69話 ブルードラゴンを狩りました
俺達は早速伝説の武器職人エーティにドラゴンの素材を流用した武器を作ってもらうためドラゴン討伐に乗り出す。
しかしクエストボードの前で悩んでいた。
「どれがいいのじゃ?」
「ドラゴンにも勿論種類がある。Aランクの俺達でも討伐出来そうなのは比較的簡単なこれじゃないか?」
俺がクエストボードに貼られたあるクエストを指さす。
それは以下だ。
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ブルードラゴン討伐 金貨40枚
危険度★★★★★★★★★★
待遇 最強回復薬×5、強魔力回復剤×5、豪華馬車
依頼主 リリレット近郊村の村長
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ブルードラゴン。
そのドラゴンは身体があまり大きくはなく、全身が青いドラゴンだ。
個体数も多くA+ランクのモンスターだ。
俺達で狩れない事はないだろう。
「ブルードラゴンにしよう。これが一番簡単だろう」
「了解したのじゃ」
「じゃあ早速ブルードラゴン討伐するか」
『おお!!』
全員意見が一致した。
全員やる気に満ち溢れている。
一応セーブしておこう。
「セーブ」
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スロット1 ファイシード国冒険者ギルド
スロット2 ファイシード国食堂
スロット3 ファイシード国宿屋
スロット4 空き
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俺はスロット1に上書きセーブをした。
そして現在ブルードラゴン討伐に向けて豪華馬車で揺られている。
ラフレアが俺にもたれかかって寝ている。
相変わらず凄い眠るな。
もしかして魔力回復の為か?
「遂に私達もドラゴン討伐する位まで成り上がったのね!!」
「まだまだ冒険者としてはこれからだぞ」
「分かってるわよ。でも初期の私達には信じられない光景だから。ありがとうラーク!!」
「俺のお陰じゃないだろ。皆のお陰だろ」
「ううん。ラークがいなければ私達はあのままCランクで燻ってた。どこか冒険者として活動するのに恐怖を感じてた」
リアの言葉に寝ているラフレアと途中から加入したネールとナーフィ以外が力強く頷く。
ヴィクトリカとアリスが俺に向けて微笑む。
「じゃあもっと頑張らないとな。俺が全力でサポートしてやる!!」
「私達も今以上に頑張るから!!」
「妾もじゃ!!」
「私もです!!」
俺達は再び気合を入れる。
ここからまた一歩を踏み出すんだ。
常に今がスタートラインだから。
そんな事を豪華馬車の中で話していると御者の声が聞こえてきた。
「もうすぐリリレット山にご到着致します。降りる準備をお願いします」
「ああ了解した」
俺達は現在ブルードラゴンが生息するという場所リリレット山へと向かっている。
どうやらブルードラゴンがリリレット山にいるという目撃情報があったらしい。
子育てでもしているのだろうか?
それとも居心地がいいのだろうか?
俺はそんな事を考えながらリリレット山の前に到着した馬車から降りる。
魔笛を受け取って。
リリレット山。
そこはごく普通の山で整備された道も存在する山だ。
普段はゴブリンやオークなどしか生息していない山で、一般市民が山菜狩りなどをしている場合もある。
だが現在はブルードラゴンが目撃されたこともあってか山菜狩りなどが出来なくなっている。
そこでリリレット山近郊の村の村長が高額な報酬を払って冒険者ギルド側に依頼を出した。
「結構山頂まで簡単に行けそうね」
「そうだな。道も整備されてるしな。日が沈む前に登り切ろう」
「そうね」
俺はここで一旦セーブする事にした。
「セーブ」
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スロット1 リリレット山の前
スロット2 ファイシード国食堂
スロット3 ファイシード国宿屋
スロット4 空き
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俺はスロット1に上書きセーブをした。
俺達はリリレット山を登っていく。
道中ゴブリンやオークが多数出現する。
「はああああああっ!!」
「とりゃああああっ!!」
「うらあああああっ!!」
リアとヴィクトリカとネールがゴブリンやオークを倒していく。
だが徐々に山頂に付く前に疲労していく。
そこで俺は一つの考えが頭に浮かんだ。
それはスロット間のデータ共有で疲労度だけを取れないのかと。
