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初、モンスター討伐

小さいながら、繁盛して賑わう街を出ると辺りには草原が広がる。一面、草、草、草。この美しく生え揃った草を見ると寝転びたくなる衝動に駆られる。


草原をしばらく歩くと、モンスターの巣窟、俗に言うダンジョンとやらがある。

俺達は、洞窟と呼ぶが。


その洞窟から漏れてきた雑魚モンスターが草原にも現れる。


草原に出た俺は、いきなりモンスターに遭遇してしまう。遭遇というか、木陰に隠れて様子を見てるだけなんだけど。

スライムと呼ばれる雑魚モンスターがブヨン、ブヨンと跳ねている。

初心者でも、軽く倒せるモンスターなのに、俺は、未だに倒すどころか、戦闘さえもしていない。


レア度の低い装備でもダメージは、ほぼ入らないスライムの体当たりを、俺がまともに喰らえば致命傷になる。


装備品をか買えるお金もないし、防御力1だしな。

近づくのが怖い。


ブヨン、ブヨンと地面から1センチぐらい浮いては着地する、スライムを見てると何がしたいんだと苛ついてくる。


近づくのが怖いが、今日は逃げられない。妹の悲しい顔を見たくはないんだ。


スライムが向こうを向いている隙きに汚ったない薄汚れた魔道書片手に、俺は、木陰から飛び出した。


「えっーと、モンスターに触れて何て言うんだっけ?」

走りながら思い出す。


鈍足な俺の足音を察知して、スライムがこちらを振り向く。


「あれっ?何て言うんだったかな?」


考えていると、止まることを忘れて、俺に体当たりしてくるスライム目掛けて突っ込んだ。


「あっ!融合だ。」

スライムを抱きかかえるようにキャッチしたのと同時に思い出した。

子供が走って親のもとへ向かい、抱かれるように。


俺とスライムを、光が包む。魔道書は俺の手を離れ、宙に浮いている。

光の発生源は、魔道書らしい。


スライムは俺に取り込まれるように俺の中に入って行く。

何だこれ、気持ち悪っ!


『魔法発動。融合。スライムとの融合に成功しました。 特性 スライムボディ 一定時間後、元に戻ります。』


俺とスライム合体したの?まじか……。


自分の手を見てみるがいつもの俺の手だ。何も変わっていない。

はったりか?


何気なく一歩を踏み出したら、ブヨンと俺の足から音がした。


「何だこれ?俺の足?地面が柔らかいぞ。」


地面ではなく俺の足が水風船みたいになってる。

これがスライムボディか!!!


気付けば、水色のスライムらや緑色のスライムなんかに周りを囲まれていた。


ブヨンと地面にワンクッションして飛んでくる水色スライム。

とっさに右ストレートを伸ばす俺。


お互いにブヨンと言う音を発する。

反発力で飛んでいくスライムは、でかい木にぶち当たり動かなくなってやがて消滅した。


「やった。倒した!初討伐だ!」


続け様に飛んで来るスライム達を次々にパンチして行く。


「おらっ!スライムパンチ!」

飛んで行った先で、岩やら木やらにぶつかり消滅して行くスライム。

 

周りには、経験値グミと呼ばれるモンスターを倒すした際にモンスターが落とすグミがたくさん落ちていた。


経験値グミを食べるとランダムに自分の能力値が上がる。

味は無く、いくら食べても満腹感を感じない不思議なグミ。


ダイヤを拾うように俺は経験値グミを広い集め直ぐに口の中に放り投げる。


「初めての経験値グミだ。味がしないぞ。どの能力値が上がったのか楽しみだな。」


能力値がどれぐらい上がっているのかは、ギルドへ行かないと分からない。

スライムのような、雑魚モンスターではたかが知れてるけどな。


よく見れば、スライムの欠片も落ちている。モンスターの素材というやつだ。

スライムの欠片を大事に拾いポッケにしまう。


街に帰って、お店で売ればお金になる。スライムの素材なんてたかが知れてるけど…。


再び、俺の体から光が、放たれたかと思うと、消えていた魔道書が宙に現れた。

『融合解除。 融合していたスライムは消滅しました。』


「とにかく、今日は満足だ。帰ろう!」

スライム5体以上は確実に倒した。

討伐の依頼でも受けとくんだったな。



街に戻ると俺は真っ先に道具屋へ向かった。


「あの、これ売りたいんですけど…。」

俺は両手一杯の、スライムの欠片を差し出した。


「兄ちゃん!そんなにスライム倒してアンタも相当暇だね。はい全部で300円ね。」

ゴツい体した無精髭のオヤジから300円を受け取る。

暇ではない!

世の中には、一日かけてスライムを一生懸命倒す奴だっているんだよ!


「これだけですか?」


「当たり前だろ!スライムの欠片だぞ!何も買わないなら早く帰れ!」


300円って……。何買えるんだろ?




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