134話 海深族の美少女
俺達は大嵐の中、一人の少女と出会う。
二本の角が生えた少女と。
「お前がこの大嵐の原因?」
「貴方は人間。危害を加えるつもりは無いわ」
「じゃあお前はここで何してる?」
「時々人間が住む陸地に上がるの。ここの食事は美味しいから」
「は!?」
どうやら敵では無さそうだ。
しかし人間ではないな。
黒い角が額に二本ついている。
青い綺麗な濡れた髪に、ブルーサファイアのような綺麗な瞳。
一枚の布の服を羽織っている。
だが奇妙なことに濡れてはいない。
「お前は人間ではないよな」
「人間じゃないわ。海深族よ」
「海深族!? 何だその一族は」
「海深くに住む一族よ。私の名前はクラリス。貴方は?」
「俺はラーク。Sランク冒険者だ」
俺の言葉を聞いて両目を見開いて驚く。
俺もクラリスの言葉を聞いて驚きを隠せなかった。
「この大嵐は偶然か?」
「ああこの大嵐は私の体質で。ごめんなさい、コントロールできるから待ってて」
そう言ってクラリスは体質をコントロールしたのか、凄い大嵐と落雷が止む。
珍しい体質だな。
「Sランク冒険者ってことは相当強いのよね」
「ま、まあそれなりには」
「だったら今度頼みたいことがあるわ」
「何だ?」
「今度頼むわ。じゃあまたね」
「お、おい待ってくれ。海深族とはどんな一族だ」
俺はクエストの為だけでなく、知的好奇心からか聞いてしまう。
するとクラリスは俺の方を向いて微笑した。
「世界は広大って事よ」
そう一言言い残して、俺が偶々持っていた弁当を持ち去る。
「これ貰うわよ。美味しそうだし」
「今度っていつだ?」
「うーん、母さんに聞かないと分からない」
そう言ってお弁当を持って海へと帰っていった。
潜って深い海底へと帰る。
呼吸はどうなっているのだろうか?
肺呼吸ではないのか?
色々な疑問が俺の脳内でぐるぐると回る。
「ラーク今のって?」
「初めて見聞きした一族だ」
「どうするの? 後を追う?」
「追う方法が無い。海の中で呼吸できる方法が見つからない」
「誰もそういう魔法持ってないわよね」
リアの問いに全員が首を横に振った。
誰も海中で呼吸できる魔法を持ち合わせてはいなかった。
「取り敢えず帰ろう。調査は完了したしな」
「そうですね。一旦帰りましょう」
「俺の勘だがまた近いうちに会う事になりそうだ」
「そうですね。私もそう思います」
俺達は今日海深族と出会った。
この一族が俺達を数奇な運命へと導くことになるのだがまだ俺達は知らない。
一旦セーブしよう。
「セーブ」
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スロット1 ガリアン国冒険者ギルド本部
スロット2 ゴローニャ海
スロット3 ファイシード国宿屋
スロット4 フレッディーノ国宿屋
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俺はスロット2へと上書きセーブをした。
そしてゴローニャ海を翌日後にして、冒険者ギルド本部へと戻った。
「海深族だった。調査は完了した」
「お勤めご苦労様です。海深族とは凄い人間にとってレアな一族と出会いましたね」
「やっぱりか。見たことなかった」
「本部でも日々調査を行っているのですが、中々出会えず」
「取り敢えずクエストはクリアした。金貨200枚は貰うぞ」
「はい報酬はきっちりお支払い致します」
俺達はこの日戦わずして金貨200枚をゲットした。
しかし戦っていたらどうなっていたのだろうか?
かなり異質な存在だった。
まあ俺達【ホワイトアリス】は負けはしないだろうが。
しかし相当な美少女だったな。
「セーブ」
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スロット1 ガリアン国冒険者ギルド本部
スロット2 ガリアン国冒険者ギルド本部
スロット3 ファイシード国宿屋
スロット4 フレッディーノ国宿屋
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俺はスロット2へと上書きセーブをした。
そして次なるクエストを探す。
そんな時、一人の少年と出会った。
「君達がホワイトアリス?」
「誰だ!?」
「僕と少し話そうよ」
出会いは唐突に。
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