139話 フリューとの協力
俺達は馬車から降りて凄惨な光景を目にした。
「これは!?」
「遅かったわね」
「崩壊しているな。それに町民も全滅だ」
俺達は一歩遅かった。
ヤゴイという町は完全に崩壊していた。
生存者はゼロだ。
「酷いことをするものね」
「全くじゃ」
リアとヴィクトリカが怒りを露にしている。
八つ当たりだとすれば最低な行為だ。
「それ、ゴーレンの仕業だよ」
俺は聞き覚えのある声にはっとなり振り返った。
「フリュー!? お前何故ここに!?」
「魔神復活後暇になって彷徨ってる」
「魔神復活だと!? やはり魔神は存在して」
「まあね。でもアーディン殺してすぐどっか飛んで行ったけどね」
「アーディン?」
「そうそうダークアーラのメンバーだよ。ティーダと同じ」
成程あの白い外套を身に纏っていた男か。
魔神を利用しようとしたが逆に殺されたのか。
自業自得だな。
「それでお前はノコノコ顔を出せる立場なのか」
「だって別に君たちの敵じゃないし。ダークアーラは事実上解散だしね」
俺達【ホワイトアリス】はフリューに対して警戒態勢を取る。
こいつの言葉は信用できない。
「敵じゃないなら協力してくれるかしら?」
「全然いいよ。何をすればいいかな?」
カトレアは俺達の前に一歩踏み出してフリューへと協力するように言葉を紡ぐ。
フリューは簡単に承諾した。
「ゴーレンという男の目的と魔神の行方や特徴を知りたいわ」
「ゴーレンの目的は魔神利用して人類滅ぼす事かな」
「成程ね。じゃあつまり魔神探して彷徨ってるのね」
「そういう事だね。この町の惨状の原因は八つ当たりだろうね。あれは筋肉馬鹿だし」
フリューはポーチからコーヒーを取り出して飲み始める。
凄く甘そうなコーヒーだ。
思わずヴィクトリカの喉が鳴った。
「魔神の行方は知らない。僕も探してるし。特徴は漆黒の姿で黒い両翼、何か後指から光線だしてたかな」
「そうありがとう。本当に敵意は無いようね」
「うんまあね」
どうやら現時点ではフリューは敵ではないらしい。
「ヤゴイは俺が直す。人々もだ」
「出来るのね?」
「ひゅー凄い能力」
「任せろ」
俺はスロット共有を使用する。
「セーブ」
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スロット1 辺境の町ヤゴイ
スロット2 ガリアン国冒険者ギルド本部
スロット3 ファイシード国宿屋
スロット4 フレッディーノ国宿屋
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俺はスロット1に上書きセーブをした。
「スロット共有をしたい」
『畏まりました。どのスロットに何を共有しますか?』
「スロット1にスロット2のヤゴイの状態を共有したい」
『畏まりました。動作が完了いたしました』
ふぅーこれでヤゴイは元通りだ。
「凄いねその能力。かなりの激レアと見た」
「特別に見せてやった。記憶改ざん出来たんだぞ、感謝しろ」
「ありがとう。僕の能力も激レアだから今度見せてあげるよ」
「そりゃどうも」
こうして無事にヤゴイは元通りとなった。
そしてここからが本題である。
「このままゴーレンを倒しに向かうわよ」
「ああ分かってる」
「フリューも来てくれるかしら?」
「全然いいよ。暇だしね」
「じゃあ行くわよ」
こうして俺達は急ぎ馬車でゴーレン捜索をする。
フリューとはどうやら暫くは協力関係でいそうだ。
まあいいか。
「セーブ」
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スロット1 馬車の中
スロット2 ガリアン国冒険者ギルド本部
スロット3 ファイシード国宿屋
スロット4 フレッディーノ国宿屋
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俺はスロット1へと上書きセーブをした。
そしてそう時間が掛からないうちにゴーレンと出会う事となる。
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