57話 ダークゴブリンを討伐しました
俺達は馬車で揺られてダークゴブリンが出現したと言われる場所まで向かう。
ファイシード国の近隣の森の中に生息している。
最近、商人などが襲われたり、散歩している家族などが襲われたりしている。
ダークゴブリンは普通のゴブリンと違い気性も荒く、結構危険なモンスターだ。
闇属性の攻撃を繰り出してくる。
「何か誰かに付けられておる気がするのじゃ!!」
「ヴィクトリカの第六感がそういうなら確信してもいいな」
「どうするのじゃ?」
「取り敢えずは気づいていないふりで行動しよう。危険が及ぶ可能性が出てきたら俺がロードする」
「了解なのじゃ!!」
しかし誰が付けて来てるんだ?
俺達に恨みを持つ人物なんていたか?
うーん? いないよな。
「後ろ見て!! 馬車が一定の距離を保って走ってるわ!!」
「恐らく付けて来てるんだ。気づかれてないとでも思ってるのか? それともわざと気づかせるように?」
「敵だったら厄介ね!!」
「まあ危なくなったらロードだな」
「頼んだわ!!」
「任せろ!!」
俺達は馬車でダークゴブリンがいる森へと向かう。
こんな状況なのにラフレアは寝ている。
ナーフィは楽しそうに窓を見ている。
危機感を少しは持て。
そう俺は内心突っ込んだ。
「ご到着致しました。魔笛を」
「ああ、ありがとう。それと後ろの馬車は知り合いか?」
「いえ存じ上げません」
「そうか分かった」
「確認いたしますか?」
「いや、いい。送ってくれて感謝する」
俺達は馬車から降りる。
ラフレアが大きな欠伸をしている。
気づかないふりをしてダークゴブリンがいる森の中へと入った。
森へ入ると同時に俺の脳内に無機質で感情が無い声が響き渡る。
『スロットが拡張されました。スロット4を追加します』
この場面で!?
正直スロット拡張はありがたいんだけどそれよりロード時間やもっとこう別の進化をだな。
そんな贅沢な悩みを抱えていた。
まあ一応セーブしとくか。
「セーブ」
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スロット1 ファイシード国冒険者ギルド
スロット2 ファイシード国宿屋
スロット3 ファイシード近隣の森の中
スロット4 空き
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俺はスロット3に上書きセーブをした。
スロット4は空けておこう。
万が一の為にだ。
俺達が森の中へ入ると、少し遠くから付けてくる足音をネールが感知した。
ネールは猫人族だ。
耳は凄くいい。
「完全に後を付けてるよ。どうする?」
「放っておこう。敵意を感じた瞬間戦闘態勢に入る。それで危険になるならロードでやり直す」
「分かった。じゃあ行こうか!!」
「ああ」
俺達は森の中枢へと入っていく。
整備された道があり、散歩コースのようなものがある。
ダークゴブリンはここら辺にいるだろうな。
その時だった。
「グガアアアアアアアアアアアアア」
ダークゴブリンが敵意を剥き出しにして襲ってくる。
俺は咄嗟に持っていた短剣グラディウスを投げつけた。
「グガアッ」
ダークゴブリンは俺の投げた短剣グラディウスを右手で防いだ。
右手に傷を負わせることには成功した。
「ラフレアバフを頼む。アリスは今は何もしなくていい!!」
「分かった!!」
「分かりました!!」
アリスの呪術カースアビスは付けて来てる背後の奴らに使いたい。
ダークゴブリンは中々手強いモンスターだが決して勝てないモンスターではない。
「攻撃力アップ」
「防御力アップ」
「スピードアップ」
アタッカーのリアとヴィクトリカとネールがバフの恩恵を受ける。
「リア、ヴィクトリカ、ネール頼んだ!!」
「オッケー!!」
「任せるのじゃ!!」
「うん!!」
リアがダークゴブリンの視線誘導役を買う。
リアの素早い動きに釣られてダークゴブリンは目を回す。
少しふらふらしているダークゴブリンに向かってヴィクトリカとネールが攻撃する。
「とりゃあああああっ!!」
「はあああああああっ!!」
ヴィクトリカの銀の剣での攻撃と、ネールのダイヤモンドの剣での攻撃がダークゴブリンに直撃する。
ダークゴブリンは深手を負って動けなくなる。
「止めよ!!」
リアがダークゴブリンの首を銀の剣で刎ねた。
無事にダークゴブリンを討伐した。
「セーブ」
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スロット1 ファイシード国冒険者ギルド
スロット2 ファイシード国宿屋
スロット3 ファイシード近隣の森の中
スロット4 空き
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俺はスロット3に上書きセーブをした。
「やったな!! リアもヴィクトリカもラフレアもネールもお疲れ!!」
「私達着実に強くなってるわね!!」
「強くなってるのじゃ!!」
「うん、強くなってる!!」
「強くなってる。本当に成長してる!!」
俺は全員の頭を撫でた。
皆嬉しそうにしていた。
そして俺は大きな声で口を開く。
「出て来いよコソコソと隠れてないで。とっくに気づいてるぞ!!」
俺の言葉が森の中に響き渡る。
俺の背後に全員移動して戦闘態勢を取る。
「なーんだ。気づかれていたんだ。無能の癖して凄いじゃん!!」
「お前あの時の!?」
「そうだよ。僕はリミットギアのパーティーリーダーライデルさ。君の仲間の美少女達を貰いに来た!!」
「は!? 渡すわけねえだろ!! 帰れ!!」
「それは無理な相談だ。僕に口答えした女は犯すと決めている。それにこんな上玉の集まり君みたいな無能には勿体ない!! 僕が貰い受けよう!!」
「話が通じない相手だ!! 悪いがそっちがその気なら殺すぞ!!」
「出来るかな無能な君なんかに!!」
ライデルはニヤニヤと俺に向かって笑う。
更に【リミットギア】の他のパーティーメンバーがニヤニヤと下卑た笑いを浮かべながら戦闘態勢を取る。
さてどうするか。
「今なら君だけを見逃してあげるよラーク!!」
「悪いが仲間を放置して逃げる気はない。残念だったな!!」
「君は戦闘タイプじゃないだろ? さっきの戦いで見ていたよ!!」
「さあどうかな?」
「ハッタリが!!」
俺達【ホワイトアリス】は屑な連中【リミットギア】と戦う事になった。
そして今日ここで俺は覚醒する。
そして同時に【リミットギア】のメンバーは全員屈辱を受ける事となる。
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