55話 ホワイトアリス見下される
料理大会終幕後、色々なクエストを受注しクリアした。
緊急クエストも無事にクリアしたことで【ホワイトアリス】の評判は上がっていく。
色々なクエストの内容は以下だ。
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ゴブリン討伐。
オーク討伐。
強盗団捕縛。
山賊討伐。
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まあ簡単なクエストの積み重ねだがデイル冒険者ギルド支部に実力を認められるには十分だった。
「ホワイトアリス様はデイル冒険者ギルド支部で十分な実力を証明しました。よって次の目的地へと向かって貰います」
「次は何処だ?」
「ここから西にある国ファイシード国に向かって貰います」
「ファイシード国か。分かった」
「貴族が多数住んでいらしている国ですのでお気を付けを」
「それは差別される可能性があると?」
「差別というか見下される可能性が高いかと。まあ頑張ってください」
貴族が多い国ねえ。
リンリン卿みたいないい貴族なら全然いいが、大抵はリーシテン卿のようなろくでもない貴族だからな。
自分たちの地位に胡坐をかいたろくでもない連中だ。
俺達はデイルでの冒険を終えて次の行先に向かう。
ヴィクトリカが大量にお土産を買う。
全く食べきれるのか?
まあ後にそれは無用の心配だと知った。
馬車に揺られて俺達はファイシード国へ向かう。
ラフレアは俺の肩にもたれかかり寝息を立てて寝ている。
温泉の事もあってか凄く意識してしまう。
「美味しいのじゃ!! デイルは最高じゃったのう!!」
「お腹壊すなよ!!」
「壊さぬのじゃ。もう食べ終わってしまうのじゃ!!」
「凄いな」
「美味しいからのう!!」
「そ、そうだな」
流石ヴィクトリカ。
あれだけ買いこんだ食べ物を僅か十分ほどで平らげる。
それでいてちゃんと味わって食べている。
そして何より太らない。
その栄養はカロリーは全て胸に行っているのか?
そうに違いない。
俺は勝手にそう納得した。
「それでファイシード国って行ったことあるの?」
「ないな。でも結構大きな国だ。その証拠に貴族が多数住んでいる」
「また面倒な予感が」
「貴族からの依頼は関わらないようにすれば問題ないだろう」
「そうだといいけど」
「少し休んでおくか」
「そうね」
俺達は馬車の中で少しだけ休む。
到着するまであと一時間以上は掛かるからな。
俺の肩に止まって寝ているナーフィ。
俺の両側にもたれ掛かるラフレアとアリス。
ああかなり幸せだ。
俺はそのまま寝た。
「到着致しました。長旅お疲れ様でした」
俺は御者の声で起きる。
アリスだけは起きていた。
「悪い寝ていた。ありがとう」
「いえ、これが私の仕事ですので」
「御苦労だった」
「貴方達にご多幸あれ!!」
「ありがとう」
俺とアリスは全員を起こして馬車から降りる。
遂に到着したファイシード国。
ここに王はいない。皇帝もいない。
ここの国は貴族の集まりが国の全権を握っている。
つまり多数の貴族によって統治されている。
国壁が凄く大きい。
外側からでは壁に囲まれて内側が見えない。
防壁が俺達の前に立ちはだかっている。
「魔法結界も張られていますね」
「ああ。想像以上に大きく、防備が備わっているな」
「冒険者も多数いるのでしょうか?」
「これだけ大きければいるだろうな。まあ取り敢えず入国しよう」
「はい」
俺達はファイシード国へと入国する為検問所で厳しいチェックを受ける。
それと同時に冒険者かどうかの確認が行われる。
「よしホワイトアリスだな。通れ」
「感謝する」
「ここは貴族の集まりだ。くれぐれも無礼な真似はするなよ」
「了解した」
俺達はファイシード国へと無事に入国した。
そして中に入るとかなりの人々で賑わっていた。
建築物の類もずらーっと隙間なく建てられている。
凄い大国だな。
受付嬢ももっと詳しく説明しておいてくれ。
そう俺は内心突っ込んだ。
「何か買うのじゃ!!」
「駄目だ。先ずは宿をとる!!」
「ううっ。仕方ないな!!」
「よし行くぞ!!」
俺達はお金に余裕があったので少し豪華な宿屋を借りる。
一室で十分な広さの宿屋を借りた。
「セーブ」
