージシャンになるのが夢なんだ。
彼女も、僕の事を応援してくれている。
それなら? 彼女だって僕の出した答えに納得してくれるはずだ!
ふと? そう思ってしまった。
僕はしぶしぶ、彼女を生贄にする決断を死神に伝えた。
『よかろう! お前の願い叶える!』
『ありがとう!』
・・・僕の死のカウントダウンは、既に“今日で残り4日”に
なっていた。
僕が決断して伝えた次の日から、死神は僕の前に現れなくなる。
その代り、彼女の前に現れた死神が彼女にこう言ったらしい。
『お前の死の宣告をする! お前の命は残りあと3日だ!
本来お前は、死ぬ予定ではなかったが、お前の彼氏がお前と命の
交換をする事を承諾した、よってお前は3日後に死ぬ!』
『えぇ!?』
彼女から、僕に連絡が入った。
『あのさ死神に、私と命の交換したの?』
『えぇ!?』
『眞人に付いてた死神は私の所に来て、そう言ったわ!』
『・・・ご、ごめん、』
『やっぱり、そうなんだ、』
『・・・ううん、でもしょうがなかったんだよ!』
『もういい、私と別れて、』
『あぁ、分かった。』
僕は完全に彼女に嫌われた。
まあ、彼女に嫌われてもしかたない事を僕はしてしまったのだけど。
彼女に別れ話をされて、当然だと思う!
僕は彼女を犠牲に夢に向かって頑張ろうと思った。
・・・でも、ある日。
死神がまた現れた! 本来、僕が死ぬ日の1分前らしい。
『彼女がお前を生贄に選んだ! お前の死は残り1分を切っている。』
『えぇ!?』
『彼女、泣いていたぞ! お前を生贄に選ぶのは心苦しいとな!』
『まさか!? またかよ! 死にたくない!』
『時間だ!』
『・・・・・・』
僕は寝ていて、心臓発作で朝冷たくなって死んでいた。
まあ、本来僕が死ぬはずだった寿命。
仕方ないと言えば、そうなのかもしれない。
だけど、もう少しだけ生きていたかった。
最後に、“彼女が最後まで僕の事を【大切な人】と思ってくれていた
事が嬉しかったかな”
最後までお読みいただきありがとうございます。