７０話 イルーンとの再会
俺達はブルードラゴンを討伐してクエスト達成した後、伝説の武器職人エーティの下へと向かい武器を作ってもらった。
「はいこれブルーソードね。一匹では二本しか作れなかったわ」
当初は俺に作ってくれると言っていたが俺には必要性が薄いので今はいいと断った。
その代わりブルーソードを手にしたアタッカーのおさがりを貰う事にした。
ここで言うおさがりとはダイヤモンドの剣だ。
「じゃんけんポン」
リア達アタッカーの三人がじゃんけんをしている。
何のじゃんけんかと言うとブルーソードの所有者を決めるためだ。
「私の勝ちね！！」
「私の勝ち！！」
「負けたのじゃあ。悔しいのじゃあ！！」
ヴィクトリカは子供っぽく駄々をこねている。
結局手に入れたのはリアとネールだ。
ブルーソードは青く光り輝いていて凄く見た目もかっこいい。
切れ味も抜群で暫くは買い換える必要がないそうだ。
「ごめんね。急用で私もう出国しないといけなくて」
「いやいいって。それよりありがとうな。また再会したら頼むわ」
「それは全然オッケー。任せて！！」
「じゃあ約束の金貨２０枚だ」
「毎度あり。じゃあね！！」
「ああ、またな」
俺達は伝説の武器職人エーティと別れる。
エーティは予定より早く出国する事となった。
理由は別のSランク冒険者に武器を作ってほしいと言われて呼ばれたからだ。
そしてエーティと別れてから五日程度が経過した。
俺達は冒険者ギルドで色々その後もクエストをこなした。
そして遂にファイシード国冒険者ギルド支部側から声が掛かる。
「ホワイトアリス様のファイシード国冒険者ギルド支部での活躍が認められましたので次の目的地への移動をお願いします」
「次の目的地は？」
「次はここから南に存在する国フレッディーノです。フレッディーノは冒険者ギルド本部がある国のすぐ近くにあります」
「いよいよ終着点が見えてきたわけか」
「そうなりますね」
「じゃあ明日にでも向かう」
「了解しました」
俺達はこうして次の目的地フレッディーノへと向かう事となった。
冒険者は冒険者として登録すると最初の目的地が登録した場所になる。
そしてある一定以上の実力を証明するとギルド側から次の目的地行きを指定される。
そうやってどんどん進んでいき最後には冒険者ギルド本部が存在する国へと訪れる事となる。
最もそこまで辿り着くのが難しいのだが。
途中で挫折する者、途中で戦死する者、色々なハードルが立ちはだかる。
俺達は恐らくフレッディーノでSランクへと昇格することが出来れば冒険者ギルド本部がある国に行ける事となる。
冒険者ギルド本部でSランク冒険者としての実力を証明できれば晴れて貴族の仲間入りだ。
まあ俺達【ホワイトアリス】は貴族の地位を狙っていないのだけど。
「じゃあ今夜はAランク昇格も兼ねてパーティーだ！！」
「やったのじゃあああ！！ 沢山食べるのじゃあああ！！」
「食べてもいいぞ！！」
俺達は雑談を交わす。
そんな中背後から声を掛けられた。
「ら、ラーク。わ、私です。お、覚えていますよね？」
俺は聞き覚えがある声に反応して振り返る。
「イルーンか。何故ここに！？」
俺は俺を追放した【デビルメイデン】のメンバー、イルーンと再会した。
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