122話 ティーダとの対峙
俺達は冒険者ギルド本部より承った重大な緊急任務をこなすため、ダークアーラが被害を及ぼした辺境の町まで馬車で向かっている。
「ティーダかしら?」
「分からないが俺達にご執心だったからな。誘き寄せるための可能性もある」
「どっちにしろ戦いは避けられないわね」
「ああ。用心して挑もう」
「ええ」
問題はスロット共有があの時何故かティーダに通用しなかった事か。
誰かが介入したのは間違いない。
ダークアーラのメンバーの能力に介入持ちがいたら厄介だな。
まあ傷一つ負わせれば勝てるのだが。
「難しい戦いになりそうですね」
「そうじゃな。じゃが妾は成長した、勝てるのじゃ」
「私も全身全霊で戦います」
「うむ、任せたのじゃ」
ヴィクトリカは栄養補助食品を美味しそうに食べている。
棒状のクッキーのようなお菓子だ。
チョコレート味で俺もお勧めする程の美味しさだ。
ラフレアは俺の肩にもたれかかり寝ている。
相変わらず緊張感とは皆無だな。
だがそれがいい。
「そろそろご到着致します」
「ああ」
一応セーブしておこう。
「セーブ」
=========================
スロット1 馬車の中
スロット2 豪華馬車の中
スロット3 ファイシード国宿屋
スロット4 フレッディーノ国宿屋
=========================
俺はスロット1に上書きセーブをした。
俺達は馬車で揺られて襲われた辺境の町までやって来た。
「これは!?」
「酷い有様ね」
「つっ」
俺達が見た光景は酷い有様だった。
民家や教会等の建物は完全に崩壊し、住民たちの死体が無残にも地面に転がっている。
まさか寿命回収が目的か?
「よう久しぶりだなラーク」
「ティーダ!? やはりお前か」
「来てくれると思ったぜ」
「どうやら俺達が一番乗りのようだな」
「そうだ。ようこそ最初のお客様」
「黙れ」
「釣れないなあ」
ティーダは黒い外套に身を包みながら、ニヤッと笑い俺を挑発する。
俺はその挑発には乗らない。
「お前の仕業か」
「そうだ。お前に屈辱を味わわせてやりたくてな」
「こんな事をしてタダで済むと思うなよ」
「いいだろ、こんな雑魚共。いくら殺した所で罪には問われないさ」
「下種が」
「黙れよ偽善者」
「偽善者らしくお前を殺すとしよう」
「ふっ、さあ楽しくなってきたな」
ティーダは黒い外套のフードを両手で外す。
綺麗な黒髪で黒色の瞳の男が俺の瞳に映る。
左頬に細い傷を残しながら。
「さあ始めようかラーク」
「容赦しないぞティーダ」
俺達はティーダと戦う。
※最後までお読みいただいてありがとうございます!
作者からのお願いがあります。
少しでも、
『面白い』
『続きが気になる』
と思っていただけたなら、
下の【☆☆☆☆☆】評価を【★★★★★】へとブックマークをよろしくお願いします。 今後とも面白い物語を執筆するためのエネルギーとして
ブックマークをしてファンになってくれると嬉しいです。
ポイントとブックマーク、そしてレビューが作者のエネルギー源となりやる気が漲る活力剤となります。
是非是非この作者と作品を宜しくおねがいしますm(_ _)m