そう思った時無機質で無感情な声が脳内に響いた。
『スロット間のデータ共有しますか?』
『スロット3のリア、ヴィクトリカ、ネールの疲労度をスロット1へとデータ共有したい』
『畏まりました。動作が完了いたしました』
俺が動作を完了させるとリア達の疲労度が嘘のように無くなった。
「あれ体が凄い軽い。さっきまで重かったのに。ラークのお陰ね!!」
「軽いのじゃ。サンキューなのじゃ!!」
「本当だ。軽い。凄い能力!!」
「まあでもこの能力普通のセーブ&ロードと違って魔力消費量が激しいからそう一日に何度もは使用できない。次からはヒーラーのアリスに頼もう」
俺の言葉の後に全員アリスを見る。
そしてアリスはカースケインを持ちながら「頑張ります!!」と言った。
その姿がとても可愛かった。
日が沈む前に何とかリリレット山頂に到着した。
そしてそこにはブルードラゴンが一体いた。
ドラゴンの中では体は大きくないが人間と比べるとかなり大きい。
そしてドラゴンの中には人間の言葉を話せる種類もいるがブルードラゴンは話せない。
「ラフレアバフを撒いてくれ」
「分かった」
ブルードラゴンがこちらに気づいて攻撃してくる。
青い炎のブレスを吐いて。
それを俺達は何とかギリギリで躱す。
「攻撃力アップ」
「防御力アップ」
「スピードアップ」
ラフレアがアタッカーだけでなく今回は全員にバフを撒く。
そしてアタッカーの三人がダイヤモンドの剣でブルードラゴンへと攻撃する。
しかしブルードラゴンは青い炎のブレスを横一直線上に吐く。
リア達は近づけなくなった。
「俺が何とかする」
魔力消費量は激しいが仕方ない。
ここはスロット間のデータ共有で乗り切ろう。
俺はサポート役だ。
アタッカーをサポートしないで、このパーティーをサポートしないでどうする。
「スロット1にスロット3のブルードラゴンがブレスを吐く前の状態だけを共有したい」
『畏まりました。動作が完了いたしました』
「はあはあ。流石にきついか」
俺はふらふらになりながら、冒険者ギルドで貰った強魔力回復剤を一本飲む。
そして魔力を回復する。
「行けリア、ヴィクトリカ、ネール。アリスも呪術カースアビスを頼む」
「オッケー」
「分かったのじゃ」
「行くよ」
「呪術カースアビス」
アリスが呪術カースアビスを使用する。
こちらも魔力消費量が激しくアリスは少しふらふらする。
それを俺は支えた。
ブルードラゴンは三十秒間呼吸が苦しくなり、動けなくなる。
その隙にアタッカー三人がダイヤモンドの剣で攻撃する。
幾らドラゴンと言えどもダイヤモンドの剣の攻撃は通るだろう。
「はああああああっ!!」
「とりゃああああっ!!」
「うらあああああっ!!」
三人の攻撃が見事ブルードラゴンに命中する。
そしてブルードラゴンは絶命した。
「やったああああ!!」
「やったのじゃああああああ!!」
「ふぁあああ、眠い」
「や、やりました。はあはあ」
「やったね!!」
「皆すっごーい!!」
「ふぅー無事に討伐出来たな」
アリスは強魔力回復剤を飲む。
無事に魔力を回復した。
しかし俺とアリスは能力が強力だが、その反面魔力消費量も激しい。
結構難しい問題だな。
ラフレアも一応強魔力回復剤を少しだけ飲んだ。
「さあブルードラゴン解体して帰るぞ」
「そうですね」
俺達はブルードラゴンを解体して無事に伝説の武器職人エーティの下まで持ち帰った。
俺達は今日初めてドラゴンを討伐した。
「セーブ」
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スロット1 ファイシード国鍛冶工房
スロット2 ファイシード国食堂
スロット3 ファイシード国宿屋
スロット4 空き
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俺はスロット1に上書きセーブをした。
どうやら普通のセーブ&ロードの魔力消費量と分裂とスロット間のデータ共有では大きく魔力消費量が違うらしい。
数字にすると体感的に以下だ。
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魔力を100とすると
セーブ&ロードは1
分裂30
スロット間のデータ共有50
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こんな所だろう。
ルーデイン公爵を数千回殺した時は魔力回復剤を大量に予め用意して飲んだからな。
使いすぎには注意しよう。
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