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64話 アイアンブリザードを容赦なく殺しました

 俺達は現在冒険者狩りの事態を重く受け止めて警戒態勢を取っている。


 十日と少しが経過して数千名の冒険者が殺されたと報告を受けた。


 僅か十日と少しで数千名、正確には二千名弱が殺されているらしい。


 これだけの数を殺すには相当な実力者ではないと無理だ。


 俺達は冒険者狩りの犯人がSランク冒険者だと勝手に思い込んでいた。



 そんなある日受付嬢から重要な話があると言われ、奥の客間に招待される。



 「重要な話とは?」

 「ホワイトアリス様に冒険者ギルド本部から依頼が舞い込みました」

 「本部から!?」



 俺達は凄く驚いた。


 まさか冒険者ギルド本部側から依頼が舞い込むとは。


 しかもBランクの俺達【ホワイトアリス】に。



 「依頼内容は?」

 「ご察しだとは思いますが依頼内容は冒険者狩りの犯人の捕縛或いは殺害です」

 「犯人が分かってるのか!?」

 「はい。調査した結果判明いたしました。犯行に及んでいる冒険者はアイアンブリザードと呼ばれるAランクパーティーです」

 


 【アイアンブリザード】か。


 聞いたことがないな。


 しかしAランクだったとは。


 Sランクではなかったのか。



 「新米冒険者やCランク~Bランク冒険者ばかりを狙っている犯人グループです。既に被害は二千名弱に上ります」

 「分かってる。そいつらを捕縛或いは殺害すればいいんだな?」

 「はい。そしてもう一つ」

 「もう一つ? バックについている奴か?」

 「察しがよいですね。その通りでアイアンブリザードに依頼したルーデイン公爵と呼ばれる貴族がいます。そちらの殺害を依頼します」

 「殺害? 捕縛ではなく?」

 「はい。冒険者ギルド本部からは暗殺の依頼内容になっております」

 「分かった。受注する!!」

 「了解しました。では手続き完了と致しますのでよろしくお願いします!!」

 「ああ」



 俺達はこの日重大な任務を請け負った。


 その内容は冒険者狩りを行っているAランクパーティー【アイアンブリザード】の捕縛或いは殺害。


 そしてその【アイアンブリザード】に冒険者狩りを依頼した貴族ルーデイン公爵の殺害。


 この重要な二つのクエストを冒険者本部より直々に依頼された。


 何故俺達なのかは不明だがここは昇格できるチャンスでもある。


 それに野放しには出来ないからな。



 俺達は一旦宿屋へと戻る。


 そして一応セーブをする。



 「セーブ」



 =========================


 スロット1 ファイシード国宿屋


 スロット2 ファイシード国宿屋


 スロット3 ファイシード国宿屋


 スロット4 空き


 =========================



 俺はスロット1に上書きセーブをした。


 これでいつでもやり直せる。



 「そのアイアンブリザードってこの国に滞在しているのよね?」

 「いるだろうな。何せここの国の冒険者ギルドに登録されている冒険者が次々と殺されているのだから」

 「じゃあ案外近くにいるかもしれないわね!!」

 「そうだな。だが危なくなったらやり直せる。取り敢えずクエスト達成しよう!!」

 「ええ、そうね!!」



 俺達は【アイアンブリザード】の手掛かりを探るべく聞き込みを開始する。


 個人行動は危険なため全員で動いている。



 「アイアンブリザードは知らないな。でも俺のダチが近くの森の中で光を見たって言ってたぜ。まあそれがそのアイアンブリザードと関係あるかは知らないが!!」

 「そうか教えてくれてありがとう。時間を取らせたな」

 「いやいいって。それより冒険者のお前たちは気を付けろよ。冒険者狩りが凄い頻繁に行われてるそうだからな!!」

 「ああ用心する。心配してくれてありがとう!!」



 俺達はその後も色々聞き込みするが決定的な目撃情報が得られない。


 お腹がすいたというヴィクトリカとナーフィの為パンを購入する。



 「しかし、ぜ、全然、も、目撃……」

 「食べ終わってから話そうな!!」

 


