10話 一方のデビルメイデンはその2
バレッド達は貴族直々の依頼、魔獣討伐に出かけていた。
バレッド達【デビルメイデン】はラークのお陰でSランクまで昇格した。
だが現在はラークを追放し新たなパーティーメンバーを迎え入れ新パーティーとして仕切りなおしている。
「まさか魔獣討伐とはな。しかも貴族直々の依頼」
「僕も驚いているよ。まさかここまで昇格できるとはね」
「俺達のお陰だな」
「ああ。無能がいなくなってから一気に幸運が舞い込んだよ」
「違いねえ」
バレッドとヴランは馬車の中で自分たちの凄さを語り合っている。
ラークと言う人物をこき下ろして。
「それでどんな貴族からの依頼なんですか?」
「ああガレイル卿からだ」
「あのガレイル卿からですか!?」
「ああ。このクエストを達成すれば俺達が貴族になれる可能性がグンと高まる」
バレッド達、いや冒険者は基本目指す目的は同じ。
それはSランクになって、数々のクエストを達成し貴族の地位を手にすることだ。
騎士から大公までの貴族の地位があるが誰もが目指すのは大公。
所謂王族との結婚である。
男なら王族の美女と、女なら王族の美男子と。
バレッド達はそれを狙っていた。
また王族になれなくても公爵の地位を与えられれば国を持つことも出来る。
兎に角貴族の地位が欲しいのだ。
「国家中枢の人物になる為にこのクエスト絶対負けられねえぞ」
「分かっているわ」
「分かっているよ」
「分かっています」
「分かってるさ」
「はいバレッド先輩」
バレッドが気合を入れて声を上げた。
それに皆同調した。
討伐対象の魔獣ブラックウルフはSランクパーティーなら十分に討伐できる対象である。
それ故結構バレッド達は油断していた。
「そういやラークって今何してるんですかね?」
「さあな。どこかのパーティーに所属したみたいだがあの無能ではすぐ追放されるのがおちだ。使い捨てには丁度良かったが駒としては物足りなさすぎるな」
「使い捨てとして加入させたんですか? 意地悪ですね」
イルーンがクスクスと笑いながらバレッドに話しかける。
「ああ身寄りもないあいつを拾って夢を見させてやったんだ。感謝してほしいぐらいだな」
「確かに感謝してほしいですね。私達に」
そんな会話を繰り広げていると馬車が急停止した。
馬車の中が振動で揺れる。
「何だ!? おい何故止まった」
「それが大量のゴブリンの群れが」
「何!? ちっ面倒くせえな」
バレッド達は渋々馬車を降りる。
そこにはゴブリンが数十匹通行の邪魔をしていた。
「Cランク風情のゴミモンスターが」
「二匹鬼ゴブリンがいるね」
「面倒くせえな。おい一旦ラークセーブしろ」
思わずバレッドはラークを言葉に出す。
自分でもはっとしたのか直ぐに舌打ちして誤魔化した。
皆も驚いていた。
ラークが居ない事でここまで不便になるとはバレッドは思っていなかった。
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