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女剣士との出会い

取り敢えず、辺りを歩き何か300円で買える食べ物を探す。


「セール販売やってる所を探すか。」


道具屋の近くでセールをやってる店というか、人を発見した。


「お兄さん、この大おにぎり2つで300円。どうだい?安いだろ?」

多分このおばさんが自分で作ったであろうおにぎりが、ちょうど手持ちで買える。

それにしてもデカイな。ウサギくらいデカイな。


「具は何か入ってるんですか?」

「それは、買ってからのお楽しみ。買うかい?」


「じゃあ、買います。」

これくらい、大きかったら久しぶりにお腹が膨れそうだ。しかも2つ。


家にいち早く帰って、この素晴らしきおにぎりを妹に挙げたかったが、ギルドに寄ってから帰る事にした。

今は、あまりギルドに行きたくないのだが。



「ニーナさん、はいこれ。」

受付の美人、ニーナにギルドカードを渡す。


「おい、今日も恥を晒しに来たのか!最弱ヒーロー!」

「よっ!待ってました!モンスターの味方、ライト殿!!」


「モンスターが見ればそのステータスの低さに喜んで駆け寄ってくる、ライト様!!」



俺がギルドに来ただけで大爆笑が起きる。


「クッ!」

声の方には振り向かずに我慢だ我慢。


「ライトさん、モンスター倒したんですね。はいどうぞ。」


モンスター討伐数、8

攻撃力、1

防御力、2

俊敏性、1

回避、1

ランク、F


ステータスを見て、自分の目を、疑った。

あれだけ経験値グミを食べたのに、防御力しか上がってない。しかも1だけ。

どんだけ、弱いんだよスライム。


「モンスター8体倒してステータスがそれかよ!ハハハッ」

「ということは、討伐したのは、下級モンスターのスライム辺りか。ハハハッ!」

「ああ、なるほど!たまたま踏んづけて討伐できたんだな!フハハハッ!」


音速で回れ右をして、ダッシュでギルドを、飛び出した。


「初モンスター討伐に成功したのに、何でこんなに笑われなきゃ行けないんだ!」


ボロ屋まで走った。ひたすら走った。


時刻は既に夕暮れ時で、オレンジ色した太陽と並走した。

石に躓いて転び、体中が傷だらけになる。痛いな。

防御力が低すぎる為か非常に痛い。


「ただいま……。」

「お兄ちゃん、おかえり!今日は、遅いじゃない。」

玄関まで、迎えに来ている美人がいる。

何で、俺の家に、かぐや姫がいるんだ?

妹でした。


「おい、ソフィア!モンスター討伐したぞ!しかも、8体。凄いだろ!」

みんなが、笑うようなスライムなんだけど、討伐は討伐だ。嘘ではない。


「凄い!凄い!」

もともと綺麗な瞳を更にキラキラ輝かせて、ソフィアは拍手してくれている。

初めて、褒めてくれた。

「抱きしめて良いか?」


何でそうなるの?とソフィアは呆れたように居間に戻って行く。


「待てって、ほら、おにぎり買ってきたから!お腹空いてんだろ。」

本気で怒らせてしまったのかと心配したが、食べ物の名前を聞いてソフィアは笑顔を見せた。


「凄い大っきいね、このおにぎり!これ二つも買えたの?」

目を、月のように輝かせているソフィア。

セール品で、手に入れたお金全額で買ったことは言わないでおこう。


二人で、おにぎりにかぶりつく。

これ……具なしじゃねーか。

具は入っていなかったが、塩味の効いたおにぎりは、それだけでご馳走だった。


次の日も街の外へと出掛ける。なんとか、あそこに堂々と、佇む洞窟に入りたい。


太陽の容赦ない光を浴びながら、草原を歩いていると、珍しい光景に出会した。

一人の女性がスライムに囲まれていた。


また、スライムかよ。もう見たくはないんだけどな。


女性は剣を手にしているがそれをふりあげることはしないでいる。

取り敢えず、近づいてみた。


「何この剣?重すぎて全然持ち上がらないじゃない!あの武器屋、ぼったくったわね!」


どうやら、剣が重すぎて使い物にならないらしい。

太陽の光と同じような色したショートヘアの女性は近くで見ると………可愛い。

クソ可愛いじゃねーか!

そのまま、通り過ぎようとした俺の愚考は、グチャグチャに丸めて捨てた。


「あの…大丈夫?」


「ちょっと!このスライム共追っ払ってよ!これじゃ歩けないじゃない!」


銀色の硬そうな装備にさっきからスライムが体当たりしては跳ね返っている。


「その剣は置いといて、素手で倒せないのか?」


「何を言ってるの?この暑さで頭が焦げたの?私は剣士よ!剣以外でモンスターを倒すことは、最高の恥晒しじゃない。ねぇ早く、倒してよ!」 


誰も見てないんだから別に良いだろ。


「いや、助けたいのは山々何だけど、俺の今のステータスじゃ、こいつらに勝てるか分からん。逆に俺がピンチになるかもしれない。」


「勝てるか分からんって、スライムよこれ!勝てないやつなんかいるの?もう、良いわ。このスライムは無視して、強引にでも歩いて帰るわ。どきなさいこの腰抜け。」


美人に腰抜け呼ばわりされたまま、この美人をこのまま帰すわけには行かない。

もう一度、この雑魚と融合するのは気が引けるがやるか。

と、スライムの集団のなかに、ひときわデカいスライムがいた事に今気付いた。


「おい、ちょっと待て。このデカい奴もスライムなのか?」


「!?なんでここにオメガスライムが居るの?あんた、これレア種よ。何で知らないの?遭遇率100万分の1なんだから!」


オメガスライム?初めて聞いたな。コイツがレアなのか。まあ、デカくて触りやすいから触れてみよう。


「融合!」


ボロ雑巾みたいな魔道書は俺の手を離れ宙に浮き、光を放つ。

オメガスライムが俺の中に入って行く。


『融合成功 オメガスライムと融合しました。 特性スライムボディ 時々メタル化』


「おお!!成功したぞ!」

前と同じで、別に体に違和感みたいなのは全くない。


「どうしたのよ、急に!あれ?オメガスライムは何処?」


ここに居ると言いかけて辞めた。

取り敢えずモンスター討伐のチャンスだ。










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