113話 ヴィクトリカがライトニングソードを気に入りました
サンダードラゴンを無事に討伐した俺達は冒険者ギルド側からあと高難易度クエスト一個クリアでSランク昇格だと改めて言われた。
俺達は嬉しさを顔に出したが、決して油断しない。
そして現在――
「悪いなエーティまた頼んで」
「いいわよ。私もここに戻ってきたわけだし」
「ありがとうな」
「お金はちゃんといただくわよ」
「勿論だ」
俺達は再びフレッディーノ国で伝説の武器職人エーティと出会った。
そして現在エーティにサンダードラゴンの素材で武器を作ってもらう。
「じゃあちょっと待っててね」
「分かった」
エーティは借りている鍛冶工房の奥の部屋で作業を開始する。
俺達はソファーに座りエーティの作業が終わるのを待つ。
「良かったなヴィクトリカ。今回の武器はお前のだぞ」
「うむ。やっと新しい武器が手に入るのじゃ。滅茶苦茶嬉しいのじゃ」
「ヴィクトリカのブルーソードは俺が貰ってもいいか?」
「構わぬぞ。お主のはバレッドとの戦いでひびが入ったからのう」
「ああ。助かる」
ヴィクトリカはいつにも増してテンション高く、まるで小さな子供がプレゼントを楽しみにして待つ様子である。
「ブラッドソード、スカーレットソード、そして今回のサンダードラゴンの武器どれが一番強いんでしょうかね?」
「確かめてないから分からないが、伝説の武器ブラッドソードが一番強そうだな」
「素材も不明ですしね」
「伝説の武器だからな」
「他にもあるんですかね?」
「多分ある。色々探すのも楽しそうだな」
「そうですね。落ち着いたら探しましょうか」
「ああ」
俺達が雑談を交わしていると、一時間後くらいにエーティが鍛冶工房の奥の部屋から出てきた。
そしてどや顔でサンダードラゴンの素材で作った武器を見せる。
「完成よ。これがライトニングソード」
「おお。凄い光り輝いている」
「雷属性が付与されてるから麻痺させれるわよ」
「マジか」
「マジ」
エーティは「誰が持つの?」と言った。
ヴィクトリカは待ってましたと言わんばかりに、両手を上げてジャンプする。
「妾じゃ。妾以外いないのじゃ」
「そうね。私はブラッドソードがあるし」
「私もスカーレットソードがあるから今は大丈夫」
「じゃあ決まりだな」
ヴィクトリカは大喜びでライトニングソードを受け取る。
そして大事に大事に抱きしめる。
「よかったな」
「うむ。最高なのじゃ」
「麻痺も出来るらしいな」
「これからは妾の活躍がまた一段と増えるのじゃ」
「期待してるぞ」
「うむ」
ライトニングソード。
その剣はサンダードラゴンの素材から作られる剣。
常に雷が付与していて、攻撃を与えると高確率で麻痺させる。
Sランク冒険者が持つ武器の一種である。
「ありがとうなエーティ」
「ええ。金貨は30枚でいいわ」
「いいのか?」
「オッケーよ」
「ありがとうな。はい金貨30枚」
「毎度あり」
こうしてこの日ヴィクトリカはライトニングソードを手に入れた。
凄く気に入っている。
食べ物を見る目と同じ位輝いた眼でライトニングソードを見つめていた。
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