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65話 ルーデイン公爵に地獄を味わわせました

  ♦


 ルーデイン公爵は焦りに焦っていた。


 理由は冒険者ギルド本部に圧力をかけたつもりが全く効果が無く、おまけに犯人だと特定された。


 急いで逃走準備を図るが一時的にファイシード国は鎖国状態となった。


 理由はルーデイン公爵を逃がさないため。


 このファイシード国は結構大きい国なので鎖国しても暫くは自給自足でやっていけるのだ。


 つまり先手を打たれたのだ。



 「くそ、どうすれば!! 私の計画が台無しだ!! それどころかこの私が捕まる恐れが出てきているではないか!!」



 ルーデイン公爵は知恵を借りたく使用人を呼ぶ。


 しかし何故か使用人の姿が見当たらない。


 それどころか妻や娘の姿も。



 「くそ一体どうなっている!? まあいい!! 他の貴族に匿ってもらうか!!」



 ルーデイン公爵は他の貴族とも勿論交流がある。


 舞踏会などにも常に出席しコネを築き上げてきた。


 しかし他の貴族の下へ行くと追い返された。


 

 「何!? 匿えないだと!? どういうことだ。私は公爵だぞ!!」

 「悪いが無理だ。冒険者ギルド本部から通告が下った。匿えば貴族の地位が剥奪される。すまないな!!」

 「糞がああああああああ!! 私と貴族の地位どちらが大切だというのだ!!」

 「貴族の地位に決まっているだろう!! せめて見逃してやる。じゃあな!!」



 そう言って親身にしていた貴族に追い返された。


 ルーデイン公爵にはもう後ろ盾がない。


 そもそも自分が公爵であるから後ろ盾など必要ないと思っていたのだ。


 しかし現実は非情で残酷だ。



 「こうなったらお金で冒険者を雇うか!!」



 ルーデイン公爵は一度急ぎ屋敷へと戻る。


 お金なら大量にある。


 公爵だから当然ではある。


 急いで凄腕の冒険者を雇い逃げるのだ。


 そう思いお金を金庫から取り出していた時、鍵を掛けていた筈の屋敷の扉が壊された。



 「だ、誰だ!?」

 「全く面倒なことしやがって!!」

 「貴様一体!?」

 「冒険者ギルド本部の命令でお前を暗殺する!!」

 「な!?」

 


 ルーデイン公爵の顔が青ざめる。


 そしてルーデイン公爵は歯ぎしりをする。



 「ふざけるな!! 私は公爵だぞ!!」

 「公爵より冒険者ギルド本部の方が権力が上なんだよ。お前も知ってるだろうが!!」

 「妻と娘も殺す気か!?」

 「ああそれは安心しろ。使用人諸共事情を話して保護している!!」

 「じゃあ私も保護しろ!!」

 


 そんな意味不明な言葉にラークは呆れた様子を見せた。


 

     ♦


 俺は現在ルーデイン公爵の屋敷の中にいる。


 一番大きい屋敷だから直ぐに分かった。


 こいつのせいで多数の冒険者が殺された。


 こいつが変な企てをしなければそもそもこの悲劇は始まらなかった。


 何より許せないのは【ホワイトアリス】を狙ったことだ。


 絶対に許せない。


 楽には死なせない。



 「セーブ」

 「何を言っている!?」

 「さあな!!」



 =========================


 スロット1 ファイシード国ルーデイン公爵の屋敷


 スロット2 ファイシード国食堂


 スロット3 ファイシード国宿屋


 スロット4 空き


 =========================



 俺はスロット1に上書きセーブをした。


 さあ地獄を見せてやる。



 「ま、待て。こ、殺す必要はないだろう。そ、そうだお前たちを金で雇ってやる。見たところ貧相な装備をしているな。私ならSランクまで昇格させてやれるぞ!!」

 「頭悪いのかお前? 冒険者ギルド本部の依頼によりお前の暗殺命令が下ってるんだ。お前に付く筈ないだろうが!!」

 「私は公爵だぞ!! 公爵を殺せばこの国に混乱が起きるぞ!!」

 「たった一人の公爵を殺したぐらいでこの国は揺らがないさ。それよりお前が殺した冒険者達の方がこの国に損害を与えているんだよ!!」

 「ぐっ……」



 ルーデイン公爵は横にあった銀の剣を持つ。


 だが手も足も震えていて見事なまでに無様だ。



 「地獄を見せてやる!!」

 


 俺はネールから予め借りていたダイヤモンドの剣で、恐怖で震えているルーデイン公爵の銀の剣を叩き落とす。


 銀の剣は床へと突き刺さった。


 それを見たルーデイン公爵は驚き怯えその場に座り込む。



 「セーブ」



 =========================


 スロット1 ファイシード国ルーデイン公爵の屋敷


 スロット2 ファイシード国食堂


 スロット3 ファイシード国宿屋


 スロット4 空き


 =========================


 

