92話 ナイフで刺されました
俺は冒険者意見交流会でティーダの情報を得た俺はその事を考えながらフレッディーノ国を散歩していた。
裏路地へ足を踏み入れる。
「ティーダか。Sランク冒険者なら強いのは間違いないよな」
そう呟いて裏路地を一人歩く。
何となく直感でセーブしようと思った。
「セーブ」
=========================
スロット1 フレッディーノ国宿屋前
スロット2 フレッディーノ国宿屋
スロット3 ファイシード国宿屋
スロット4 フレッディーノ国宿屋
=========================
俺はスロット2に上書きセーブをした。
そして建物の陰が俺を覆う。
その時だった。
「はあああああああああっ!!」
「がはっ!!」
「やった。冒険者殺したぞ」
「てめえ。ロード」
俺はスロット2へロードする。
いきなり横道から飛び出してきた年下の子供に俺はナイフで刺された。
そして俺は痛みに耐えてスロット2へロードした。
セーブしておいてよかった。
「はああああああああああっ!!」
「無駄だ」
「何!?」
「俺に何の用だ? ナイフなんか持って」
「金が欲しいんだ。金をくれ」
「それで俺をナイフで刺したのか」
「まだ刺してない」
「ああこっちの話だ」
「?」
俺はこのフレッディーノ国の治安を忘れていた。
ここは格差社会の国。
貧民街と冒険者が集う街、貴族街と三種類に分かれる。
因みにこの国は皇帝陛下が治めている。
ぎゅるううううううううう。
俺を刺した子供のお腹から空腹の音が聞こえる。
そして俺はそれを聞いて大きくため息をついた。
「何か食わせてやる。来いよ」
「いいのか!?」
「ああ」
「ありがとう」
「ナイフは仕舞え」
「あ、ああ」
「名前は?」
「ムグナ」
「じゃあ行くぞムグナ」
俺はムグナと呼ばれる子供を食堂へと連れて行った。
そして食堂でムグナに奢る。
「ほら好きなの食え」
「いいのか!?」
「ああ。遠慮するな」
「分かった」
ムグナがメニュー表を見て沢山ご飯や飲み物を頼む。
初めて食べるようなキラキラした目をしていた。
「美味しいか?」
「美味しい。さっきは悪かった。刺そうとして」
「別に気にしてない。それより冒険者でもなったらどうだ?」
「装備が買えない」
「俺が最低限の装備を買ってやる。これも何かの縁だ」
「本当か!!」
「口に物が入った状態で喋るな」
ムグナはモグモグと沢山頼んだ食べ物をあっという間に平らげて、ごちそうさまを言った。
「じゃあ装備品を買いに行くぞ」
「うん」
俺はその後武器屋と防具屋で銀シリーズ一式をプレゼントした。
何とか手持ちで間に合ったな。
「じゃあ金貨3枚やるから、それで冒険者として頑張れ。これ以上は面倒見ない」
「な、名前は?」
「ラーク」
「ラーク、ありがとう。必ず成り上がる」
「頑張れ」
俺はこの日珍しく感謝された。
まあこれも何かの縁だろうな。
頑張れムグナ。
さあセーブしよう。
「セーブ」
=========================
スロット1 フレッディーノ国宿屋前
スロット2 フレッディーノ国冒険者街
スロット3 ファイシード国宿屋
スロット4 フレッディーノ国宿屋
=========================
俺はスロット2へ上書きセーブをした。
「やっべ戻らないと。リア達に怒られる」
俺は急いで宿屋へと戻った。
そして翌日超高難易度クエストを受注する事となる。
※最後までお読みいただいてありがとうございます!
作者からのお願いがあります。
少しでも、
『面白い』
『続きが気になる』
と思っていただけたなら、
下の【☆☆☆☆☆】評価を【★★★★★】へとブックマークをよろしくお願いします。 今後とも面白い物語を執筆するためのエネルギーとして
ブックマークをしてファンになってくれると嬉しいです。
ポイントとブックマーク、そして感想レビューが作者のエネルギー源となりやる気が漲る活力剤となります。
是非是非この作者と作品を宜しくおねがいしますm(_ _)m