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俺の番から逃げない

作者: シサマ


 ギターと過ごす ひとりの時間

 その隣には 埃を被ったセカンドギター

 もう俺に こいつは必要ないのかも知れない

 でも 手放す事は出来ない


 俺は ミュージシャンにはなれなかった

 だけど 今日のために 明日のために

 目指していた夢の(あかし)が欲しい

 こいつを綺麗にしてやりたいけれど

 まだ このままにしたい気持ちもある


 俺の番から逃げない

 浴びられなかったスポットライトは

 堅気の仕事で いつか取り戻してみせる



 参考書と過ごした ひとりの時間

 その隣には ようやく手にした資格

 今の俺に こいつは仕事で欠かせない

 でも もう遅いのかも知れない


 俺は 37歳で正社員になった

 だけど 今日のために 明日のために

 見下されない経験が欲しい

 こいつに縛られる気持ちになるけれど

 もう こいつと生きるしかないと思う


 俺の番から逃げない

 浴びられなかった大歓声は

 これからの人生で 信頼に代えてみせる



 仕事……家庭

 毎日に疲れ 夢を失った男たち 女たち

 

 あれから10年……

 甥っ子みたいな若者に 

 未だに叱られる事もある そんな俺だけど

 幸せなのかもな 

 この歳で まだ上しか目指せないから


 

 ギターと過ごす ひとりの時間

 俺がみんなに追いついたとき

 10年経って ますますいい音を鳴らすギターは

 俺の幸せの象徴 誰にも奪えない幸せの象徴


 埃を被ったセカンドギター

 待っていてくれ

 俺が一人前になったら お前をまた育てるから

 

 必ず育てるから

 

 

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] いい詩ですね! ……と、本家のご感想をパロってみるスタイル。(-ω-*) どれだけの時間がかかっても、いずれまた夢と向き合おうとする前向きな姿勢がとても素敵です。夢は、見続ける限り終わら…
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