128話 リーエルとの会話
俺達は宿屋でぐーたら生活をしていた。
夕方ごろ俺は一人外の空気を吸おうと外に出る。
「ラーク」
「リーエル!?」
「少し話さないか?」
「ああいいぞ」
俺とリーエルは街道の隅の石段に座って話し始める。
「先ずはSランク昇格おめでとう」
「ありがとう。結構苦労した。けど楽しかった」
「ホワイトアリスに加入して良かったようだね」
「ああ凄く良かった。俺は今凄い幸せだよ」
「そのようだな」
リーエルは俺の横に座りながら夕焼け空を眺める。
「ティーダを倒した功績は大きいよ」
「滅茶苦茶強かったけどな。正直賭けだった」
「僕は君が勝てると信じてた。負けるとは微塵も思わない」
「それは過大評価だろ」
「いや寧ろ君は過小評価されすぎている。現に君を追放したデビルメイデンはCランクまで落ちぶれたじゃないか。おまけにバレッドとエレノアはティーダにいいように利用され醜く死んだ」
確かに俺を追放した【デビルメイデン】は落ちぶれた。
復讐までされて命を狙われた。
特にバレッドとエレノアは罪を犯しすぎた。
結果的に俺は二人を殺したが、他の三人は今何をしているのだろうか。
反省して静かに慎ましく暮らしていればいいのだが。
「まあ俺をきちんと評価してくれている人がホワイトアリス以外にも少なくとも隣に一人いるから問題ない」
「ははっ。僕は君を凄く信頼してるし、信用してるよ」
「ありがとうな」
「それでこれからどうするんだ?」
「一週間程度は休暇するつもりだ。その後冒険者ギルド本部がある国に移動してそこで色々クエスト受注するつもりだ」
「そうか。いよいよあの国に行くんだな」
「まあな」
「そう言えば貴族の地位はどうするつもりだ?」
「俺を含めてホワイトアリスは興味ないんだよ。だから冒険者として生涯を過ごそうかと思ってる」
「そうか。僕と同じだな」
「そういう事になるな」
俺とリーエルは夕焼け空を足をばたつかせながら眺める。
「じゃあそろそろ僕は行くよ。ダークアーラについて調査しないといけないからね」
「ダークアーラか。そう言えば寿命を回収してるよな」
「知っていたか。目的は不明だけどね」
「目的が不明は一番厄介だな」
「そうだね。一つだけ言えることは寿命を回収する装置や転移結晶などレアな魔道具などを持ち合わせてるという事だ」
「裏に何かがあると?」
「そこまでは分からない。取り敢えず何かあればすぐに連絡用魔石で僕に連絡をくれ。すぐに駆けつける」
「ああ分かった」
「じゃあまた会おうラーク」
「ああまたなリーエル」
リーエルは俺に微笑むと体をくるりと反転させて俺の視界から消える。
俺は暫く冷えてくる外で夕焼け空を眺めていた。
「ダークアーラか。俺も少し攻撃できるよう修行するか」
俺はこの日サポート兼アタッカーになろうと心に決めた。
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