表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/148

19話 貴族に殴られました

 エルンの宿屋で荷物を置いて一息つく。


 ふぅー流石に十五キロ歩いたせいで疲れたな。


 もうだいぶ日が沈んでいる。


 冒険者ギルドに行って登録だけ済ますか。



 「行くぞラフレア」

 「ふあああぁ」

 「眠いのは分かる。だが全員で行くぞ危険だからな」

 「分かってるわよ」

 「セーブ」

 


 俺はエルンの宿屋でセーブをして冒険者ギルドへと赴いた。


 エルン冒険者ギルド支部はアーレイ冒険者ギルド支部より広く飾りつけなども豪華だった。



 「受付嬢に言ってホワイトアリスの登録を済ませた。取り敢えずクエストボード見るか?」

 「見るかな。何か出来そうなクエストあったら先に受注しておきたいし」

 「それにしても人が全然いないな。冒険者が沢山いてもおかしくないのに」

 「そうね不自然ね」



 何故だろうか。


 そんな疑問を抱えながらクエストボードに貼り出されたクエストを見る。


 そのクエストボードを見て俺達は納得した。



 「これが理由か」

 「そうみたいですね」



 ==========================


 殺人鬼殺害 金貨3枚


 オーク討伐 金貨1枚


 強盗団殺害 金貨5枚


 ==========================


 

 そりゃCランクパーティーには荷が重すぎるな。


 エルンにはどうやらCランクの冒険者が圧倒的に多いようだ。


 クリアできそうにないクエストは受注しないのが冒険者の鉄則だからな。



 「一度帰るか」

 「そうですね。帰りましょうか」

 「じゃあ――」



 俺が踵を返してクエストボードの前を後にしようとした時、誰かに声を掛けられた。



 「ふははっお前ラークか? 久しぶりだな」

 「デレン!? お前こんな所で何を」

 「お前には関係が無いだろ。それより【デビルメイデン】はどうしたんだ。まさか遂に無能がばれて追放されたのか?」

 「だったら何だ?」

 「はははっそれは傑作だな。お前を初めて見た時からいけ好かない奴だったんだよ」

 「悪いが相手にする気はない」



 俺が仲間と冒険者ギルドを後にしようとした瞬間、デレンが飲んでいたワインの残りを俺の頭にぶっかけた。


 そしてグラスを俺の頭に叩きつけた。



 「つっ」

 「俺は貴族だぞ。礼儀と言うものがあるだろうが」



 デレンは激昂する。


 いや俺が激昂したい気分なんだが。



 「ちょっとうちの仲間に何してるのよ」

 「ああ誰だお前。ほおよく見れば可愛いなお前たち。どうだ俺の使用人にならないか。たっぷり可愛がってやるぞ」

 「黙りなさい」



 リアとヴィクトリカが激昂する。


 ラフレアとアリスも鋭い目つきで睨んでいた。


 だが俺はそんな仲間たちを制止した。



 「放っておけ。宿に戻ろう」

 「大丈夫!?」

 「ああこれくらい大丈夫だ。気にするな」

 「ならいいけど」

 「ありがとうなリア、ヴィクトリカ、ラフレア、アリス」



 俺の言葉で皆冷静になった。


 そして俺達は冒険者ギルドを後にしようとする。


 だがデレンは俺に苛立つように言葉を投げる。



 「お前そんな態度で俺を相手にしていいと思うなよ」

 「お前こそ俺の仲間に手を出してみろ。容赦はしないぞ」

 「つっ」

 「二度と俺達に近づくな下種が」



 俺はデレンに冷たく言い放った。


 俺達が冒険者ギルドを後にした後デレンは怒りの余り酒を飲みまくり女を抱いた。



 俺達は宿屋へと戻る。


 宿屋で現在アリスに治療してもらっている。



 「これで怪我は治りました」

 「ありがとう。助かった」

 「それにしても最低な方ですね」

 「ああ貴族だからな。いい貴族より傲慢な貴族の方が圧倒的に多いんだよ」

 「あの人腹立ちます」



 珍しくアリスがご立腹だ。


 よほど怒りが込み上げてきたのだろう。


 俺は自分の為に怒ってくれて嬉しかった。



 「あれ誰なの? 知り合い?」

 「デビルメイデンってパーティーに居た頃知り合った貴族だ。位は男爵」

 「デビルメイデンってあの有名なSランクの!?」

 「言ってなかったっけ。俺一年間だけ所属してたんだ。追放されたんだけどな」

 「驚きだわ」



 デレンは俺が【デビルメイデン】に居た頃知り合った貴族。


 当時から変態趣味で周囲を困らせていた傲慢な貴族。


 酒癖、女癖が悪く皆手を焼いていた。


 特に俺は【デビルメイデン】の中で一番地位が低かったこともあり一時期あいつの雑用係をさせられていた。


 そして俺を無能だと毎日罵倒し暴力を振ってきた。所謂完全に俺を見下していたのだ。


 だから俺はあいつが大嫌いだ。正直もう会う事はないだろうと思っていたがまさかこんな町にいるとはな。


 一体何の為にいるんだ?



 「まあ気を取り直して明日からクエスト受注しよう。難しいクエストが多いけど俺達なら達成できる」

 「そうですね。頑張りましょう」



 俺を心配してくれた皆には感謝しかない。


 ありがとう皆。


 良かった【ホワイトアリス】に所属して。

※最後までお読みいただいてありがとうございます!

 作者からのお願いがあります。

 少しでも、

 『面白い』

 『続きが気になる』

 と思っていただけたなら、

 下の【☆☆☆☆☆】評価のタップとブックマークをよろしくお願いします。 今後とも面白い物語を執筆するためのエネルギーとして

 ブックマークをしてファンになってくれると嬉しいです。

 ポイントとブックマーク、そして感想レビューが作者のエネルギー源となりやる気が漲る活力剤となります。

 是非是非この作者と作品を宜しくおねがいしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただき有難うございます!
《ラプラスの悪魔》で世界最強の英雄へ〜「未来予知? 偶然だろ」と言われ追放されたのにすぐに戻ってきてくれ? 破滅の未来が見えるのでお断りです因みに俺の未来は幸せが確定しています~
新作連載中です!
気に入ってくれた方はブックマーク評価感想をいただけると嬉しいです
小説家になろう 勝手にランキング

ここまで読んでくれた読者様にお願いです!

↑の☆☆☆☆☆評価欄↑を

★★★★★にしていただけると作者にとって非常に大きなモチベーションになります!


もちろん、ブックマークも嬉しいです! 引き続きよろしくおねがいします!



― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