７１話 俺を追放した奴らとの再会
俺はイルーンと再会した。
リア達は誰と俺に耳打ちする。
「デビルメイデンのメンバーだ。俺に何か用か？」
俺の言葉にイルーンは気まずそうな表情で口を開く。
「あのうデビルメイデンは解散しました。そこで私をパーティーに加入させてくださいませんか？」
「いや無理だ。今更知らん」
「ラークのせいでデビルメイデンはCランクまで落ちぶれたんですよ。責任取ってください」
「俺のせいなら俺はいない方がよかったんだろ？ なら他で頑張れよ。じゃあな」
「いやラークのお陰です。間違えました。その私今無所属で」
「知らん。悪いが帰ってくれ」
俺の言葉にイルーンは慌てる。
更にリア達【ホワイトアリス】のメンバーがイルーンを睨み付ける。
イルーンは殺気だった睨みに委縮する。
「私お金ないんです。お願いします。助けてください！！」
「そんな泣き顔で言われても困るんだが。俺を追放したのはお前たちだろ。もう知らん」
「じゃあ私に死ねと言うのですか？」
「そうだな、勝手に死ね」
「な！？ じゃあ意地でも付いていきます！！」
「殺すぞお前」
「ラークに私が殺せるのですか？」
「余裕だが」
「うっ。じゃあどうすれば許してくれますか？」
「別にもう恨んでない。だから関わらないでくれ。頼むから」
俺はイルーンを無視してファイシード国の宿屋へ向かう。
向かおうとした時、丁度また聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「やあラーク。久しぶりだね」
「ヴランか。お前もイルーン同様の要件か？」
「ちっ、イルーンも来てたのか。どうだ僕をパーティーに入れてくれないか」
「悪いが断る」
「この僕の頼みを断るだと！！」
「当然だ。何よりお前は嫌いだ。都合が良すぎるんだよ！！」
「ふざけるな待て！！」
「じゃあな」
俺はヴランを無視する。
だが次から次へと嫌な聞き覚えのある声が聞こえてくる。
「今度はエレノアか。そしてその後ろに居るのはローマルか」
「私達の下へ戻ってきなさい。貴方は私達の下で輝くのだから」
「そうだ私の下へ来い。お前を輝かせてやる」
「知らん。帰れ。特にローマルお前は個人的にも嫌いだ」
「何ですって！？」
「何だと！？」
「俺はもうデビルメイデンに戻る気なんかない。もう遅いんだよ」
俺はそう言って今の大事な仲間【ホワイトアリス】のメンバーと共に無視して進む。
そして宿屋へと戻った。
♦
ラークに拒絶された【デビルメイデン】のメンバーは再び集まる。
そして口を開いた。
「ラーク調子に乗っていますね！！ 許せません！！」
「本当よ。あいつの癖して生意気な！！」
「本当だね。この僕の頼みを拒絶するなど許せないね！！」
「私を愚弄したのは許せない！！」
イルーン達は凄くラークに苛立っていた。
そもそも少し頭を下げれば内心どう思っていようとも簡単に戻ってくると信じてた。
しかし実態は違った。
イルーン達は浅はかだったのだ。
「ホワイトアリス調べたところAランクパーティーのようですね。どうしましょうか？」
「あの取り巻き連中がいなくなればラークも戻って来るんじゃないかしら」
「そうですね。では私達を拒絶したラークに鉄槌を兼ねてホワイトアリスのメンバーを殺しましょうか」
「だとするとバレッドが必要ね。あいついないとアタッカー減るし」
そんな時丁度良く馴染みのある声が聞こえてくる。
「よう俺が恋しかったか。話は聞いてたぜ」
「バレッドも来てたのね」
「その様子じゃラークは戻ってくる気なさそうだな。調子に乗ってるようだな」
「ええ。私達のお願いを拒絶したわ。この私達のね」
「じゃあいっちょ鉄槌下してやるか。あの女共に」
バレッド達は再び再会して集まる。
そして【ホワイトアリス】に復讐を誓うのだった。
その後ラークに戻って来て貰えばいいと思っていた。
半ば強制的に。
だが【デビルメイデン】は後悔する事となる。
【ホワイトアリス】に刃を向けたことを。
♦
俺は宿屋で【デビルメイデン】を考えていた。
あいつら一体何故今になって？
まさかCランクにでも降格したのか。
だったらざまぁなんだが。
まあいいや。
もうどうでもいいのだから。
「デビルメイデンの連中図々しいわね」
「まあな。そういう連中なんだよ。関わるだけ時間の無駄だ」
「そうね。あんな奴にラークは渡さないわ」
「大丈夫だ。あんな奴の下に戻る気はない。ホワイトアリスで今一番幸せだからな」
「そう言ってくれると嬉しいわ！！」
そう言って【ホワイトアリス】のメンバーは皆俺に抱き着いて来た。
ああ俺は今幸せである。
一応セーブしておこう。
「セーブ」
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スロット１ ファイシード国宿屋
スロット２ ファイシード国食堂
スロット３ ファイシード国宿屋
スロット４ 空き
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俺はスロット１へ上書きセーブをした。
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