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スロット1 デイルの宿
スロット2 ファイシード国宿屋
スロット3 空き
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俺はスロット2に上書きセーブをした。
よしこれで大丈夫だろう。
「ふかふかなベッドなのじゃあ!!」
「本当ですね、ふかふかです!!」
ヴィクトリカとアリスがふかふかなベッドで跳ねて遊んでいる。
全く可愛いな。
「遊んでないで冒険者ギルドに行くぞ!! 誰か一緒に行く人?」
「あ、じゃあ私が行くわ!!」
「わったしもー!!」
「じゃあリアとナーフィだな。それ以外は宿屋にいるように、いいな!!」
俺の言葉に『はーい』と全員答えた。
早速ラフレアは寝ている。
本当によく寝るなラフレアは。
俺達は宿屋で借りた部屋の鍵をかって冒険者ギルドへと向かう。
凄い人々が歩いている。
時には走っている。
表面上は素晴らしい国に思えるが、俺の直感が闇が深いと判断した。
「ホワイトアリス様ですね。登録致しました」
「ありがとう」
俺は一旦ファイシード国冒険者ギルド支部で登録を行った。
これでクエスト受注できる。
「今日は一旦帰るか」
「そうね」
「はーい」
俺達が帰ろうとしたその時、誰かにぶつかられた。
「ああ悪い悪い。何ていうパーティー?」
「は!?」
「だから何て言うパーティーか聞いてるんだけど?」
「ホワイトアリスだけど。それが何か?」
わざとぶつかってきたであろう男が俺達のパーティーを聞いて大笑いする。
「はははっ、聞いたことないパーティーだね。ランクは何かな?」
「Bランクだが」
「はははっ。Bランク、程度が知れるね。僕たちのパーティーリミットギアはAランクさ。それも限りなくSランクに近いね」
「だから何だ? 俺達には関係ない」
「君デビルメイデンにいたラークだろ? あの無能の!!」
ああ成程俺を知っていたのか。
だからわざとぶつかって見下して。
「もうデビルメイデンではない」
「知ってるよ。追放されたんだろ!! 無能の君らしい。はははっ!!」
俺達が無視して行こうとすると俺の腕を引っ張った。
「そこの彼女たち。どうかな僕らのパーティーに加入しないか? 美少女大歓迎。そんな無能がリーダーのパーティーはやめた方がいい!!」
「黙りなさい。ラークの何が分かるの?」
「おお怖い怖い。そんなに睨まないでくれ。僕はただ見下しているにすぎないんだから」
「二度と私達に近づかないで!!」
リアがそう言って俺の腕を引っ張り冒険者ギルドを出ていく。
凄くリアは苛立っていた。
最後に俺は大きな声で俺達を煽る醜い男にこう言った。
「リーダーは俺じゃない。仲間を侮辱するなよ!!」
そう言って俺達は宿屋へと戻った。
宿屋でリアとナーフィが凄く苛立っている。
それに話を聞いた皆も苛立っていた。
「まあああいう輩はいるからな。気にしてたらきりがない」
「そうだけどラークを馬鹿にして腹が立つ。ラークは本当は凄いんだから!!」
リアの言葉に皆が力強く頷いた。
嬉しいんだが何か照れるな。
「まあ今日は休息日として明日から気を取り直してクエストガンガン受注しよう!!」
「そうね。あいつらなんか忘れましょう!!」
「そうだ。それがいい」
俺達はファイシード国へと入国した。
今新たな冒険が始まる。
念のためセーブしておこう。
「セーブ」
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スロット1 デイルの宿
スロット2 ファイシード国宿屋
スロット3 空き
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俺はスロット2へ上書きセーブをした。
その後俺達は一日中宿屋で雑談していた。
何故かいつもより俺に対するスキンシップが激しいのだが。
気のせいだろうか?
夜中ふかふかなベッドで全員で寝た。
俺はリアにぎゅーっと抱きしめられた。
胸が当たってドキドキする。
「ら、ラークは凄いんだから!!」
リアは寝言でそう言った。
俺は嬉しくてリアの紫色の綺麗な髪を撫でた。
「ありがとうリア。皆も」
俺はそう言って眠りにつく。
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