 俺はスロット1に上書きセーブをした。



 「く、くそうううううううううう!! せ、せめて命だけはあああああああああああああ」

 「先ず一回目だ!!」

 「な!?」



 俺はダイヤモンドの剣でルーデイン公爵の首を刎ねた。


 そしてルーデイン公爵は死亡した。


 だが俺は次の瞬間こう詠唱した。



 「ロード」



 俺はスロット1へとロードした。


 その際ルーデイン公爵も共に。



 「な!? 何が起きて。わ、私は首を切られたはず!?」

 「数千回殺してやるよ!! お前が数千名の冒険者を殺すよう指示したように!!」

 「や、やめろおおおおおおおおおおおおおおお!! もうさっきの痛みはごめんだあああああああああああ!!」

 「二回目!!」

 「この外道があああああああああああああああ!!」

 「俺の大切な仲間に手を出そうとしたんだ。これくらい当然だ!!」

 「ま、まて。や、やめてくれええええええ!!」



 俺はもう一度首を刎ねた。


 それを数千回行った。


 正直やりすぎかもしれないと第三者が見たら言うだろう。


 だがこいつにはこれくらいの報いは受けて当然だ。


 これから冒険者になろうとしてる奴らを委縮させ、未来の芽を摘み取ったのだから。



 「う、うっ。あ、ああっ」



 もう精神が崩壊したようだ。


 じゃあ殺すか。



 「じゃあなルーデイン公爵!!」

 「あ、ううっ。おおぅ!!」



 俺は今度こそやり直さずルーデイン公爵を殺した。


 終わったな。魔力が殆ど底を尽きた。


 俺は魔力回復剤を飲んだ。


 これ結構いい値段するんだよな。



 「さあ帰ろうかな!!」



 俺はルーデイン公爵の首を持って冒険者ギルド支部へと向かった。



 「ほら首だ!!」

 「ご苦労様です。報酬は決めていませんでしたね? 何がいいですか?」

 


 俺達は報酬について話し合う。


 そして全員一致で結論が出た。



 『じゃあAランクに昇格で!!』



 俺達は声を合わせて言った。



 「分かりました。冒険者ギルド本部に要望をお伝えします!! 少々お待ちを!!」



 何やら魔法石のような物で通信している。


 確かあれはかなりの高額のアイテム。



 「ホワイトアリス様のAランク昇格が認められました!! では本日付けよりホワイトアリス様はAランクとなります!!」

 「ありがとう!!」



 俺達は大きく喜んだ。


 遂に俺達はAランクパーティーまで上り詰めたのだ。



 「今回の件本当にありがとうございました!! きっと貴方達はこの国の英雄となる事でしょう!!」

 「いやそれは大袈裟な!!」

 「いえ、ファイシード国の危機を救ったのですから!!」

 「英雄扱いは慣れてない!!」

 「これからも頑張ってください!!」



 受付嬢は珍しく笑った。


 可愛いと思ってしまった。


 しかし英雄か。


 ランシード王国でも英雄扱いになってたよな。


 【ホワイトアリス】も少しずつ有名になって来たな。


 さあセーブしよう。



 「セーブ」



 =========================


 スロット1 ファイシード国冒険者ギルド


 スロット2 ファイシード国食堂


 スロット3 ファイシード国宿屋


 スロット4 空き


 =========================



 俺はスロット1に上書きセーブをした。



 「じゃあ宿屋に戻るか。疲れたしな!!」

 「そうですね。戻りましょう!!」

 「腹が減ったのじゃあ!!」

 「私もお腹すいた!!」

 「私は眠い!!」

 「私も眠い!!」

 「おっなかすいたよー!!」

 「何か買って帰るか!!」



 俺達は露天商の食料市場でホットドッグとジュースを購入して宿屋へと戻った。


 俺達【ホワイトアリス】はこの日重大なクエストを無事に達成した。


 そしてファイシード国の英雄となった。


 だがまだここでの冒険は終わらない。

※最後までお読みいただいてありがとうございます!

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 是非是非この作者と作品を宜しくおねがいしますm(_ _)m

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お読みいただき有難うございます!
《ラプラスの悪魔》で世界最強の英雄へ〜「未来予知? 偶然だろ」と言われ追放されたのにすぐに戻ってきてくれ? 破滅の未来が見えるのでお断りです因みに俺の未来は幸せが確定しています~
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― 新着の感想 ―
[一言] 一回首飛ばすのに一分として 千回殺すだけで16時間以上かかるんだが 主人公君暇なの?(笑)
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