28話 祝勝会をあげました
魔獣ブラックウルフ討伐に成功した俺達は冒険者ギルドの受付嬢から有難い言葉を貰う。
「ホワイトアリス様はこの度魔獣ブラックウルフ討伐クエストを受注し見事達成いたしました。これにより先ずは報酬の金貨七枚をお受け取りください」
「ありがとう」
俺達は魔獣ブラックウルフ討伐のクエスト達成報酬として金貨七枚を頂戴する。
そして更に受付嬢の言葉は続いた。
「これによりエルン冒険者ギルド支部でのホワイトアリス様の実力は証明されましたので、次の場所に休息を終え次第向かってください」
「もう向かっていいのか!?」
「はい。こちらとしましても厄介であった魔獣ブラックウルフを討伐してもらったお陰で大助かりです。ホワイトアリス様なら次の場所でも十分やっていけるでしょう」
俺達は顔を見合わせハイタッチをして喜んだ。
Bランクまでもう少しかもしれないな。
「それで次の行先は?」
「次の行先はランシード王国でございます。ここより更に北へ三十キロ程度と少し距離があります。馬車をこちらでご用意いたしましょう」
「ランシード王国!?」
「何か不都合がおありでしょうか?」
「いや無い大丈夫だ」
「それでは休息後にもう一度冒険者ギルドに赴いてください。馬車の用意をしておきます」
「ありがとう」
ランシード王国か。
あそこにいる王族は正直好きになれない。
【デビルメイデン】時代にランシード王家に酷い罵倒を受けたからな。
正直関わりあいたくないのだが。
まあ仕方ないか冒険者ギルド側に決める権利があるのだから。
「ランシード王国で何かあったの?」
「あそこの王家に酷い罵倒を受けた。ランシード王家は国民や冒険者を見下している。その癖他の王族には媚びへつらっている」
「長いものに巻かれろの精神ね」
「ああ。正直関わりあいたくなかったんだがな」
「まあ何かあれば私達に任せなさい。ちゃちゃっと王家でも何でも倒して見せるわ」
「そりゃ頼もしいな」
まあ今は【ホワイトアリス】で幸せだし、王家と直接関わる事はないだろうから気にしないようにしよう。
もし何か仲間に手を出そうとするなら俺が殺してやる。
王族や貴族でも容赦はしない。
俺は【ホワイトアリス】のメンバーが大好きだからな。
「じゃあ祝勝会でもして今日一日休息取って明日出発しよう」
「オッケー」
「沢山食べるのじゃあ」
「私も喉渇いた」
「じゃあ食堂で祝勝会を開きましょうか」
「じゃあ行くか」
俺達は祝勝会の為食堂へと赴いた。
食堂で豪華な食事を頼む。
飲み物と合わせて全てで銀貨6枚使った。
頼んだ物はオレンジジュース四つと、豪華肉盛りセット。
それからシーフードライスを頼んだ。
海の幸を輸入したようだ。
「じゃあ魔獣ブラックウルフ討伐達成と新たな一歩を踏み出した記念にかんぱーい」
『かんぱーい』
俺はオレンジジュースを飲む。
俺は甘いものが実は好きなのだ。
だからジュースを頼んだ。
「美味しいのじゃ。これも食べてよいか」
「ちょっと落ち着きなさいよ。いっぱいあるでしょ」
「そう言って妾の分を取ろうという作戦じゃな。見透かしておるぞ」
「そんな事する筈ないでしょ。落ち着いて食べなさい」
ははっ。相変わらず仲がいいな。
ヴィクトリカはよく食べる。
そう言えばこの四人はいつ頃から知り合ったのだろうか。
結成したのは二年前と聞いたが。
「仲が凄くいいがいつ頃から知り合ったんだ?」
「丁度ホワイトアリスを結成した二年前よ。偶然冒険者ギルドで知り合ったの」
「四人全員が? 凄い奇跡だな」
「冒険者新米だったからね。闇雲に仲間を探してたわけ」
「そうか。聞けて良かった」
「何? ラーク嫉妬した?」
「誰に嫉妬するんだよ。お前たちがいい出会いでよかった」
「私たちにとってはラークとの出会いも最高の出会いよ」
「それは嬉しいな」
俺は少し恥ずかしくなり誤魔化すようにオレンジジュースを飲んだ。
俺みたいに変な奴らのパーティーに加入しなくて本当に良かった。
これだけ美少女揃いなら数多から声を掛けられただろうに。
最初の出会いがこの四人だったのは本当に奇跡だな。
「このシーフードライス美味しいな」
「でしょ。私も思ってた」
「全部美味しいのじゃ」
「少しは味わいなさいよ。食べるの速いのよ」
「だって美味しすぎるからなのじゃ。仕方なかろう」
「もう口にご飯粒付けて」
ははっいいなこういうの。
人生で初めて味わった経験だ。
【デビルメイデン】では俺だけ残飯みたいなのしか食べさせて貰えなかったし、いつも俺は一人で食べていた。
こういうのは新鮮だな。
「リア、ヴィクトリカ、ラフレア、アリス。本当にありがとうな」
「何よ改まって」
「そうじゃぞ。堅苦しいぞ」
「そうよ。もう仲間でしょ」
「そうですよ私達は強い絆で結ばれた大切な仲間です」
「お前たちと出会えて俺は今凄く楽しくて幸せだ」
俺は満面の笑みで笑って見せた。
全員ニヤニヤと笑って俺にくっつく。
「ちょっ食事中だぞ。他に人がいるぞ」
「いいじゃない別に」
「そうじゃそうじゃ」
「はいアーン」
「ラークが大好きです」
俺は恥ずかしさの余りオレンジジュースを一気飲みした。
この日祝勝会で俺は本当の意味で人生において大切な物を手に入れた気がした。
【ホワイトアリス】最高。
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