87話 デビルメイデンを圧倒しました
俺はうんざりしていた。
そして同時にバレッド達に呆れていた。
まさか温情で生かしてやったというのに、まだ俺達に関わろうとするとは。
復讐しようとするとは。
「お前たちがホワイトアリスを攻撃するなら、俺は容赦しないぞ」
「黙れラークぅうう!! 折角呼び戻そうとしてやったのに!!」
「だから俺は戻る気はない。今なら見逃してやる消えろ」
「無能の癖に偉そうにしやがって!! 右腕の借りは命で返させてもらう!!」
そう言ってバレッドは鉄の剣を持って攻撃しようとしてくる。
俺は短剣グラディウスで迎え撃つ。
だが割って入ったのはリア達だった。
「ラークに関わらないで!! 殺すわよ」
「てめえは後でたっぷり可愛がってやるよ!!」
「最低の男。容赦しないわよ」
殺すしかないか。
もうこれ以上付きまとわれても困るしな。
もう何もかも遅いんだよバレッド。
俺はリア達と共に【デビルメイデン】と戦う。
ラフレアがバフを撒く。
「攻撃力アップ」
「防御力アップ」
「スピードアップ」
リア達アタッカーがラフレアのバフの恩恵を受ける。
そしてアリスも真剣な表情でカースケインを構える。
ローマルやバレッド達が動き出す前にリア達はバレッド達に地面を蹴って勢いよく近づき攻撃する。
最早【ホワイトアリス】は【デビルメイデン】とは実力が違った。
「きゃああああああああああああああああ!!」
リアに再び右腕を切られるエレノア。
何も出来ずそのまま床に倒れ込む。
ブラッドソードはエレノアの血を吸収した。
「くそがあああああああああああああ!!」
バレッドがリアに攻撃を繰り出す。
だが簡単に回避され今度はヴィクトリカのブルーソードで右腕を切られた。
「ぐわああああああああああああああああああああ!!」
バレッドは床に倒れ込む。
「もう終わりだバレッド。今俺は凄く幸せなんだ。だからもう全て遅いんだよ」
「ぐっ、くそがああああああああああ!! イルーン助けろ!!」
バレッドがそう言うがイルーンは恐怖の余りこのダンジョンから一目散に逃げだした。
続いてローマルも、ヴランもバレッドを見捨て逃げ出す。
「この裏切者があああああああああああああああああ!!」
「誰にも信頼されてないなんて哀れだな」
「黙れ無能が。全てはお前のせいだ。お前が疫病神だから!!」
「もう終わりにしよう」
俺はリアから借りたブラッドソードでバレッドの首を刎ねようとする。
「や、やめろおおおおおおおおおおおおお!!」
「終わりだ!!」
その瞬間、黒いローブを身に纏った男が割って入る。
「誰だ!?」
「俺は快楽者。なーんてな」
「何!?」
「悪いが面白そうなんでこいつらはまだ死なせない!! 無能で哀れなこいつらにはまだ役割がある。それはお前みたいな幸せそうなやつを屈辱に塗れさせるという役割だ」
「お前一体何者だ?」
「Sランク冒険者だ。名前はティーダ」
「Sランク冒険者!?」
「じゃあなラーク。いずれお前を屈辱に塗れさせてやるよ。仲間諸共な」
そう言ってバレッドとエレノアをティーダは担いで消える。
俺はロードするか迷ったが、得体のしれないSランク冒険者と戦うのを今はやめた。
それに【デビルメイデン】に限ってはもうどうでもよかった。
だからリスクを冒して殺す意味はない。
どうせ哀れな連中だ。
酷い顛末になるだろう。
「逃げたわね。あいつ一体?」
「さあな。再び襲ってきそうだな。その時は全力で殺すか」
「そうね。私達の敵なら容赦はしないわ」
「ああ」
俺達は一旦ティーダを無視して最奥地のこのフロアの違和感を探ることにした。
【デビルメイデン】の屈辱はまだ神様が終わらせてくれない。
ティーダのせいで更なる悲劇がバレッド達に襲い掛かる。
だが当のバレッド達はまだ知らなかった。
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