112話 サンダードラゴンを討伐しました
俺達はサンダードラゴン討伐に向けて準備をして豪華馬車に乗り込んだ。
そしてサンダードラゴンがいるライトニングマウンテンへと向かう。
これから向かうライトニングマウンテンは、とても危険である。
「かなり危険なのよね?」
「ああ、年中雷が地上に降り注いでいるらしい」
「どうやって山頂まで行くの?」
「その為に例のあれを買ったんだ。高い金出してな」
「ああ、あの石ね」
「ああ」
俺達はライトニングマウンテンに備えるためにアイテムショップで高額なアイテムを購入した。
それが雷避石。
この雷避石は文字通り雷を防ぐ。
石を持っているだけで、所有者ごと雷を回避できる。
但し凄く高額で販売されていて、並の冒険者では手が出ないだろう。
しかし俺達は合計金貨50枚ほどをポンと払えるだけのお金は持っていたのだ。
カジノや飛竜討伐や冒険者ギルド本部からの緊急依頼達成の報酬などで多額のお金を得ていた。
クエストに必要なものは出し惜しみせず買う。
これが冒険者にとっての必要事項だ。
「ご到着致しました」
「ああ。ありがとう」
「では魔笛を」
「ああ」
俺達は豪華馬車から降りてライトニングマウンテンの前へとやって来た。
一応セーブしよう。
「セーブ」
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スロット1 ライトニングマウンテン前
スロット2 豪華馬車の中
スロット3 ファイシード国宿屋
スロット4 フレッディーノ国宿屋
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俺はスロット1に上書きセーブをした。
そして雷避石を各自持って登る。
「結構嵐がきついな」
「そうですね。どうしましょうか?」
「予想外だった。魔力で無理やり天候変えるか」
「そんな事出来るんですか!?」
「まあ俺は魔力量多いから魔力を悪天候にぶつければ晴れに出来るだろう」
「凄いです」
「いやアリスの方が凄いよ」
「そんなことないですよ。ラークの方が凄いです」
俺はアリスみたいに呪術は扱えないからな。
だが単純な魔力量で押し切るのは得意だ。
「はああああああああああああああああああああああっ!!」
俺は魔力を両手に宿してその魔力の塊を悪天候の空へとぶつける。
魔力を圧縮して目に見える形にして攻撃する技だ。
名前はまだ無い。
魔力量が異常量な者にしか使えない技。
俺はそれが出来る。
そもそもセーブ&ロードは多大な魔力を消費するからな。
一般的な魔導士では恐らくこの能力を得たとしても扱えない。
異常な魔力量を要求する恐怖の能力である。
「凄い!!」
「晴れたのじゃ!!」
「晴れた!!」
「晴れました!!」
「晴れたね!!
「うわー晴れたー」
「じゃあ行くぞ」
俺は無理やり天候を晴らしてライトニングマウンテンの山頂へと歩みを進める。
その道中再び雷は落ちてきたが、雷避石で無事に雷を回避した。
そして遂に山頂へとやって来る。
「グガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
山頂に居るサンダードラゴンが唸り声を上げる。
そして更に言葉を続ける。
「人間よ。懲りずに来たようだな!!」
「俺達は初めてだが狩らせてもらうぞ!!」
「させるか人間がああああああ!!」
サンダードラゴンは俺達に向かって雷を放つ。
リアとネールが雷を余裕そうに防ぐ。
リアのブラッドソードとネールのスカーレットソードはサンダードラゴンの雷の威力より質が上だった。
「この人間共が!!」
「私達の方が上なのよ!!」
「そうよ、このスカーレットソードは貴方を切れる!!」
リアとネールがサンダードラゴン相手に攻撃する。
サンダードラゴンは攻撃を回避する為上空へと羽ばたく。
「ラフレア、バフとデバフを頼む。アリスは呪術カースレーザーの準備を。ナーフィは視線誘導を」
「はーい」
「分かりました」
「分かったよー」
リア達は一度俺達の下まで戻る。
「リアとネールは引き続き攻撃を頼む。岩場を使って上空に飛んで攻撃だ。ヴィクトリカは万が一の為ラフレアやアリスの護衛だ」
「分かったわ」
「うむ、了解なのじゃ」
「分かった」
さあ一気に狩るぞ。
「おのれ人間が小賢しい真似を。俺の眠りの邪魔をするな!!」
サンダードラゴンは雷を放つ。
だが雷避石のお陰で直撃しない。
その隙にリアとネールが岩場を使って上空へと高くジャンプをする。
そしてサンダードラゴンに攻撃する。
しかし周囲に雷を展開して自身を守護する。
「攻撃力アップ」
「防御力アップ」
「スピードアップ」
「攻撃力ダウン」
「防御力ダウン」
「スピードダウン」
ラフレアが合計六つのバフやデバフを撒く。
俺達は強化され、サンダードラゴンは弱体化する。
「はああああああああああああああっ!!」
「うらあああああああああああああっ!!」
再び岩場を使って攻撃するが、サンダードラゴンは上手くそれを回避する。
だが時間稼ぎには十分だ。
「今だアリス!!」
「はい。呪術カースレーザー!!」
アリスの呪術カースレーザーが弱体化し更にリア達に視線誘導されたサンダードラゴンに直撃する。
サンダードラゴンは悲鳴を上げる。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! この人間がああああああああああ!!」
「もうお前は終わりだ!!」
「何を言う。この程度の傷俺は余裕だああああああ!!」
「じゃあ二つならどうだ?」
「何!?」
俺は分裂を使用する。
「セーブ×2」
『どこに分裂しますか?』
「サンダードラゴンの羽に直撃した傷を心臓に」
『畏まりました。動作が完了いたしました』
俺が分裂を使用すると同時に、サンダードラゴンは口から大量の吐血をして地面へ急降下する。
そして大きな音を立てて山頂へ落下した。
もう死んでいた。
「勝ったな。皆のお陰だ」
「やったわね。さすがラークとアリス」
「リア達のお陰でもある」
「一撃与えれば大抵勝ち確なのがでかいわね」
「まあそうだな。分裂はチート級だ」
「最高のサポート役とはこのことね」
「おい抱き着く前に解体しないと」
「あっ、そうだった」
俺達はサンダードラゴンに勝利して、無事にクエスト達成する。
解体もして素材も手に入れた。
エーティに出会えるといいな。
さあセーブしよう。
「セーブ」
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スロット1 ライトニングマウンテン山頂
スロット2 豪華馬車の中
スロット3 ファイシード国宿屋
スロット4 フレッディーノ国宿屋
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俺はスロット1に上書きセーブをした。
そして全員支給された最強回復薬と強魔力回復剤を飲んだ。
これで全回復。
「後一個でSランクだな」
「そうですね。楽しみです」
「ああテンションが凄い上がる」
「はい気分が今高揚しています」
「だな」
俺達はこの日【デビルメイデン】が失敗したサンダードラゴン討伐クエストをクリアした。
そしてSランクまで残り一個のクエストクリアとなった。
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