141話 ゴーレンとの戦い
俺達はゴーレンを馬車で追いかけている。
ゴーレンによって次の被害者が出る前に倒さないと。
「ゴーレンって奴は強いのか?」
「さあどうだろう。僕にとっては大したことないけど」
「じゃあ油断しなければ勝てそうだな」
「そうだね。勝てるんじゃないかな、あいつ単純馬鹿だし」
フリューは窓から外の景色を覗いて俺と会話をする。
俺は横で眠っているラフレアを支えながら、フリューへと質問していた。
「ところでお前は戦う気はあるのか?」
敵意が無くとも味方であるとは言えないからな。
先に聞いておくべきだろう。
「別にいいけど、簡単に終わっちゃうけどいいの?」
「ほう、大した自信だな」
「まあ僕はこう見えて強いからね」
「剣一本で戦うのか?」
「さあどうだろう」
フリューの腰に帯びている剣が俺は気になった。
見たことない剣だったからだ。
「ゴーレンの魔力感じる。あの森にいるね」
「そう、感謝するわ。降りましょう」
フリューがゴーレンの魔力を感知した。
一緒にいた事もあってゴーレンの魔力を知っている。
だがこの距離で感知できるのは素直に凄い。
俺達はゴーレンの魔力を感じる森へと足を踏み入れた。
さてセーブしておこう。
「セーブ」
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スロット1 森の中
スロット2 ガリアン国冒険者ギルド本部
スロット3 ファイシード国宿屋
スロット4 フレッディーノ国宿屋
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俺はスロット1へと上書きセーブをした。
「この森におるのか?」
「でも何か魔力を感じます」
「確かに感じるのじゃ」
俺達が森の中を進んでいくと切り株に腰を掛けた巨体の男がいた。
水を飲んでいる。
「いたいた。あれがゴーレン」
「てめえフリュー!? 何故ここに」
「暇だったから」
「こいつらは何だ!? おっ可愛い美少女ばかりじゃねえか。手土産か?」
「相変わらず筋肉馬鹿だね」
「何だとてめえ!」
ゴーレンは嘗め回すようにリア達を見る。
俺は一人前へと出た。
「お前がゴーレンか。ヤゴイの町を壊滅させて虐殺した悪人だな」
「誰だてめえ!? 俺を捕まえにでも来たのかよ」
「捕まえるかは分からない。殺すかもしれないし」
「どういう事情か知らねえが敵なら容赦しねえぞ」
ゴーレンは横に置いてあった大剣を持って戦闘態勢へと入る。
「結局誰が戦うの?」
「私が戦うわ」
「いや俺も」
「いや私も」
「妾もじゃ」
「私はサポート」
「私も戦います」
「私も戦う」
「わったしは無理。妖精だから」
結局ナーフィを除いたメンバーでゴーレンと戦う事になった。
「うらあああああああああああああ!」
ゴーレンが大剣を振り翳す。
俺達はそれを回避する。
地面に大きな穴が開く。
「凄い威力だな」
「筋肉馬鹿だからね」
「ラフレアバフとデバフを頼む」
「分かった」
俺はラフレアにバフとデバフをお願いする。
「攻撃力アップ」
「防御力アップ」
「スピードアップ」
「攻撃力ダウン」
「防御力ダウン」
「スピードダウン」
ラフレアが俺達にバフを撒く。
ゴーレンにはデバフを撒く。
「へえ彼女がバッファーか。じゃあヒーラーはアリスかな」
「ご名答」
リアがブラッドソードで攻撃する。
「はあああああああああああああっ!!」
「ちいっ」
リアのブラッドソードとゴーレンの大剣がぶつかり合う。
ゴーレンの大剣はひびが入りその後折れた。
「俺の剣をよくも折りやがったなああああああああああああああ」
「脆すぎよ」
「てめえ絶対に許さねえ」
ゴーレンは魔法を詠唱し使用する。
「ロックストーン」
「何!?」
俺達は全員岩壁へと閉じ込められる。
そして薄暗い光が殆ど刺さない状態の場所に隔離される。
「ははっざまあみろ。今殺してやるよ」
ゴーレンが余裕ぶってそう言う。
「アリス頼んだ」
「はい。呪術カースレーザー」
俺達を閉じ込めていた岩が完全に破壊される。
そしてそのまま岩を貫通してゴーレンの腹部を貫いた。
「がはっ」
「へえー面白い魔法」
フリューはアリスの魔法を見て楽しそうにしていた。
ゴーレンは逆に苦しそうに地面に蹲り悶えている。
「終わりだゴーレン」
「て、てめえ」
俺がダイヤモンドの剣でゴーレンの首を刎ねようとする。
「や、やめろ。見逃してくれ。お、おいフリュー助けろ仲間だろ」
「僕は仲間じゃないよ。さよなら」
「てめえええええええええええええええ」
「うるさいな」
フリューは眠そうに欠伸をしながら行く末を見届ける。
「じゃあ死ね屑が」
「や、やめろ。ま、待てえええええええええ!」
俺はダイヤモンドの剣でゴーレンの首を刎ねた。
無事に殺すことが出来た。
「終わったわね。私が戦うまでもなかったようね」
「死体はどうするんだ?」
「持ち帰るわ。本部で解剖してもらわないとね」
「そうか分かった」
俺達はこの日ダークアーラのメンバーの一人ゴーレンを殺すことに成功した。
正直弱かったな。
ティーダの方が断然強い。
「ティーダの方が強かったな」
「そりゃそうだよ。ゴーレンってAランク冒険者だし」
「そうなのか!? どおりで弱いわけだ」
「弱者から寿命集めてただけの雑魚だからね」
「お前は違うとでも言いたげだな」
「僕は違うよ」
フリューはそう断言して見せた。
正直こいつの腹の内が読めない。
「じゃあ一旦本部へ帰りましょう。死体は収容したわ」
「ああ」
俺達は一度冒険者本部へ帰ることにした。
「セーブ」
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スロット1 森の中
スロット2 ガリアン国冒険者ギルド本部
スロット3 ファイシード国宿屋
スロット4 フレッディーノ国宿屋
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俺はスロット1へと上書きセーブをした。
そして本部で死体を引き渡した後、カトレアは用事があると言って去っていった。
「お前はこれからどうするんだ?」
「もう少し君達と共にいるよ。楽しいからね」
「勝手にしろ」
「そうさせて貰うよ」
フリューは一時的に【ホワイトアリス】へと加入した。
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