140話 魔神、冒険者になる
ラーク達がヤゴイに到着した頃、魔神はある国へと降り立っていた。
「随分と世界は変わったようだ」
魔神はある高い建物の頂上に座り国を遠望する。
視界に人間たちが地上を歩き生活していた。
「さて俺はこれから何をするか」
魔神は考える。
これからの行動を。
「暇つぶしに人間共に紛れてみるか」
魔神は地上へと目立たぬ様に降り立ち、人間共に紛れる。
「あの建物は何だ?」
魔神はある大きな白と黒の色の建物へと入っていく。
そこは冒険者ギルドだった。
「おい、ここは何だ?」
「ここですか? 冒険者ギルドですが」
「そうかここが冒険者が集う場所か。俺も冒険者になりたいんだが」
「ではお名前と諸々の個人情報をこの紙に書いて提出してください」
「これに書けばいいんだな」
「はい」
魔神は人間に危害を加える気は無かった。
寧ろ数百年の眠りから覚めて変化した世界を楽しもうとしていた。
「ほら書き終わったぞ」
「ええと、アリトンさんですね。生年月日は――ええ!?」
「どうした!?」
「い、いえ何でもないです。長生きだなと」
「まあ寿命は長い」
「そうですか。人間にも色々いますからね」
受付嬢はすぐに平静さを取り戻して丁寧に対応する。
まさか目の前の存在が魔神などとは思いもしないだろう。
アリトンはそんな事を考えていた。
「では手続きが完了いたしましたので、冒険者生活頑張ってくださいね」
「あのボードからクエストを受注すればいいのか?」
「そうですね。最初はCランクなので簡単なクエストからがおすすめです」
「そうか、ありがとう」
アリトンはクエストボードから色々なクエストを吟味する。
そして超高難易度クエストを受注する。
「これは面白い」
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ダークドラゴン討伐 金貨80枚
危険度★★★★★★★★★★★★
待遇 強回復薬×5、豪華馬車
依頼主 謎の武器職人
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「ドラゴン狩りか。久々だな」
アリトンは知的好奇心の塊である。
知らない事や面白い事に生の全てを捧ぐ。
つまり裏を返せば人間を殺すことも好奇心の為なら厭わないのだ。
「じゃあ行くか」
アリトンは人間世界で生活を始める。
ラーク達とはまだ出会わない。
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