 俺がそう言うとヴィクトリカがゴクンと喉を鳴らしてパンを飲み込む。


 そして話し出す。



 「しかし全然目撃情報がないのう。困ったのう!!」 

 「うーん確かに困ったな。ネールどうだ?」

 


 俺は耳がいいネールに聞く。


 ネールはフードを被りつつ耳を澄ましている。



 「全然ダメ。周囲には怪しい音はないよ」

 「そうか。さてどうするか?」



 そう呟いた時誰かに声を掛けられた。


 

 「あのうホワイトアリスですか?」

 「そうだけど何か?」

 「あちらの食堂でホワイトアリスを呼んでいる冒険者がいらっしゃいますが!!」

 「何!?」

 「伝えてくれと言われて!!」

 「分かったありがとう!!」



 成程ね。


 【アイアンブリザード】の次の標的は俺達か。


 どうやら真正面から戦うだけがあいつらの手という訳では無さそうだ。


 一応セーブしておくか。



 「セーブ」



 =========================


 スロット1 ファイシード国宿屋


 スロット2 ファイシード国市民街


 スロット3 ファイシード国宿屋


 スロット4 空き


 =========================



 俺はスロット2に上書きセーブをした。



 そして俺達を呼んでいる冒険者がいる食堂へと向かった。


 そこには四人組の男がいた。



 「やあ君たちがホワイトアリスだね。親睦を深めたいと思ってさ!!」

 「何故俺達と?」

 「最近冒険者狩りが頻繁に行われているだろ。その中でも生き残っている君たちに興味があってね!!」

 


 男たちはリア達をジロジロと見ている。


 リア達は不快感を感じたのか俺の背後に隠れる。



 「そんな警戒しなくてもいいだろ? 取り敢えず飲み物でも飲んで」

 「ああ」



 命がけだが確かめてやる。


 もし俺の推察が当たっているとしたら、この飲み物の中には毒が。


 他の仲間に苦しい思いをさせるわけにはいかない。


 いくらやり直せると言ってもだ。


 そんな緊張の中俺は飲み物に手を付けようとする。


 そんな時俺の脳内に無機質で感情がない声が響き渡る。



 『セーブ&ロードの能力の追加事項です。本人に命の危険が加わった時自動ロードとなります。ご了承下さい』

 『相変わらずタイミングがいいな。助かった!!』

 


 俺はわざと緊張しながら飲み物に手を付ける。


 そして一気に飲み干した。


 それを見た男たちはニヤニヤと笑った。


 俺は直後すぐにむせ返り苦しんだ。



 「がはっ、ごほっ」

 「残念だったな。ホワイトアリス。男は要らねえんだよ!!」

 「ぐはっ、ごぼっ」

 「はははっ、死ね」

 「ざ、残念はお、お前だ!!」



 直後俺は死ぬ間際に自動ロードした。



 「ふぅー苦しかった。危なかった!!」



 俺の言葉を聞いた仲間たちが全員涙目で俺を抱きしめる。


 そして俺に説教した。



 「ホワイトアリスのリーダーとして代表で説教します。自分だけ命がけは許しません。私達は大切な仲間なんですから!!」

 「そうよ全く!!」

 「そうじゃそうじゃ!!」

 「馬鹿。心配したわ!!」

 「心配したよ!!」

 「もう一時はどうなるかと思ったんだからね!!」

 「悪い。次からはちゃんと事前に話す!!」

 「約束ですよ!!」

 「あ、ああ!!」



 どうやらかなり心配させてしまったようだ。


 そこはしっかり反省しないとな。


 しかしまさか仲間に毒を飲ませるわけにも行かなかったし、確かめるには俺しかいなかったわけだが。



 「まあ、だがこれであいつらがアイアンブリザードだと確信した。飲み物に毒を入れたんだ。標的は俺達だ!!」

 「そうね絶対に許せない。殺すわ!!」

 


