135話 魔神復活前夜
「お前誰だ?」
「ダークアーラのメンバーだよ。どう驚いた?」
黒い短髪で俺より年下であろう少年が、唐突な言葉を俺達に投げかける。
「ダークアーラのメンバーだと!?」
「でも僕は今君達と敵対する気分じゃないから攻撃は止めてね」
「どの面下げて言っている」
「じゃあこの人混みの中派手に戦う?」
俺は周囲を見渡した。
人々がごった返している。
この場所では戦えない。
「分かった。今だけは敵対しないでいてやる」
「さっすがー。ありがとう」
「それで何の用だ?」
「ティーダ殺した連中に興味があってね。あいつ一応Sランク冒険者だったからね」
そう言って少年は冒険者ギルド本部の中にある椅子に腰かけて、露店で買って来たであろう砂糖多め、ミルク多めの激甘コーヒーを飲む。
「僕の名前はフリュー。君はラークだよね。それからリア、ヴィクトリカ、ラフレア、アリス、ネール、ナーフィだよね」
「よく覚えてるな」
「リスト見たからね。いいパーティーだね」
「それで本題は?」
俺がフリューの前にある椅子に腰かけて睨み付けるように言った。
フリューは「ひゅー」と口笛を吹いた。
「僕らの目的知ってる?」
「魔神復活」
「さっすがー。そう魔神復活が目的の組織なんだよね」
「復活させて世界でも滅ぼす気か?」
俺は微笑みながらそう言った。
「うーん、アーディンとかエルージュは知らないけど、僕は純粋に魔神と戦ってみたいなっていう目的。楽しそうじゃん」
「そんな目的のために大勢の寿命を奪ったのか」
「そうだよ。僕は自分の事しか考えてないからね。でもそれは人間なら誰もが同じでしょ」
フリューは悪びれる様子もない。
それどころか楽しそうに俺と会話している。
「まあ否定は出来ない。俺は仲間の事も大切に考えてるが」
「でもそれも結局は自己満足だ。違う?」
「違わない。けど論点をすり替えるな。それで罪なき者を殺していい理由にはならない」
「法律的にはね」
フリューは次は俺ではなくリアに話しかける。
「リアはどう思ってるの?」
「私は罪なき者を私利私欲で殺す貴方は許せないわ」
「他の仲間も?」
フリューの問いに【ホワイトアリス】のメンバーは全員頷いた。
「そっか。じゃあ僕とはいずれ敵対するかもね。まあしないかもだけど」
「結局何の目的で来た?」
「魔神復活、明日だよ」
「何!?」
「じゃあねラーク、それにリア達も」
フリューはそう言ってコーヒーを飲みながら人混みに紛れて姿を消した。
魔神復活が明日だと!?
「どうするのラーク?」
「取り敢えず冒険者ギルド本部に伝えよう」
俺達は冒険者ギルド本部へと伝えた。
一応セーブしよう。
「セーブ」
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スロット1 ガリアン国冒険者ギルド本部
スロット2 ガリアン国冒険者ギルド本部
スロット3 ファイシード国宿屋
スロット4 フレッディーノ国宿屋
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俺はスロット2へと上書きセーブをした。
そして冒険者ギルド本部側から魔神の調査を命じられる。
「スロット共有で戻せそう?」
「分からない。何せ相手は神だからな」
「そうよね。取り敢えず急いで調査に向かいましょう」
「ああ」
薄暗い夜俺達は調査へと赴いた。
だが魔神復活は止められない。
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