 しかも狙いは恐らくリア達女だ。


 男の俺を排除した後、犯そうとしたに違いない。


 全く屑で下種な野郎どもだ。



 俺達はもう一度食堂へと向かった。



 「そんな警戒しなくてもいいだろ? 取り敢えず飲み物でも飲んで」

 「毒が入った飲み物を差し出しといて、警戒しないでくれは難しいな!!」

 「な!?」

 「その飲み物毒が入ってるんだろ。なあアイアンブリザード!!」

 「貴様、知っていたのか!?」

 「まあ飲んだからな!!」

 「何を言っている貴様!?」

 「いや、まあこちらの話だ。冒険者狩りの犯人として殺させてもらう!!」

 「ちっ!!」



 俺達の前から距離を取るディーン達。


 そして食堂で戦闘準備に入る。



 「リア、ヴィクトリカ、ネール。一撃でいい致命傷を負わせてくれ!! 俺が分裂させる!!」

 「了解したわ!!」

 「オッケーなのじゃ!!」

 「分かった!!」

 「ラフレアはバフを撒いてくれ!!」



 ラフレアは力強く頷いて詠唱する。



 「攻撃力アップ」

 「防御力アップ」

 「スピードアップ」



 ラフレアの方が相手のバッファーより詠唱速度と魔法発動時間が速かった。


 その為相手は戦闘準備に完全に入る前にリア達の攻撃を受ける。



 「はああああああああっ!! 許さない!!」

 「とりゃああああああっ!! 許さぬのじゃ!!」

 「うらあああああああっ!! 絶対に許さない!!」

 「く、くそ!!」



 ディーン達は回避できず一撃致命傷貰う。


 ディーン達は腹部に致命傷を貰った。



 「ぐわああああああああああああああああああっ!! 貴様らあああああああああああああ!!」

 


 ヒーラーのガンドーンがすぐさま回復を試みようとする。


 だが俺はそれをさせない。


 その前に殺す。



 「セーブ×2」

 『現在セーブしています。セーブした状態のどこを分裂させますか?』

 「腹部の致命傷だ」

 『了解しました。ディーンの腹部の致命傷を分裂させます』

 


 ディーンは只でさえ致命傷を貰っていたのにそれが二か所となり最早虫の息寸前だった。


 更に俺はディーン以外にもその致命傷を分裂させる。



 「セーブ×2」

 『どこを誰に分裂させますか?』

 「ディーンの致命傷をガンドーンに」

 『了解しました。ガンドーンの腹部に致命傷を分裂させます』



 ガンドーンはディーンを治療しようとした瞬間、突如致命傷を負い吐血する。


 そして巨体の男が倒れる。



 「うわあああああああああああああああああ!!」

 「うわあああああああああああああああああ!!」



 グラージュとボーボルが命の危機を感じてか逃げ出そうとする。


 だが俺は直ぐにセーブ×2で二人に分裂させた。



 グラージュとボーボルが致命傷を負い動けなくなる。


 全員虫の息である。



 「残念だったな。ルーデイン公爵の居場所はどこだ!!」

 「はあはあ。がはっ、や、屋敷だ。ここらで一番大きい。だから助けてくれ!!」

 「そうか。じゃあ死ね!!」

 「やめろおおおおおおおおおお!!」



 俺は泣きじゃくるディーンをネールから借りたダイヤモンドの剣で殺す。


 そしてグラージュ、ボーボル、ガンドーンも容赦なく殺す。


 死ね屑が。



 「こちらで片づけておきますのでルーデイン公爵をお願いします!!」

 「ああ任せろ!!」



 俺は魔力回復剤を二本飲んでから全員でルーデイン公爵の下まで向かう。


 一応セーブしておこう。



 「セーブ」



 =========================


 スロット1 ファイシード国宿屋


 スロット2 ファイシード国食堂


 スロット3 ファイシード国宿屋


 スロット4 空き


 =========================



 俺はスロット2に上書きセーブをした。



 そしてルーデイン公爵の下へと向かった。

※最後までお読みいただいてありがとうございます!

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《ラプラスの悪魔》で世界最強の英雄へ〜「未来予知? 偶然だろ」と言われ追放されたのにすぐに戻ってきてくれ? 破滅の未来が見えるのでお断りです因みに俺の未来は幸せが確定しています~
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